太秦ライムライトのレビュー・感想・評価
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悪役一筋に打ち込む姿が誇らしい、どんな場面も一生懸命 そういう生き方に惚れました!
新進俳優で入社し、切られ役として数十年、いつの間にか老優となり 切られた数、五万回。どんな場面でも精一杯役に打ち込んで来た福本さんが、「誰かが何処かで見て居てくれる」そんな信念で勝ち取った主演男優賞、それに相応しい映画となりました。
心からお祝い申し上げます。
今年の1月にNHKで、放送されていたので、そのビデオをここまで何十回と見ていますが、何回見ても見飽きることが有りません。セリフには苦労されたようで、ダウトが一箇所有ります。
果たして見つけられる人がいるかな?
素晴らしき活動屋人生
時代劇の裏側を描いた、謂わば楽屋落ちの映画である。
決して主流にならないし、主流になってはいけない題材である。
それでも観ている者の心を打つ、素晴らしい作品です。
福本清三という活動屋が、時代劇の殺陣一筋の人生を歩み続けた。その不器用なまでの一途な生き様が、彼の表情や佇まいの随所に表れていて、思わず涙が滲み出た。
共演の山本千尋も将来に期待できる女優です。表情や殺陣での身のこなしに、さすがは格闘家としての凛とした気魄がこもっていた。
この映画に出会った喜びとともに、スタッフやキャスト全員だけでなく、この映画を名古屋で上映している名演小劇場に感謝します。
不覚にも大泣き
ほとんどの人が何らかの仕事をして、そして年齢とともに疎まれ
やがて居場所がなくなり、退場を迫られる。
そうなったときに、自分の成したことを自己評価するのは難しい。
だから多くの人は周りからの評価を求める。それが得られないとまるで、ティンエンジャーのごとくに不平不満を口にする。
この映画では、主人公がそれを一切求めない。
その潔さに涙がこぼれた。
自分の人生もきっと同じように退場を迫られるときがくるだろう。
そのときに主役の福本さんのように有りたい。周囲の評価ではなく、自分で自分が納得のいくように逃げずに、
自分の才能の中で最善をつくそうと映画館で心した。
東映の実力、底力、層の厚さ
この映画は映画館で観るべきだ。
メディアで取り上げられてたし
寡黙な主人公、かわいいヒロイン、豪華な俳優陣、アクション、時代劇、太秦の現状
ある程度知ってるつもりで観たが
引き込まれる。泣いた。
観て!
東映制作になってないので東映ざぶーんがなかった・・・たまには観たい。ざぶーん
世界中、どこに持って行っても恥ずかしくない作品
冒頭、大部屋の役者を割り振りする名札に、つい「福本清三」さんの名前を探してしまう。この映画での役名は「香美山清一」なのだと自分に言い聞かせる作業が必要だ。
清三さんは普段はスターの陰だが、こうしてじっくりアップで見るとコンタクトをはめているかのように、純粋な黒い瞳の持ち主なのだとあらためて知る。真っ直ぐな人柄を想わせる目だ。役とは違って目つきは悪くない。
時代劇の衰退、そして年齢が壁になってすっかり出番が減ってしまう香美山。それでも愚痴ることなくひたすら稽古する姿に惹かれていく新人女優さつきを見ると、日本の若者もまだまだ捨てたものじゃないと嬉しくなる。
自身が生きてきた映画産業の未来を託せる若者との出会いは、無口で感情を表に出さない不器用な老俳優にとって久々の眩しい光りだったに違いない。
山本千鶴の殺陣も、太極拳の選手だけあってキレがいい。
身も心もボロボロになりながら、スターを引き立てることに徹する香美山。自身にとって引退のメモリアル作品だから最後の力を振り絞るのではない。スターや仲間に迷惑を掛けないために、与えられた役を最後まで演じきる。
ここに切られ役一筋の福本清三という役者像が重なる。フィクションなのにドキュメンタリーを観ている気分だ。
本気になった松方弘樹もさすがの貫禄でカッコいい。
1本の作品としても素晴らしいデキだ。
なんといっても邦画としてはラストの切り上げがシャープだ。だらだらと引っ張らない編集がいい。カメラアングルも効果的。
音楽と音響もよく、“本物”の時代劇らしさを残しつつ、ハリウッドのアクション映画のようなリズム感がある。たっぷりした低音の使い方も、これまでの時代劇とはひと味ちがう。
群像劇とアクションが見事に調和して、今年観た50数本のなかで一番お金を出した甲斐がある。
世界中、どこに持って行っても恥ずかしくない作品。
ひとつのことに一途に生きてきた香美山(=福本清三さん)に、国境を超えて拍手が送られることだろう。
チャンバラ魂を残して欲しい!
福本清三さんが1人殺陣の練習をするシーンが多用され、
その気魄や美しさが十分伝わってきます。
時代劇が減って寂しくなって行く太秦の様子も描かれており、
その部分は正直よく有る筋書きで、
時間経過や関係者の気持の変化と言った細かな所で
ちょっと雑になってしまってるのが残念なのですが
この映画はそこの所を突っ込む映画ではなく、
ひたすら殺陣に打ち込む福本清三さんの姿と、
新人ながら流石に世界ジュニア武術選手権大会で金メダルに輝く腕前の
山本千尋さんの殺陣時の目力と美しい動きを観て欲しいです。
脇役も良い。万田久子さんや本田博太郎さん、
時代劇のお約束通りの役柄での安定の演技、
時代劇礼賛のこの映画にはそれが逆に相応しい。
時代劇映画は作られても、いわゆるチャンバラものが減って
映画の中に描かれている様に美しい流れのある殺陣の出来る役者が
もう絶滅しかかっているだけに、
今観ておく値打ちのある映画だと思います。
久々に手に汗握るチャンバラシーンに力が入りました。
スタッフロールは漢字とローマ字が併記されていました、
海外への展開も考えているのかも?
福本さんへのリスペクトに溢れたラストシーンに涙。
時代劇も大部屋俳優も、失われる事はない!
時代劇好きなら知らぬ者は居ない“斬られ”役の名優・福本清三の、おそらく最初で最後の主演作。
劇場公開に先駆け、以前NHKーBSで放送し録画したものを、公開直前に(贅沢に)鑑賞。
福本氏主演の映画を企画した製作陣にまず拍手を贈りたい。
タイトルから分かる通り、チャップリンの「ライムライト」がモチーフになっている。(福本氏演じる香美山の大部屋にも「ライムライト」の写真が貼られてある)
長年時代劇の斬られ役として活躍してきた香美山。しかし、出演続けていた長寿時代劇番組が終了し、若者向けの時代劇が増え、活躍の場を失った香美山は、時代劇ショーで食い繋ぐ日々。そんなある日、オーディションに合格した若い女性・さつきから殺陣の指導を申し込まれる。断る香美山だったが、さつきに往年の女優の面影を見、稽古をつける事に…。
「ライムライト」というより、福本氏の俳優人生そのものを見ている気がした。
地道に積み重ねてきた斬られ役としてのキャリア、往年の時代劇スターからの激励、スタジオの顔馴染みや同じ大部屋俳優からの熱い信頼、時代の流れと共にどんどん隅へ追いやられていく…。
もう劇映画風ドキュメンタリーと言っていい。
劇中の香美山の「一生懸命やっていれば、何処かで誰かが見ていてくれる」は福本氏を体現した台詞だ。
香美山の指導で殺陣の腕を上げたさつきはチャンスを活かし、スター女優への道を歩む。反比例するように、老兵は去る。やがてさつき主演の時代劇映画が製作される事になり、恩師との共演を望む…。
「ライムライト」と違うのは二人の関係が“恋愛”ではなく、“師弟”である事。
これ、今回の映画で非常に良い効果を上げている。
弟子の活躍を影から見守る香美山、恩師への敬意を忘れないさつき。
師弟関係だけではなく、「ミリオンダラー・ベイビー」のような人間愛も感じた。(一瞬、福本氏の顔がイーストウッドに見えた)
数年前に某長寿時代劇番組が終了し、地上波から時代劇が姿を消した。NHKの大河ドラマや映画で時代劇は今も作られているとは言え、大部屋俳優の活躍の場が激減したのは事実。
劇中で、福本氏の台詞は多くはない。が、失われていく時代劇の嘆きと悲しみを、福本氏の語らぬ佇まいが訴えている。
時代劇を知らぬ世代が作る若者向けの時代劇が増えてきている。
が、時代劇の精神を受け継ぐ者もいる。
本作は、時代劇への愛を名も無き名優の姿に込めた讃歌なのだ。
福本先生、立派
斬られ役一筋で、テレビや映画の画面では一瞬で消える福本先生が大画面で、たっぷりと見られるだけで、一見の価値あり。
6月14日の京都での先行上映を見て、舞台挨拶の福本先生を初めて生で拝見して、改めて福本先生が立派に見えました。
正直、ドラマの部分は物足りなさもありますが、福本先生の殺陣のシーンは十分堪能できます。
先行上映のチケットいただいたので行ってみるか…
というなんだかなぁな映画好きのみなさまからすると石投げるぞコラな理由で観に行きましたが
行って本当によかったです
むしろ軽いノリで行って申し訳ありませんでした!!!と土下座しそうになる勢いです…
予備知識がほとんどないまま(Yahooのニュースで5万回斬られた男と言われた福本さんが初の主演と知る、総合格闘技の山本さんが出演している、あと公式サイトを見たぐらい)行ったものの
ぐいぐい映画に引き込まれていきました
しかし水曜日の夕方というのもあるのか観客は自分入れて二人でした
もっと多くの方に観ていただき評価されるべき作品だと思うのですが…←軽いノリで行っといて何を言うかと
特に涙腺が緩い方はハンカチ必須ですがマスカラつけていたら拭かずに流しっぱなしの方が逆にいいかもしれません
それか下まつげには塗らない方がいいかもしれません
というぐらい泣きました
泣きすぎて翌朝(つまりこれ書いてる今)目が腫れぼったくて困っています
そしてここからネタバレ要素ありです
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・ポスターにあるシーン
・(ここからネタバレ要素満載)さつきがヒロイン抜擢されたもののNG連発で女優やめます…と弱気になったところを香美山さんに彼ならでのやり方で励まされ勇気付けられるシーン
・ラストの殺陣で監督が香美山さんの肘が限界だからと一番見せ場のシーンカットを決めたけれど撤回を真っ先にお願いしたのが「え?この人が??」のシーン
・見せ場の殺陣に臨むにあたり香美山さんが全身全霊で立ち向かうためにすれ違いざまに挑発するところからラストまで
ここは確実に涙腺決壊しました
殺陣はこんなにも美しい
劇場公開に先立ってTV放映されていたので、興味をそそられて観ました。
時代劇の殺陣がこんなにも美しいとは!
題名通りの厳しくも優しいお話は、懐かしい感じでした。
なんと言っても主演の福本清三と山本千尋、刀を持った時のオーラが凄い。
とにかく気合ののった殺陣に圧倒されます。ラストは息を飲みました。
太秦に行きたくなる作品
自分の様に時代劇が好きな(好きだった)人なら、特にグッとくる映画だと思います。時代劇がそれほど好きでない人でも、ヒューマンドラマとして楽しめるかも知れません。
前者である自分は、NHKで放送されたメイキング番組(「UZUMASAに吹くハリウッドの風」だったかな?)を見てから、とても楽しみにしていました。この映画は、太秦撮影所において、ハリウッドで活躍してる日本人監督さんがあちらの映像監督を連れてきて、ハリウッド式の撮影を行って作られた作品です。
時代劇が下火となった、落日の太秦撮影所が舞台。
本作に登場する役者さんの数名は、実際に何十年も太秦撮影所で活躍してきた殺陣を得意とする大部屋役者さん。メイキング番組の中で、劇中の時代劇が打ち切りになるシーンの撮影後、主役の福本清三さんや同僚の峰蘭太郎さんが本当に泣いている様子を見て『この作品はある意味ドキュメンタリーだ』と思いました。
他にも木下通博さん、柴田善行さんといった東映剣会のメンバーが登場します。
終盤の殺陣⇒ラストシーンの流れは、ビデオで何度も見ましたが、本当に素晴らしいと思います。
劇場の大画面で見たいので、映画も見に行きます。
日本映画の宝物
時代劇の斬られ役、と言えば主役の引き立て役ぐらいのイメージしか持っていなかったのですが、彼らにも独自の演劇論があり誇りがあるのだと気づかされました。
一人の大部屋役者に焦点を当てた映画ですが、主演の福本さん含め、実際の大部屋役者さんたちが共演されているので距離感がリアルでした。
太秦最盛期に思いを馳せ、時代劇に力を取り戻そうと尽力する登場人物たちをみて、こういった方たちが日本映画の発展を影で支えてきたんだろうな、と思うと一映画ファンとして頭が下がる思いがしました。
ベテラン勢の殺陣はもちろん、新人女優の山本千尋さんの殺陣もキレがあって素晴らしかったです。
こういった美しい殺陣の技術は日本映画の宝物ですし、大事にしていってほしいなと思わされました。
やりたいことをコツコツと
いろんなことを出来るのは良いことですが、そんな器用な人はそうは居ません、このお話は一つの事でも貫きとうし続けて行く事が大切だと、教えてもらった気がします。
初めは何だか普通かなと見ていましたが、いつの間にか話に入り込んでいました、後半1/3は涙が止まりませんでした、感動です。
映画版はどんな編集になるのか楽しみです。
「どこかで誰かが見ていてくれる」
チャップリンの研究家がライムライトをモチーフに書いた脚本。
ライムライトのテーマ「老い」。70歳を超えた福本清三さんが存在感だけでうまく表現されている。哀愁がたまらない。
ハリウッド仕込みの監督と、外国人カメラマンによる新たな視点の殺陣シーンはどれもかっこいい。
「どこかで誰かが見ていてくれる」という福本さんの座右の銘を大切にしていたからこそ、
現実となり、芸歴50年にして初めての主演映画となったのだろう。
そんな福本さんの生き様が端々に見られて涙なしには見られなかった。
最後の殺陣のシーンは必見。
劇場公開が楽しみです。
全36件中、21~36件目を表示