「犯人の動機がよく分からない」プリズナーズ 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)
犯人の動機がよく分からない
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子供誘拐の動機が腑に落ちない。元々信心深かったが、息子が癌で死んでからは信仰心が薄くなり、「子供を消し去るのが神に対する戦い」という理由で誘拐を行うようになる。神への信仰から憎しみに変わったということだろうが、誘拐の動機としては浅い気がする。そのため、犯人が判明してからストーリーがあっけなく感じられて、いまいち面白味が感じられなかった。
犯人が判明するまでの方が面白く感じた。被害者の父親が怒りのあまり暴走し、アレックスを誘拐、監禁するという、犯人と同じ犯罪に手を染めている。子供が誘拐されることで、被害者家族の生活を全てぶち壊し、家族の人格まで変えてしまうのが、犯罪の罪深さを感じて悲しい。被害者の父親役を演じたヒュー・ジャックマンの熱演は迫力があり、ストーリーにリアリティを出せていたのが良かった。
刑事のロキも辛い立場だと感じた。犯人に近づけたのに、被害者の父親に「時間を無駄にした」と罵られる。彼を見ていると、刑事の仕事で成果を出すには、四六時中仕事のことを考えないといけなさそうだ。事件が解決するまで心が休まらない無い彼の心情を考えると、とても自分にはできない仕事だと感じた。
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