プリズナーズのレビュー・感想・評価
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【”迷路。そして様々なるプリズナー達。”今作は若きドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が観る側に数々仕掛けてくるヒントに気付き、如何に真相を見極めるかを問うてくるクライム・サスペンスである。】
■ペンシルベニア州の田舎町。感謝祭の日、工務店を営むケラー(ヒュー・ジャックマン)の6歳の娘アナが、親友であるパーチ家のジョイと外出したまま姿を消す。
警察は容疑者青年であり、知性が10歳程度のアレックス(ポール・ダノ)を拘束するが、物証を得られず釈放する。
ロキ刑事(ジェイク・ギレンホール)の対応にいら立つケラーは、アレックスを無理やりに監禁して自白を強要する行動を取る。
◆感想
・今作は序盤から鑑賞側の鑑賞力を問うてくる作品である。
ー ロキ刑事が、或る泥酔した牧師の家の地下室にあった死体。牧師がロキ刑事に言った事。"告解に来た男で、子供16人を誘拐し殺し、更に殺すというので殺した。その死体の胸に会った迷路のペンダント。-
・ケラーは、娘を助けるために暴走し、アレックスを監禁し、娘の居場所を履くように拷問する。
ー パーチ家の夫妻は行き過ぎた行為と分かりつつ、彼の行為を容認する。自分達は手を出さずに・・。-
■途中で、テイラーと言う怪しい男が怪しげな行為を行うが、彼も又真犯人に誘拐された被害者であったシーン。
ー このシーンは、今作の瑕疵の一つであろう。鑑賞側を混乱させるための登場であろうが、上手く機能していない。-
・臨家のジョイが発見され(ここも突っ込み処である。)真犯人の牧師の家の地下室にあった死体の妻であるホリー(メリッサ・レオ)の家にやって来たケラーに対し、本性を表した姿。
ー ケラーは、アレックスもテイラーも誘拐していた事が分かる。-
・ケラーは娘のアナが囚われている穴に足を撃ち抜かれ、落下する・・。そして、アナが吹いていたホイッスルを発見するのである。
・その後、ホリーの家にやって来たロキ刑事は、ホリーを射殺し、アナを救出する。
<ロキ刑事は、発掘班が引き上げた時に最後まで、ホリー家の庭に残る。そして、微かに聞こえて来たホイッスルの音に気が付き、暗転する。
今作は幾つか突っ込みはあるが、若きドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の才能を感じさせるサスペンス・ミステリーである。>
犯人の動機がよく分からない
子供誘拐の動機が腑に落ちない。元々信心深かったが、息子が癌で死んでからは信仰心が薄くなり、「子供を消し去るのが神に対する戦い」という理由で誘拐を行うようになる。神への信仰から憎しみに変わったということだろうが、誘拐の動機としては浅い気がする。そのため、犯人が判明してからストーリーがあっけなく感じられて、いまいち面白味が感じられなかった。
犯人が判明するまでの方が面白く感じた。被害者の父親が怒りのあまり暴走し、アレックスを誘拐、監禁するという、犯人と同じ犯罪に手を染めている。子供が誘拐されることで、被害者家族の生活を全てぶち壊し、家族の人格まで変えてしまうのが、犯罪の罪深さを感じて悲しい。被害者の父親役を演じたヒュー・ジャックマンの熱演は迫力があり、ストーリーにリアリティを出せていたのが良かった。
刑事のロキも辛い立場だと感じた。犯人に近づけたのに、被害者の父親に「時間を無駄にした」と罵られる。彼を見ていると、刑事の仕事で成果を出すには、四六時中仕事のことを考えないといけなさそうだ。事件が解決するまで心が休まらない無い彼の心情を考えると、とても自分にはできない仕事だと感じた。
自分のとった行動や善悪の裁定を神に丸投げ
復讐心に囚われた登場人物たちの悲劇を描くのは分かるものの、迷路、蛇、笛、など、キリスト教を象徴するようなギミックが多く、非常に宗教色が強いホラーです。
✻ 以下、ネタバレビューです。未見の方は注意 ✻
容疑者を監禁して拷問しながらも神に赦しを乞う暴走主人公、息子を亡くしたからといって神を信じなくなり、その反動から他人の子供を攫っていた犯人の老夫婦など、ベクトルは違えど、どちらも神に対する信仰心がその原動力としてあるところにやはり違和感を感じます。それでいて最後は結局「信じる者は救われる」という信仰心のある者が勝つ予定調和的なラストで、日本人の宗教観からすると自分のとった行動や善悪の裁定を神に丸投げして責任や罪悪感を負わないような感覚に共感できない部分があります。
小説ならこのラストもありかと
少し近付いたかと思いきや
後退したり、一進一退でサスペンスとして
とても面白い。
女を探すために一線を超えてしまう父親は
もはやどちらが犯罪者なのか
わからなくなってくるほどである。
また一緒に誘拐された少女の親が
自分たちは手を出さないけど拷問は
かれに任せておこうよ、という態度もまた
ある意味リアルだ。
その意味での複数形タイトルなのかと
途中まで考えていた。
いかにも犯罪者っぽい見た目や
雰囲気で判断してしまいがちな
人間の思い込みの隙を見事についてくる。
長いけれどもすっかり眠気も起きず最後まで観た。
いったいこのラストの後
どうなったのか、映像では描かれないが
もし同じラストで小説で読んでいるのなら
ああ良かった、気づいてもらえたから
助かったに違いない、と思うはず。
映像と小説では受け止める感覚も違うのだなと
興味深かった。
で結局どうなったんだ?
誘拐された娘を捜すために一線を越えてしまう父親の気持ちには共感する...
誘拐された娘を捜すために一線を越えてしまう父親の気持ちには共感する。
そして真犯人は意外な人物で、完全に予想外。
主人公の父親は最後に乗り込む際、犯人の目星が完全についていたと思う。
しかし、その割にはあまりにも無警戒過ぎた。
少なくとも自分で自分に手錠をはめる前に何とかしないと。
まあ、ラストはあれでよかったかな。
謎解きサスペンス好きの日本人
映画全体を流れる世界観や、小説的な少し余韻を残した感じなどはとても良いと思うけれども、、、全ての謎がフラッシュバックなどで解かれないと気持ちが悪いと思うのは日本人だからか。特に誘拐から監禁までがどうだったのかは、気になりますよ。
派手さはないが、脚本、演技、正気と狂気の表現は秀逸。
予告を観るだけでも、興味津々な内容だったが、実際に見てみると、地味な印象。
ただ、細かな表情や雰囲気作りが、とても丁寧に作られていると私は感じました。
優しい父が狂気に走ってしまう描写、冷静沈着な刑事が心を乱してしまう描写、
だんだん容疑者が分からなくなり、観ている我々も、父や刑事と同じ気持ちになっていく仕掛けが
とても良く出来ている。そして、あのラスト。何とも言えない気持ちになりました。
信仰を奪う。人間性を奪うことが闘いと言っていたが、特捜部Q にも似たような話があったね。
苦しい話だった
・些細な行き違いで徒歩で帰れるような距離でも誘拐される不安が日常っていう、誘拐はアメリカでは身近な犯罪なのだと怖かった。
・結果、誘拐してたおばさんが主犯だったのか、元々誘拐してきたアレックスが誘拐してくるのをおばさんが何かしてたのか、その辺りがよくわからなかった。途中、自殺してしまった男は事件をオマージュ?みたいな遊びのような事をしていたのかなと思ったけど、わざわざ何で家に侵入して私物をとってまでリアリティの追求をしてたのかな?とか謎も多いまま終わった。犯人達、皆が迷路っていう共通点があったぽいけどあれも何だったんだろう。蛇もいまいちよくわかんなかった。
・雰囲気がとても良かった。不安感を刺激しまくりで。ただ、いざここでっ!って激しいアクションシーンの手前で、あえてとばす演出が多くやや、物足りない感じがしたけれどと、そういう編集でも眠くならず、緊張感のある2時間半で、すごいな、と思った。
・おばさんの出してるペットボトルに入った黒い液体が怖かった。どんな味だったんだろう。
・娘が見つかるも父親は行方不明といった状況で母親が娘が見つからない状態より元気になっている用に見えて、少し寂しかった。あと、父親は見つかったのだろうか。
・アレックスも何であんなに頑なに口を割らなかったんだろう、と思った。おばさんがすげぇ怖かったのか。
一線を超えた父
2022年6月11日
映画 #プリズナーズ (2013年)鑑賞
アメリカの田舎町、娘を誘拐され一刻も早く娘を助け出そうと暴走する父親と、その捜査を冷静に進める刑事の対照的な姿
刑事鋭いけど、なかなか犯人にたどり着けない
父の方が凄かった
リアル感
迫力とか緊迫感はスゴく伝わってくるけど
……何か犯人の動機がイマヒトツ分からない
犯人が分かった時点で失速感が。。
犯人がわかるまではおもしろく観られた
あそこまでしたい
気持ちは分かります
ただ……できませんが
解けない迷路の内と外について
今期作のDUNEの予習として観た作品です。ドゥニヴィルヌーブ監督の最善を祈最悪に備えよと言うメッセージが伝わってきた感じがしました。監督の持っている宗教観と支配に対する考え方そして重厚な緊張感を与える音楽と曇天模様の映像が際立ってました。長い時間も無駄のない映像運びで楽しく観ることが出来ました。自分にとって、腑に落ちた映画の味でした。
長い、
まず、「長い」。
もうちょいストーリーや展開をまとめるなりしてもよかったのでは、と。
他のこれくらいの長さの作品もあるけど、こういう展開ではやたら長く感じてしまう。
そのストーリーや話はわかるし、登場人物も少なめで理解しやすかったけど、おとなしい子供のような大人のキャラの人も乱暴されててなんも言わず「結局なんだったの?」みたいなのもあり、主人公も同情できるとこはあれどあまり効果的でもない立ち位置のようで、不可解なとこもあった。
刑事がなんか企んでるのかと思いきやそうでもなかったし、そんなハラハラもしながらおもしろみもあったけど、「長かった」。
まあ、そういう流れをがんばって見ながらの、終盤、「まさかの」という展開。
ハッピーエンドといえるのか、そんなこの作品を見終わって、長く感じて疲れた。
【最後まで読めないサスペンス×ミステリー映画】
・2013公開のアメリカのクライムサスペンスミステリー映画。(長っw)
・幼い娘を誘拐された父親が警察を信じられずに独自に犯人を追う、という大枠ストーリー。
[お薦めのポイント]
・最後まで読めないミステリー要素が素晴らしい
・追い詰められた父親のとる行動の「是非」が観客の心を常に上下させてくれる
・2時間34分、全然飽きずに観れる長編作品
・プリズナーズの意味が最後にわかる面白さ
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[物語]
・宗教的な考え方を含んだうえでの細かな部分はさておき、大きく全体を見ると非常によくできたサスペンスミステリー映画だと思います。犯人はいったい誰なのか、という謎解きミステリー要素×子供を奪われた主人公ドーヴァー(ヒュージャックマンさん)の心情と行動に主軸を置いたサスペンス要素が上手くかけ合わさった物語でした。特に、犯人が誰なのか、についての伏線の張り方や結果など、私自身が全く想像できなかったゆえに、非常に楽しませていただけました。
[演出]
・明るいシーンが一度も出さない。終始暗い雰囲気を保ち続ける。そのために映像も雰囲気もとにかく黒や灰色に徹しているなぁと感じました。物語の終わりまでしっかりそれを継続させているところなどは、観終わった後の感情のもっていかせ方も含めて計算されているように思えてきて、すごいなぁと思います。
[映像]
・終始暗いトーンを保つ映像や雨雪のシーンを多用することで、観ているこちらまで本当に暗い気持ちになり、ドーヴァーさんの心情への共感性がとても増したと思います。
[音楽]
・特に際立って感じたことはありません。
[演技・配役]
・皆さん、超安定の演技力。違和感なく物語に引き込まれる演技がさすがです。主人公ドーヴァー役のヒュー・ジャックマンさんはもちろん、ロキ刑事役のジェイク・ギレンホールさん、バーチ夫妻演じるヴィオラ・デイヴィスさん、テレンス・ハワードさん、不審な青年を演じたポール・ダノさん、デヴィッド・ダストマルチャンさんなどなど、どの配役もどの方の演技もガチっ!とはまった感じで「演じている」ということを微塵も匂わせない素敵なものでした。
[全体]
・子を持つ親でなくても、これはしっかりと共感できる作りになっている、とてもよくできた作品だと思います。約2時間半という長時間、「スリル」とは違う「ハラハラ」が終始つきまとってくる、ある意味アトラクション性の高い映画です。スペクタクル超大作のような映像のすごみはないにしても、これは「映画館でお金を払ってでも観るべき映画だったなぁ」と思いました。ありがとうございました。
#映画 #クライム #ミステリー #サスペンス #誘拐 #プリズナーズ #2013年 #ヒュー・ジャックマン #ジェイク・ギレンホール #アメリカ映画
#全体3.7 #物語3.8 #演出3.6 #演技3.8 #配役3.8 #映像3.6 #音楽3.5
見えない真実への苛立ち、耐えがたい不安。
ゆったりと静かに始まる事件。全く想像出来ない展開に、心臓を鷲掴まれた。何処にでも居る普通の父親が自分の娘の為に、“感情という狂気”が“人間の理性”を無くす。少しずつ少しずつ心を押し潰されていく怖さ。そして思わず目を背けたくなる感情の矛先、その怒りと不安を、つい理解し同情してしまう。
ケラー役ヒュー・ジャックマンが、子を持つ親の心情をリアル過ぎる程に表現。敏腕刑事ロキ役ジェイク・ギレンホールが、熱く、そして冷静に容疑者を探し出す。
ミスや運なども上手く絡ませる展開も、あり得る切っ掛けとして良いスパイスに。そして全ての“点”が繋がって“線”になる、その瞬間の衝撃が凄い。
もはや何がハッピーエンドで、何がバッドエンドなのか。そんな判断も出来ないくらいに、心を引っ掻きまわされた。
約150分という時間は感じさせない脚本、展開に大きな波は無くとも引き込まれる。同じ境遇になった時の自分に置き換えつつ、且つ客観的に見ている様な不思議な感覚。
登場人物全て“人間”特有の怖さがあり、悪い意味での防衛本能が全面に出てくる。心に引っかかり、考えさせられる傑作。
考察を見ると伏線が回収される
夜中の3時頃、眠れずにリストに置いていた
こちらをたまたま鑑賞。
評価も高く、ジェイクも出演していたので
かなり期待値高かった。
結論としてはタイトル通りで、
観賞後に考察を見て内容理解すると、
かなりの良作品。
冒頭から気になるシーンが所々出てきて、
何を示唆しているのか?という疑問を
常々念頭に置きながら観ていった。
どこかで繋がるところがあるかも…
と思いながら観ていたが、
結局繋がったのは迷路と神父の家の地下に
葬られていた男のつけていたペンダントと、
アレックスの伯母が飾っていた写真の、
亡き夫がつけていたペンダントだけだった。
(あと一応、娘のホイッスルと最後の笛の音)
他に気になったのは、
鹿、木の幹のズーム、笛、蛇、豚、迷路
何のために出てきたんだろう?と
観賞後に気になって考察を読むとなるほど、
キリストに関係しているのだと理解できた。
そう言った意味で見ると、
この物語の論点は"人間の信念"についてが
よく表されていたのではないだろうか。
確かに、ヒュー・ジャックマン演じるドーヴァーは
かなりイカれてるし、最終的にロキに娘の笛で
助けを求める状況で、
ドーヴァーは何の役に立ったのだ?と
なってしまうのは必然だと思う。
アレックスもかなり濡れ衣着せられた状態で
ボロボロになってて可哀想だったけど、
じゃあなんで居場所を言えない?と
なってしまうのも必然だと思う。
結構理不尽に思ってしまうところもあるが、
論点を念頭に置いて内容を遡ってみると、
また違った印象を持てるのではなかろうか。
狂気に染まる親心
娘を心配に思う。親として当然の心がここまで判断を鈍らせ、視野を狭め、狂気に変わるのか。
正直主人公のケラーの気持ちは理解できるけど、自分を正当化し、苛立ちを警察やアレックスにぶちまけてるだけであんまり好感は持てなかった。
ストーリーはかなり作り込まれてて、一見関係無さそうな発言や出来事が後々繋がってくる。マジで関係なかったのもあったけどね。
だが、発見されたジョイがケラーに言った『あなたもそこにいた。』ってのがよくわからなかったな。でもそれを聞いてまっすぐアレックスの家に行ったけど、何かあったっけ?
最後のあの終わり方、俺はけっこう好きかな。
車のシーンがハラハラする。
長いけれど飽きない。これがまさにどんでん返しという感じ。まったくわからなかったー。
ハラハラドキドキするし観てて辛くなる。しかし女の子たちが無事で良かったし、最後もできればお父さんが助かるところまではやってほしかった…まあでも笛気づいてもらえて助かったのでしょう。
親になった今観るからこそ、気持ちはわかる。そこまでしないけど、わかる。そうだよね、それほど大事だもの。考えさせられる。
ブチ切れが止まらないヒュージャックマン。
『え、まさか!?お前が犯人かい!』と
『え、生きとんかい!』のどんでん返しでした。
最後ハッピーエンドでよかった。
ヒュージャックマンは空回りしまくりのようで
それが解決に繋がったとも思う。
あとずっと天気悪い。
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