「心晴れ晴れ」超高速!参勤交代 玉川上水の亀さんの映画レビュー(感想・評価)
心晴れ晴れ
参勤交代という時代劇でメインで取り上げられることのないテーマで、痛快な物語を繰り広げる本作品は、鬱陶しい梅雨空も吹き飛ばして、心晴れ晴れとした気分にさせてくれる。
やっと参勤交代も終え、江戸から国許に帰って来たばかりの小藩・磐城国湯長谷藩に、腹黒な老中が藩の取り潰しを謀って、5日以内の再度の参勤交代を命じる。
費用も莫大で準備に半年、8日はかかる道のりを、国許へ帰って来たばかりの小藩に再度短期間でやらせようという無理難題。
「窮鼠猫を噛む」という言葉通りに、藩主・内藤政醇をはじめ家臣達は、いわき侍の気骨と武士の本分を幕府に示す為、この「ミッション:インポッシブル」に挑んでいく。
主人公・内藤政醇は実在の人物で、映画に描かれたような領民に慕われた殿様だったらしい。
超高速な参勤交代に挑む藩主と家老を含めた精鋭6名の家臣達一人一人が個性的で人間臭く、とても魅力的だ!
この個性溢れる貧乏小藩の面々が不可能を可能にする為に繰り出す奇策、秘策がとても楽しい!
腹黒老中が差し向ける刺客や妨害工作に負けず、彼らは藩を守り、いわき侍の意気地を示すことが出来るのか?
有り得ないような展開や設定等もあって突っ込み所満載だが、本作品の持つ楽しさや温かさの前では取るに足りない。
治世者として、武士として、そして何より人として何が大切なのか、そして高い地位や金持ちになるよりも、本当の豊かさや幸せに生きるヒントも本作品は我々に教えてくれる。
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