「グザヴィエ・ドラン美しい」トム・アット・ザ・ファーム ミツマメさんの映画レビュー(感想・評価)
グザヴィエ・ドラン美しい
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紙ナプキンに青いインクで書くシーンからなんとなく緊張を強いられラストまで一気に見入ってしまった。
恋人の葬儀のため向かった田舎町で出会った兄は母に特別気を使う。
おそらく母はずっと昔から弟を溺愛してきたのだろう。それでも兄は愛する母が心地よいように気を使う。しかし弟の恋人が来て変化してゆく。母が長く生きながらえるより突然の死を迎える事を密かに望んでいたのだ。
それを思いがけず聞いてしまった母が冷静なのは何故だろう。おそらくずっと前に兄のことは諦めており愛情すらなかったのではないだろうか。それがより弟を偏愛する事に繋がったのだと思う。
トムは恋人の兄フランシスの中に愛するギョームを見て心を開いていく。画面一杯のグザヴィエ・ドランの心の動きを捉えた表情を見せるシーン。なんとも苦悩する青年の美しさ。
音楽の効果もありこの心理サスペンスは楽しめました。
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