トーキョービッチ,アイラブユーのレビュー・感想・評価
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文学には疎いのだが
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近松門左衛門の作品で『曽根崎心中』が題材である。心中モノというジャンルがあるとすれば、それがこの近松作品が一番メジャーなのかもしれない。とはいえ、社会の歴史で憶える位で、実際には読んだことがない人が多いのでは。かくゆう自分もそうだが。。。
話はそれほど難しい内容ではなく、親友の嫉妬により、借金を抱えてしまった男が、追い込まれた先が周りから反対されていた惚れた女郎と一緒に死ぬこと。あの世で添い遂げる為の死出の詣でである。
今作品は、その下地があってのストーリーなのだが、現代社会にも通じる普遍的なテーマなのかもしれないと考えるほど、江戸時代との差がないことを痛感させられる。
男も女もそれぞれが思惑があり、でもなかなか旨くはいかない。諦めようと思うだが、でもそこには又、救ってくれる人も現われたり・・・
最後のラストは近松とは違い、心中は回避されるのだが、そんなラストの乾いた情景も又、作品を表現していて趣深い。
男のだらしなさ、女の諦めが悪いさま、でもそれでも生きていくという強いメッセージを訴えていた。
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