「余白は多いが、解釈も自由。」トム・アット・ザ・ファーム バステトさんの映画レビュー(感想・評価)
余白は多いが、解釈も自由。
グザビエさんの作品ですな。美しい。
今まで観たグザビエ作品のように、
パキ!ギラ!みたいな美ではなく、
じわり、じわりと美を感じる作品だった。
余韻というか、
「ここで終わられるとまだわからんことがー!
あー!!!終わってしまったーー!」
という映画。笑
それは、イコールして
「面白くない」「つまらない」映画ではない。
余白が多い映画はたくさんある。
ただ、この映画は余白が多め、
観る人の解釈に委ね多めというか。
結構、自分たちで観賞後に穴埋めが必要かもしれない。
し、見終わった後、他の人の意見や解釈を聞きたくなる映画だと思う。
結局どういうことだったんだ?とか
あの後どうなったんだ?とか
それはすべて、それぞれの解釈の自由であり
正解はなく、
解釈がAであれ、Bであれ、Cであれ、
作品の評価は変わらない気がする。
それくらい、この映画の内容は、パキッとしていない、一筋縄ではいかない人間関係を描いている。
だから、もやもやして正解なのかも。
そもそも、正解のないものをテーマとした
映画だろうから。
・首絞めるシーン
今まで観た映画の中で、一番美しく、そして官能的な首絞めシーンだったかもしれない。
鼻筋や輪郭の影まで、美しかった。
・Barのカウンターで話すシーン
この映画で一番、このシーンが唯一、パキッとした絵面だった気がする。「映え」てる?といいますか。色使い、構図が、パキッとしてて、
構図のテイストでいうと、いつものグザビエ感出てるシーンだったかも。
・USAの服
うわあ、すげー服着てるな兄ちゃん...と思ってたし、違和感アリアリだったけど、
ラストのエンディング曲でそれを回収してくれてスッキリした。
だよね、じゃないと、あの服着せないよね。
「うんざりだ」みたいな曲をエンディング曲にしたいな〜と考えて、あの曲に出会い、
あの服を着させた、って感じじゃないのかなーって推理。