「予想以上に楽しめた痛快時代劇」超高速!参勤交代 スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)
予想以上に楽しめた痛快時代劇
これは面白い時代劇でした。
笑いあり、涙あり、アクションも恋もいい感じに盛り込まれて、見応え十分な内容に仕上がっていましたね。
知っているようで思いのほか知らなかった参勤交代の実態も知れて勉強にもなりましたし、これは予想以上にヒットしたのも至極納得の作品でした。
かなりご都合主義な面はありましたけど、面白ければそれも良し、見終わっての爽快感がホントたまらなかったぁ~!
中央が横暴に振りかざす権力に知恵で立ち向かう地方の逆襲的構図も、ベタではありましたが思いっきり感情移入させられた要素でしたね。
特に舞台が今で言う福島のいわきだっただけに、いろいろなことが想い浮かんで・・・。
だけに、最後はとても痛快な気分にさせられましたよ。
地方は金はなくても、その土地その土地で素晴らしい名産があったり、歴史もある、人の好さも含めて、地方賛歌になっている辺りはとても好感の持てる内容でした。
それに比べて金と権力しか興味のない中央は、無理難題を地方に押し付けて、自分達は私腹を肥やしてばかりで・・・ってまあ昔も今も一緒ですね・・・しかし陣内孝則はホント悪代官がよく似合いますねぇ(笑)
一方の佐々木蔵之介が演じた貧乏藩主の、普段はノホホンとしてるのにいざとなった時にはしっかりとしたリーダーシップを発揮するそのギャップもたまらなく良かったです。
藩主も魅力溢れるキャラならば、家来達も皆一芸に秀でた面子で、キャラ立ち具合がとにかく最高でしたね。
特に西村雅彦が演じた家老の相馬がいい味出してましたねぇ、知恵がありそうでそうでもない様子が、ホント笑えてかなりツボでした。
また道中出会う深田恭子が演じた飯盛女と藩主の身分違いの恋物語も、男臭い物語のいいアクセントとなって、思いのほかキュンとさせられた一幕でした。
ちょっと男勝りなキャラが、あの藩主とは絶妙な相性だった印象で、お似合いの2人だったなと。
時代劇だけに、殺陣のシーンもまずまずの見応え、基本はコメディでしたけど、笑いとシリアスのバランスも絶妙だったと思いましたよ。
参勤交代を題材に、こんなに笑えて痛快な作品を作ってしまうとは、いやはやお見事でした。