「好きなテイストのサイコサスペンスだが…」プリズナーズ ユウキさんの映画レビュー(感想・評価)
好きなテイストのサイコサスペンスだが…
ヒュージャックマンとジェイクギレンホールの演技は素晴らしいし、画も美しく、カット割りもかっこいい。サイコサスペンスとしては久しぶりに王道的な犯人像で、セブンや羊たちの沈黙を彷彿とさせる。随所に散りばめられた謎も良く回収出来ていると思う。だがなぜか少しだけ冗長でダレてしまった。
攫われて、釈放され、拷問の下りがスピーディでスリリングだったのに対して、なかなか成果の出ない拷問や進まない操作が急にトーンダウンしたように感じたからか。
良く良く考えるとこの映画はサイコサスペンス的なテイストなのに死体やグロテスクな描写がほぼほぼ無い。それが後半に行くにつれてスリリングになる展開を盛り上げ切れていないのかもと感じた。
ともあれ主題的なヒュージャックマンの行動はよく書けていたし、勝手にサイコサスペンスとは言ったものの、テーマを考えればこれでいいという人も多いだろう。ただ、いかれた犯人と追う人間という構図で様々な衝撃的な展開を見てきた人にとっては、拷問を始めたところの盛り上がりはあるが、全体的に抑えられたトーンに(意図的に抑えているとは分かりつつも)物足りなさを感じてしまうのでは無いだろうか。
後、緊迫したシーンで「ジュースを飲め」と命令し、飲んでドヤ顏のヒュージャックマンは少し笑っちゃいました。
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