「ストーリー、演技、映像、演出とも一級品」プリズナーズ みっくさんの映画レビュー(感想・評価)
ストーリー、演技、映像、演出とも一級品
タイトルは「プリズナーズ」つまり、囚人(複数形)だ。
誰のことだろう?まずは、アレックス(ポール・ダノ)だろう。
複数形だから、他は?
誘拐された少女2名か?
でも彼女らは生きてるかどうかも分からず、描かれないから、タイトルが示す「囚人」ではないだろう。
結果、ラストでヒュー・ジャックマンだと分かる。
でも、それまでは、被害者家族も「囚われの身」に見えてくる。
それは、事件に囚われ、日常生活を失い、精神的に追い詰められ、常軌を逸した行動を取るようになるためだ。
本作はヒュー・ジャックマンの葛藤が主題だ。
娘を見つけるため、間違っていると分かりながら、狂気とも言える行動をとる。
そして、コインの裏表と言える存在が、テレンス・ハワードだ。
「観客の視点」とも言えるかもしれない。
こうした登場人物の配置、緻密に計算されたストーリー、演技、影のある映像、これらにより、2時間半、という決して短くない映画ではあるが、圧倒的で息が詰まりそうな緊張感が続く。
これほど緊張感を持続できる作品はそうそう無い。
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