それでも夜は明けるのレビュー・感想・評価
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黒人奴隷にも冷たいしたたかさ
自由黒人から一転、奴隷になった主人公は、白人の傲慢さや、偏見、そしてある意味悪意なく見下してくる姿勢に絶望していると共に、境遇に慣れすぎ、無気力な黒人奴隷にもいっさい共感していない。
主人公は黒人奴隷を軽蔑している。基本的に彼の視線は白人と同じだ。
それがこの映画を稀有に恐ろしいものにしている。
彼は自由黒人という本来の立場の復活のため、したたかに動いてるだけで、究極的には黒人奴隷制度自体には否定や疑問はしていない。彼は基本的に黒人を見下している。
だからこの映画は黒人奴隷という歴史の恥(シェイム)を声高に反省するような単純な感動作ではないのだ。
アカデミー賞作品賞、受賞作品
時間軸の描き方はわかりづらいため、出来としては『アメリカンハッスル』の方が上。
しかし、納得の作品賞、受賞。
いつものアカデミー賞受賞作品と違いテンポも雰囲気も、重い。
醜い人間を散々見せられますが、どれだけ奴隷制度が酷いものだったかがとことんわかります。
鞭の音など音にも凝っていて痛みも伝わってくる。
とにかく重苦しい。
しかし、救いは意外とあったりする。
だけど、複雑な気分にさせられます。
最後には感動もあって心を揺さぶられますが、「その後」の字幕は納得のいくようなものでなく後味は悪い。
だけど、エンディングロールでは劇中でもあった歌が流れ、少し明るくなれて考えさせられました。
とても重い作品ですが、ぜひとも多くの人に見てほしい作品。
新作の価値も劇場の価値もあるのでぜひともオススメです。
アカデミー賞
期待して観た12 years a slave 。
これ邦題が好きでないからマイナス星つけてます。
実話を元に描かれた作品をうまくまとめた内容だった。ただ最後どうしても終わりを気にしてなのか、展開が早まってしまったところが少し残念だけど、
内容としてはリアルに描かれており、
心をもってかれた。
大統領の執事よりか全然見応えある。
気になった悪い点はさっき書いた通りのことで、ブラピがいい人すぎるのと、
後半の急展開が残念。
それとこの英語の本当の良さつまり
アカデミー総なめにしたのは、アメリカ人しかわからない何かがあると思う。
黒人と白人の奴隷関係は日本でいう従軍慰安婦問題と同じようなこと?
実感がわかないけど、
これを実国でちゃんと隠さず放映し、アカデミーまで持っていけた作品として観る価値ある映画の一つだ。
面白い
家族もあり、自由黒人だったノーサップが、拉致されて奴隷になってしまう。
有能な奴隷だが、主人の嫌がらせ、裏切りに耐えながら生活する。
奴隷に理解のある旅人ブラットピットに、自由黒人の証明を家族から送ってもらうようお願いし、なんとか願いかない、家族の元に戻った
人間の本質は実に残酷
実話であると念頭に置いて見る必要があるが、後味は決していいものではない。
人間のおぞましくも卑劣で悲惨な行いが歴史には刻まれている。その一片に触れ、考えさせられると共に心が痛む。
映画としてみると、時系列を前後させる構成や、家族や登場人物の紹介やその後、時間経過の描写などもっと欲しい情報はあったが、ソロモン本人の目線、経験で描かれている為、不満に感じる内容も、救われない人たちもこれが実際に行われた史実であると、目をそむけず知る必要があると考える。
教育や倫理観の徹底、正しい法治がされないと、知能が付いてしまったが為に、人間は最も残虐な動物にも成り得る。
この悲惨な歴史を繰り返さないためにも一見の価値はあると思います。
映画「リンカーン」をこの作品の後に見ると、奴隷制度撤廃までの歴史を目の当たりにできると思います。
見てる間しんどい・・
あまりにも酷い・・ 理不尽で胸が苦しくなった・・
人間を自分の所有物と
してやりたい放題・・・
見ていても最初から最後まで悲惨な光景が続き
全然夜は明けないって・・
なのでこの作品は私はすごく長く感じた・・
結構しんどい作品です
でもこの様な歴史があった事実を伝えて行くには
重要な作品なのかもしれません・・
ブラピいいとこ取り?www
自分的、奴隷映画ナンバー1です
すごくいい映画。小生、奴隷映画がなぜか好きで色々見てきたんですが、それらどれよりリアルな奴隷映画でした。考えたんだけど、それはカメラや演出もさることながら、人間性というテーマに対する描写がどれより素直でストレートだからですかね。
主人公が人間性剥奪されてしまいながらあがく一方、ファスベンダー演じる奴隷主が奴隷と対峙して非常に艶かしい。当然だと思ってる人間性が剥奪された世界もあるよ、と言われるより、我々の知りうる世界観で奴隷の世界を表現してしまった監督、すげーって感じです。素直な分、逆にある程度は難しい映画だなって思います。
美味い話しには気をつけよう!
いくら自由黒人だからといっても、この時代に上手い話しに有頂天に乗って酔いつぶれ捕まるなんて、どんだけ世間知らずのバカなのかと思って驚いてしまう。自分の不注意から招いた結果なので仕方なのかと思ってしまう。奇跡的に戻れたのが不思議なくらいです。改めて甘い話しには、絶対に乗らないようにします。
明日がこなければいいと思う日々
観ながら胃がしめつけられるように痛みました。凄いと思いました。
自由黒人として生活していたソロモンの12年間の壮絶な体験。
奇跡のような生還の後手記を発表したソロモン・ノーサップ、厳しい時代に出版し後世に遺した人達、世界に届く映像作品に仕上げた人達に深い敬意を捧げます。
明日なんかこなければいいと思う日々、でも、祈りはどこにも届かない。邦題はそちらと解釈しておくことにしました。
でも実のところ私が苦しくなったのは、何十年も前に突然始まり突然終わったイジメの感覚が、それをテーマにした学園モノよりも遥かに生々しく蘇ったから。ソロモンの目線でハマりこみました。
ある日突然、人で無くなる。容赦ない眼差し、心ならずも黙って通り過ぎる横顔、痛みを知りながら助けることのできない虚しさ。
最初の主の、誰の心にも届かない説教がHRの風景と重なり、そこは苦笑い。
小さな役の俳優さんまで、この世の地獄の空気までみせる見事な表現だったと思いました。
ブラッド・ピット、なかなか良かったです。この作品においてはあまり旨みのない役を、さらっと演じていました。
見ていてつらい、
と思いました。長回しの拷問シーンがとても効果的だったと思います。今の日本に生まれて良かったと心から思いました。
ラストの家族と再開するシーンは、感動というより「良かった…」と思いました。自由黒人である事が証明されたから良かったものの、奴隷黒人は終わりなく戦い続けるのだろうと思うと…とても考えさせられる作品でした。
見ていて痛々しくて苦しくて、だからこそ観て良かった、観るべきだなぁと感じた作品でした。
明けない夜もある。
奴隷制度の理不尽さや自由の喜びなど心に響く部分はあった。しかし「迎えが来たからオレは帰るよ他の皆はガンバッテ!」的なラストは、そうせざるを得ない状況とはいえちょっとガッカリ。
エンドロールでの『虐待したヤツ訴えたけど負けた』←この部分も詳しく追ってほしかったなー(´Д` )
人の心から差別と偏見の意識は無くならないのだろうか?
大好きだった「大統領の執事」が公開されて大ヒットにならなかったのが残念だったけれど、こちらの「それでも夜は明ける」はやはりオスカー受賞と言う受賞効果も有ってか、映画館では、久し振りの賑わいの中で、本作が観られた事は自分には嬉しかった。
私は自分でも本当にバカだと思うのだけれども、自分が観て気に入った作品がヒットすると自分の事のように嬉しい、そしてガラガラの空席の多いシネコンで観る映画は何故か気に入らない作品であっても、お客の入りが少ないと淋しく思うのだ。
自分に全く、損得関係無しの事なのだが、やはりどの映画でも有る程度観客で埋め尽くされた映画を観るのは、観客の一人として嬉しいのだが、これは可笑しい事だろうか?
さて本題に話を戻すとこの作品も実話を基に描かれた作品と言う事では、近作「大統領の執事」に続いて大一級の社会派作品だ。
米国に於ける人種差別の歴史を差別されていた側の人種であるアフリカ系の監督が描いた作品と言う事では今迄にない社会的な大きな意義を持ち、物凄く力強いこの作品が出来たと事はハリウッド界にとっても素晴らしい新たな1ページと言える。
そしてこの映画の伝える内容も大切な情報だと思うし、立派な作品だ。だが立派な作品だけれども、私は好きになれない作品だ。
多分、この作品の監督ステーヴ・マックィーンは英国人だから、より冷静にシビアの米国内に於いての差別の歴史を描けている為なのだろうかとも考えた。
彼の前作「シェーム」では余りにも特殊な人間像に驚かされて、映像的にはとてもインパクトが有り、衝撃を受けるような映像タッチで、記憶には残ると言うか、センセーショナルな感じはするけれど、何だか特別な世界観の匂いの方が強くなって好きになれない作品だった。作品の評価はぐっと低い採点を確か自分はしたと思う。
自分でも巧く分析出来ないのだけれども、何故か彼の作品には馴染めない、その原因が知りたいのだけれども、理由が巧く説明出来ないでいる。
こう言う人種差別や、或いは人種に限らず、性差別や階級差別等々、障害者差別なども含めると様々な偏見や差別の中で生きている私達の日常とは、自分でも無意識の内に必ず、何処かで自分も差別と偏見の加害者と被害者の両方を往き来して両方の経験の中で暮らしているように思うのだが、みなさんはどうだろうか?
この作品のプロデューサーをブラピがしていているが、いかにも彼のプロデュース作品と言う気がする。幾多の苦労を経てその苦労が実りハリウッドの大スターとなった彼の生き方それが、そのままこの作品を産み出す要因になっている気がする。彼の私生活が彼の生き方を示している。そして彼が若くしてRRフォードに見出された事も大きな影響になり彼が制作者としての道を歩み始めた要因だと思う。
余りにも観るには辛い作品であった。しかしそれでも現実は更によりリアルなのだろう!
自由とは、人が持つ生まれながらの権利
本年度アカデミー賞作品賞受賞作。
隣町の映画館での上映がようやく決まり、早速観に行ってきた。
奴隷問題を扱った映画は多く、去年も「リンカーン」や「ジャンゴ」があった。
僕は、奴隷問題や人種差別を扱った映画が好きと言ったら言葉が悪いが、非常に胸に響く。
が、ここまでがっつり真っ正面から捉え、ズシリと感じたのは初めてかもしれない。
自由黒人だった主人公ソロモンは、白人の裏切りで奴隷として売り飛ばされる。騙された事も、自分が置かれた状況の説明も無く、突然に。
ここから見る側は、ソロモンの身になって、彼の辿った苦しみの歳月を体感する事になる。
ソロモンの身に降りかかるのは、恐怖、絶望、不安、過酷な重労働、不条理な暴力…。
味方も信用出来る者も居ない。目をかけてくれる者は居ても、助けてはくれない。
とても人が人にするとは思えない酷たらしい仕打ち。
黒人と白人の何が違う?
目を背けたくなる場面もある。
しかし、目を背けてはいけない。
こんな事がほんの一世紀半前まで実際にあったのだ。
オスカーを受賞したルピタ・ニョンゴの熱演が話題だが、受賞を逃した二人にこそ引き込まれた。
キウェテル・イジョフォーは、ソロモンの悲しみ、苦しみ、決して人としての誇りを捨てない姿を体現。
マイケル・ファスベンダーはソロモンの2番目の主人で、奴隷たちに対して情けも慈悲も無い。その一方で、ルピタ・ニョンゴ演じるパッツィーに歪んだ愛情を持つ。冷酷でもあるが、惨めで哀れな男にも見えた。ファスベンダーにとっても、苦難の役だったろう。
実話である為、オチは分かっている。苦しみの12年の末、遂に自由を取り戻す。心揺さぶり、深い感動を呼ぶスティーヴ・マックィーンの演出は素晴らしい。
自国の暗部であり汚点である題材な為、映画会社は及び腰だったそうだが、本作の製作に尽力したブラッド・ピットのプロデュース能力も称えたい。
スピルバーグの「アミスタッド」で、名キャッチコピーがあった。
“自由とは、人が持つ生まれながらの権利”
彼らは奴隷でも、ましてや誰かの所有物でもない。
一人の人間なのだ。
その自由は誰にも奪えやしない。
別に賞を穫って賞賛されたからじゃない。
現時点での今年のNo.1だ。
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