それでも夜は明けるのレビュー・感想・評価
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ナチスじゃないよね?
白人の黒人に対する暴力を描いてますが『シンドラーのリスト』ぞのもので白人に対する怒りが湧いてきますが、考えてみると白人を演じた俳優も相当な覚悟がいるんじゃないでしょうか?日本人俳優が慰安婦相手のリアルな演技するような感じじゃないでしょうか?と思われるくらいヒドイです。
実はスティーブ・マックイーンの作品は近代美術館で拝見したのみでしたが、美術家としてという感覚は全くないので驚きました。
人は何故、人に残酷な仕打ちが出来るのか。
オスカーが決まった後の鑑賞。
ストーリー構成、脚本、キャスト、
成る程、オスカーを穫った作品だけある。
しかし、しかしである。
題材が題材だけに、多少の同情票が
加算されたのではないだろうか。
いい作品である事は間違いない。
リアルな奴隷制度の描き方としては
まちがってはいない。
だが、
リアルさ故に余りにも強烈な映像が
イメージを作り上げて、生き残る
意志の強さ、誇りを捨てない気概が
薄れたかにも思える。
人間は過去において、様々な過ちを
犯してきた。特殊な環境下では
逆らうた事が難しい。
主人が長い間首を吊られている
シーンが全てを物語っている。
最後に本人の写真が印象に残った。
なぜか、みた後に、感動ではない、
人の醜さ、残酷さがが心を捉え、
沈んだ気持ちになりました。
ハンス・ジマーの音楽予感です。
ルンルン♪で観る映画ではない!!
考えさせられる映画だと思う。
ところどころにある無言な時間!
そこに何を意図し、また視聴者は
何を思うのか、とても興味深い!!
奴隷をテーマとして映画が
こんなにも大々的に取り上げられる
ということは、世の中の考え方が
変わってきている証ではないかと思う。
実際の奴隷の扱いは、こんなものでないと聞く!
映画で観るだけでも目を覆いたくなることを
昔は平然と行ってきと思うと人間不審になる。
豊かな世代に生まれてこれたこと
そのこと自体が幸せに思う。
何度でも。あきらめない。
本年度アカデミー賞作品賞受賞。
おそらくこれが獲るだろうと思ってはいたけれど、
イギリスの黒人監督がアメリカの人種差別を描くという、
この人の挑戦スピリッツは大したものだと思う。
そもそも名前からして凄いんだけど^^;これ本名なのね。
あの名俳優もこれだけ後人がやってくれれば大喜び!?
冒頭で「自由黒人」という言葉が出てくるんだけど、
奴隷制度に知識の足りない私には初めて聞く言葉だった。
白人同様に生まれ育ち生活していた音楽家のソロモンは、
妻子が留守のある日、興行仕事の依頼に乗って騙される。
酒を飲み寝入った翌朝、奴隷市場に売られてしまうのだ。
自身が自由黒人であることを訴えるも、誰も耳を貸さない。
最初の農場主であるフォードは優しい主人だったが、
(カンバーバッチ、衿のフリルも役柄も似合いすぎ)
ソロモンの知性が他者の反感を買い、リンチされてしまう。
この描写が凄い。
首に縄を捲かれ木に吊るされたソロモンは、止めに入った
監督官により命は救われる。が、農場主が戻るまでの間、
ずっとそのまんま吊るされているのである、つま先立ちで。
邸宅から見下ろす白人、後ろでは普通に仕事をする奴隷と
遊びに興じる子供達。すべてが彼を丸無視状態なのである。
この壮絶な背景で彼がどんな立場にいるのかが分かる。
次の農場主は徹底した差別主義者で、ここはリンチの連続。
そしてここには彼を上回る拷問をされている女奴隷がおり、
主人は彼女を性の道具にしていた。演じたのがL・ニョンゴ。
正妻が下す沙汰は愛人への嫉妬であり、これは奴隷だから
という判断レベルではない。死ぬまで鞭を打て!との指令に
逆らえば殺されるソロモンが、泣く泣く彼女を鞭打つ場面も
かなり悲惨。一番の働き手を失ってもいいのか!?農場主。
一体どちらが無知なのかと首を傾げてしまうほど、彼らの
リンチは酷さ極まりないが、ここでソロモンはあるカナダ人
と出逢う。これが製作を引き受けたブラピなもんだから^^;
彼の役回りがズルいほど「いい人」なのは致し方ないのだが、
彼に頼んだ告発文が功を奏し、ソロモンはついに解放される。
彼は元々自由黒人だったのだから、解放されて当然なのだが、
あの屋敷に遺された奴隷たちの、その後が気になる終わり方。
実在のソロモンは奴隷解放に尽力したようだが、訴えはほぼ
却下されたり、無罪放免という結果になった(後説に出てくる)
まったくもって酷い話になるが、
知性ゆるがないソロモンの、それでも白人を信じようとする姿
が印象的だった。騙されても痛めつけられても白人達を信じ、
何度でも依頼・懇願する。すべては家族のもとに帰るため。
これが実話とは、一体どういう国なんだよ!と思ってしまうが、
こんな風に部下を奴隷扱いして、イタぶってる上司はいないか。
…と、現代社会に置き換えて考えてしまった。
あのキンキーブーツが記憶に残る^^;C・イジョフォーの大熱演。
先日観た大統領の~もそうだったが、静かに過酷な戦いに挑む
描かれ方がよく似ている。最後まで諦めない姿に感動を覚えた。
(監督ご贔屓のファスベンダーもさすが!似合うところが辛いなぁ)
苦しめたのは法ではなく人間だ
ここ数年「ヘルプ 心がつなぐストーリー」「ジャンゴ 繋がれざる者」「リンカーン」と、奴隷制度に関する映画がアカデミー賞にノミネートされていましたが、いよいよと言うかやっとと言うべきか本作が見事に作品賞に輝きました。
この映画は誰が観ても文句なくオスカーに相応しい作品なのではないでしょうか。
オバマ大統領になって変わって来たんですかね…やっと
アメリカの汚点とも言うべき奴隷制度に真正面から向き合ったと思えるスタッフと、本作をオスカーに選んだアメリカという国に心から敬意を表します。
本作の主人公は元々自由黒人だったから奇跡的にでも戻ることができて本当に良かったけど、そうでない黒人のことを考えると、本当に絶望的な気持ちになってしまいます。
人間を所有物だなんてどう考えても酷い話だ。
今日のオバマ大統領誕生まで本当に長い長い年月だったんだと実感したし、肌の色に関係なく人として尊重しなければいけないと当たり前の事を改めて考えた。
しかし差別や拉致誘拐は過去の話ではなく今でもあることだし、肌の色とか国籍とか関係なく何処にでも悪いヤツはいる。
そして可哀想と思ってるだけでは何も変わらないこと、普通の人々が見て見ぬふりをやめ、何か行動を起こさなければきっと何も変わっていかないんだろう。
多分それは簡単ではないと思うけど、せめてNOと言える勇気は持ちたいものである。
奴隷として生きて亡くなられた全ての方々に哀悼の意を、そして今ある自由に感謝を込めて…本レビューを投稿します。
本作を観てから「リンカーン」を観るとまた感慨深いものがありそうですね。
歴史認識を改めさせてくれたオスカー受賞作
奴隷制を巡って戦った戦争が南北戦争だから、北部と南部で黒人の立場も白人の立場も違っているのは当然だが、どうも奴隷制廃止以前のアメリカでは、黒人は奴隷として搾取され白人はそれを支配しているという思い込みが刷り込まれてしまっている。
だから、北部で自由黒人として白人と同じように家族を養っているソロモンの姿がすんなり入ってこない。
しかし、そんな北部でさえ黒人に対する差別意識はあっただろうし、その際たるものがソロモンの拉致だ。何しろ南部では黒人は売り買いの対象だったから。
拉致され奴隷として南部へ連れて来られたソロモンには自由黒人だった自分は南部の黒人とは違うという特権意識があって、それがこちらが感情移入しずらい理由でもあるのだが、彼もまた自分が奴隷になって初めて南部における黒人の状況を知った人間のひとりだったのだと思う。
年老いた黒人奴隷の葬送。
黒人霊歌で仲間を送る歌声に合わせてソロモンも歌い出すシーンは彼の中の特権意識が取り除かれた象徴的なシーンだと思う。
実話ベースの今作だが(全てのキャラクが実在したとも考えにくいが)、キャラクターの配置が巧み。
北部の黒人ソロモンと南部の黒人パッツィ、人間的な製材所の持ち主と冷酷非常な農場主(白人現場監督)と対照的な人物を配置することでこの時代にあっても、黒人と白人という単純な対立構造ではなく、様々な立場で様々な考えを持った人間がいたということを教えてくれている。
ただ、(監督が気を遣ったのか)プロデューサーでもあるB・ピットが正義の味方然としたあの役を演るのは如何なものか?あの役はどちらかといえば無名の俳優が演じた方が物語としては生きたのではないかと思う。
主人公であるソロモンに感情移入出来ない中で、どのキャラクターが印象に残ったかといえば、それはM・ファスベンダー演じた農場主。彼のパッツィに対する執着は“愛”以外の何物でもなくて、それは本人以外の人間から見れば明らかで、だからこそ彼の妻もパッツィに辛く当たる訳だが、その“愛情”を自分にも他人にも認める訳にはいかずに悶え苦しむファスベンダーが素敵。
この複雑なキャラクターを彼にふったあたりは・マックイーン監督のファスベンダーに対する信頼を物語っていると思う。
命の重み。
主演キウェテル・イジョフォーの聡明な眼差しが印象的。
パッツィを演じたルピタ・ニョンゴも素晴らしい。影の主役。
プロデューサーも兼ねているブラッド・ピットがおいしい役すぎて興醒め。
寡黙な主人公、保身と強欲に駆られる支配者達、じっと耐える者達。
大小さまざまな罪と罰を持ち合わせている人間の本質を見つめるドラマ。
自由は汗と血と涙の上に成り立っていると伝える終盤が見応えずしり。
不屈の尊厳をメロディーに乗せて歌い上げる"Roll Jordan Roll"が胸に響く。
どういう思いで観るか
感想
何も考えずに観ると人が人を痛めつける、ただ単に残酷な映画となってしまうが何かを思いながら観ると考えるきっかけになると思う。
何を思うかは人それぞれだが、俺はこの映画をアメリカ人はどういう思いで見ているのだろうということを強く思った。白人と黒人の関係は日本にいる日本人には分かりかねるところだが、なんとなく戦時中の日本と韓国・中国を彷彿させるような内容だったのではないかと思った。内容を戦時中の日本と韓国・中国に置き換えた時、それを観る中国人や韓国人の気持ちは穏やかではないだろう。こう考えた時、アメリカでこの映画を見ている黒人はどういう気持なのだろう。映画館を出たあと白人の友人と今までどおりに接することができるのだろうか。人種差別に関して特に強い気持ちがあるわけではなかったが、そういった部分がとても気になった。
また、要所要所で、こういう現実を押し付けられていない自分の境遇に対して幸せだと感じた。
内容や描写
それでも夜は明けるというタイトルはちょっとミスマッチだった。タイトルだけ聞くと希望に満ちた内容なのかと勘違いする。実際、主人公は希望を捨てずに生きる、というよりはどうすることもできずにもがくというような描写だった。役者の演技やカメラワーク、表情の捉え方はとても上図だった。
スティーブマックイーンとブラッドピッド・・発音が快感
奴隷の映画だ。
それを知って行くならともかく、流行ってるからアカデミーだからと踊らされて観た日にゃ・・デートには止めとけ。
いまだ黒人差別は酷いが、東洋系も実体験から海外では黄猿と蔑称されることあり。女はみんな白人になりたいのだ。
ブラビがいい役で出てるが謳わないのはやはりそれで客寄せは気が引けたか。
良い奴隷映画だと思う。
「明けない夜はない、1枚」と言いそうになった
ほとんどの映画を、東京・錦糸町エリアで見るが、これは時間帯が適当でなかったので、渋谷TOHOまで行って鑑賞。かなり混んでいた。さすがオスカーの金看板は効果あり。
先日見た「大統領の執事の涙」と合わせて、米国における黒人の歴史的意味を改めて理解できた。その点で、自分にはためになった映画。
そういう米国の歴史、社会の成り立ちに関心のない人でも楽しめるか、というと難しいところ。
19世紀半ば、日本が幕末に向かう時代。米国では南北対立もあり、奴隷解放前夜でもあった。
そういう時代的背景の説明は一切ない中、普通の生活をしていた「自由黒人」が同じ国内で拉致された末に奴隷として扱われてしまったという実話が実直に描かれている。
黒人をワナにはめたのも、助けたのも白人というのは結局、白人支配から抜けられない黒人の実相でもある。
そして、100数十年前には彼らはモノ扱いされていたのだから、今も黒人が差別される、という深い意味が分かるような気がする。
「大統領-」は映画館で見るほどの作品でもない(レビューは書いてないが★★)が、この作品はアカデミー作品賞を、こうした映画が取るのか、ということを知るためには見ておくべき映画だろう。
実話的
タランティーノ監督の「ジャンゴ」や黒人初のメジャーリーガーを描いた「42」。最近でも黒人差別を扱った映画はあった。
特に「ジャンゴ」はシチュエーションもよく似ていると思った。
しかし、タランティーノはこの問題を扱いながらも、映画のもっている
エンターテイメント要素を強く出していた。もともと、タランティーノはそのバランスをよく考えている監督である。
それに比べ、本作のスティーブ・マックウィン監督はリアリズムを強調する。それは前作「シェーム」でもよく現れていた。
特に、同じ黒人として徹頭徹尾リアリズムを貫く。
主人公が首つりされていたシーンは何分も同じカット。それにこの映画で、最も目を背けたくなるシーン、女奴隷に対するムチ打ちはこれでもか、これでもかと続いていく。
この映画の大きな見所は、黒人たちに対する白人たちの態度だろう。
第1の主人であるカンバーバッチ。
黒人に対して、能力あるものは受け入れようとする。ある意味でリベラルな白人だが、余計なもめ事は避け、手放す。
第2の主人はファスベンダー。
とにかく、憎まれ役を一心に受けるレイシストである。それであっても迷いがないわけではない。妻との不仲、うまくいかないビジネスのはけ口とする面もある、ある意味孤独な男である。
第3は大工役で登場するブラピ。
主人公に手紙を出してほしいと言われたとき、本音を吐く。それをすることは怖いと、でも、自分の信念を試されていると言う。そして行動する。
様々な人がいて、様々な状況があり、物事は単純には動かない。
でも、最終的にはより良きように動くのでないかと思う。普遍的な真善美に近づいていくのではと期待している。
そのためにも、マックウィン監督が国連で言葉が生きてくる。
>もし、私たちが過去を知らなければ、未来を築くことはできません。
感動というより衝撃。
‘大統領の執事の涙’も黒人奴隷の話だったけど、こちらは悲惨な部分をこれでもかと見せられる実話にもとずいたお話。
昔テレビドラマでマンディンゴとかあったけど全然見たことなかったので奴隷制度のことは授業で聞きかじったくらい…。
少し前の時代の話だけど、ここまで差別されている時代があったんですよね。‘自由黒人’っていう言葉も初めて聞いたけど、白人と黒人だけでなく、黒人の中にも人種差別があったんですね。
しかし、誘拐して奴隷にしちゃい、それを正として成り立たせていたなんて、北朝鮮と一緒。誘拐されて奴隷になったら自己をなくしてどこまで生きていけるのか、この時代の黒人の悲壮感がこれでもかと伝わります。
主人の白人たちも千差万別。ひどい主人についたらもうどうにもなりません。
‘それでも夜はあける’むちゃくちゃぴったりな邦題でした。
遠い夜明け
2014年アカデミー賞で作品賞・
助演女優賞・脚色賞を受賞した話題作。
1840年代アメリカ。突如奴隷として売られ、
理不尽な差別を受け続けた実在の
黒人男性の12年間を描く。
* * *
同じく黒人差別を取り扱った
『大統領の執事の涙』の場合は、
黒人の権利が向上していく流れを
ダイジェスト的に追っていて分かり易く、
トーンもいくらか明るい。しかし、
「新たな知識や視点を与えてくれるか」
という点ではやや弱いとも感じた。
一方、
『それでも夜は明ける』の舞台は1840~50年代。
リンカーンの奴隷解放宣言が為された南北戦争の
終結は1865年らしいので、黒人の権利向上
どころか未だに奴隷制が廃止されていなかった
時代の物語である。
少なくとも僕はこの頃の黒人差別を
扱った映画を観たことがなかったし、
“自由黒人”なる身分についても初耳で、
黒人間で身分格差があるという描写も新鮮だった。
* * *
本作で描かれる差別描写には情け容赦が無い。
そんなに多くの黒人映画を観た訳でも無いが、
今まで観た中で本作は最も惨(むご)い。
ペットですら、いや、家畜ですら
こんな扱いは受けないだろう。
理不尽に繰り返される暴力。
生気を失った奴隷たちの表情。
戦おうだなどとは誰も考えられない。
聖書の朗読は侮蔑と悲鳴に掻き消される。
溢れ出す怒りと苦しみと哀しみは 、
とうとうと唄う事で溶かす他に術が無い。
観ている内に、こちらの感情まで
麻痺してしまう感覚を覚えた。
これをそのまま体験として
受け取るには惨過ぎるのだ。
* * *
非道(ひど)い人間ばかり登場する本作の中でも
飛び抜けて醜悪なのがエップス夫妻。
血肉が飛び散るほど激しく鞭を打つ。
人をおもちゃのように踊らせ歌わせる。
自分たちの不幸もすべて奴隷たちのせい。
奴隷の女パッツィへの扱いは特に救いがない。
主人エドウィンからは道具のように犯され、
嫉妬する妻からも理不尽な暴力を受ける。
(あのバカ奥様は、夫を愛してるとかではなく、
どんな才能・教養であれ自分より勝る点を
持つ奴隷が鼻持ちならなかっただけだと思う)
「俺は俺の所有物で遊んでるだけだ」という台詞。
あれって冗談のつもりは微塵も無いのだろう。
人種や外観が違うというだけで、一体どうして
ここまで『異物』として扱うことができるのか。
かつてこんな人間がいたと思うと背筋が凍るし、
その名残が今も根深く残っている事も恐ろしい。
* * *
ひたすらに苦しい映画だった。
最後はわずかに救われる気分にはなるが、
感情が麻痺してしまって涙は出なかった。
主人公のその後のいきさつも含めて、
爽快感よりもやるせなさが残るのだ。
当たり前のことが当たり前に行われなかった。
そんなやるせなさが。
『それでも夜は明ける』というタイトルは、
本作のトーンに対しては明る過ぎると感じる。
「我らを照らす太陽よ、貴方の姿が見えません」
陽が上るのはずっと先のこと。
まだまだ夜明けは遠い時代の物語。
<2014.03.14鑑賞>
考えさせられる
作品としてはさすがアカデミー賞を受賞した
だけはある。実話なので、リアリティは抜群。非常に考えさせられる映画ではあったが、多くの国で悲劇はくりかえされている。今後このようなことが起こらないことを祈るばかりである。
夜は明けどもきのうと変わらぬ絶望があるだけ
その邦題から、どんな状況でも希望を捨てずに生きて、その地獄から這い出す物語を想像していた。だから、見終わった後の後味の悪さにからだが重く沈んだ。
どんなに希望を捨てずに生きようとしても、粉々に粉砕されて、微かな明かりさえ灯せない。逃げ出すこともできない。ただただ、毎日絶望があるだけだった。それがとてもよかった。
登場人物が歌をよく歌うのも効果的だった。白人も歌うし、黒人も歌う。
それにしても、ポール・ダノ最高! 全身で表す小物感がたまらない!
それに比べて、ブラピ! ブラピだけ、この映画の重さを引き受けないペラペラな演技してた。
白人の怒号と奴隷の慟哭
決して気軽に見られる映画ではない
非人道的に虐げられる黒人達の姿を淡々と映す2時間であり、同時に自由を求める執念と支配欲に溺れた人の醜さが見られる。
そんな人間性の両極端を感じられる作品
辛すぎて途中で席を立ちたくなる
あまりに残酷な事実に目を背けたくなる。無言で長回しのシーンが所々あるのだけど、息をするのも辛いくらい。どう星をつけたらいいのかわからない...。でもこういう事があったとたくさんの人に知ってもらいたいから5。人間はこんなにも残酷になれる生き物なんだと改めて思い知らされ、激しく動揺する。呆然として涙なんか出なかった。
いい映画だと思うが。。。
2014年のアカデミー賞作品賞受賞作。
なるほど、こころざしは高いように見える。
だが、これは個人的な問題なのだが、奴隷制度というものがまったくわからない。
前にも書いたかもしれないが、人は優劣をつけたがる生き物である。この分野ではあいつに勝てる、でもこっちではかなわない、そうやって人と人はバランスを保つ。その人のいいところを見つければそれでOKなのだ。
奴隷のことを自分の所有物と言ってしまえる感覚がまったくわからない。
ことによると、その役者までそういう感覚の持ち主なのか、とまで思ってしまう。
マイケル・ファスベンダーは好演していたと思うが、危うい役である。
その点、ブラッド・ピットはしたたかである。
スティーブ・マックイーン監督の演出は、重い題材をなんとかエンターテインメント風にしようとした跡があり、好感が持てる。
けど、映画は楽しいほうがいい。
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