「ピクサー至上最大の傑作でしょ、これは。」インサイド・ヘッド 夢見る電気羊さんの映画レビュー(感想・評価)
ピクサー至上最大の傑作でしょ、これは。
見る前はそれほど期待来てなかったんだけど、見終わったあとはいい意味で裏切られた。今年一番の出来の映画といってもいい。
一人の女の子の心の動きを通じて、人間の感情を巧みに説明している点が素晴らしい。それぞれに感情があって、性格があって、どれ一つ同じ成長をしていない点、過去の積み重ねが、今の自分を形作っている点。ダイレクトだけど、分かりやすくとても楽しく完成されていて、作成者は天才ではないかと思う。
実は、製作した監督の実体験がもとになっている。監督の娘さんも同じ境遇にあってたらしく、その時に監督自身が精神や脳科学を勉強来たことが盛り込まれているらしい。
人間には、喜ぶ感情も必要だけど、悲しみを感じて、皆で悲しみを分かち合うことも必要なんだという結末も美しい。
必要ないと思っていたものが、実は自分を形作る上でも必要だったというドンデン返し、(これは見なくても分かってたけど)、は本当に人生の勉強として必要。皆はアニメを見つつも人生を学べるのだ。素晴らしい映画ではないか。
泣けるポイントが、本当にいくつもある。昔の思い出を語るシーンだけで泣ける。涙もろすぎという話もあるが。
子供の頃の架空の友達が、最後に自分を犠牲にして後押ししてくれるところは最高に泣ける。自分も、こうやって大人として成長してきたんだなあと感じて大人が泣けるシーンだと思う。
悲しみや怒り、イライラや、恐怖、そして喜び。それらは実は混ざり合って出来ている。幸せは全部あって満たされる。本当に心を満たしてくれる映画だった。