劇場公開日 2015年11月6日

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「命を懸けてでも守る価値のあるものとは。実在した名もなき英雄達。」ミケランジェロ・プロジェクト 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0命を懸けてでも守る価値のあるものとは。実在した名もなき英雄達。

2015年11月18日
PCから投稿

悲しい

知的

難しい

【賛否両論チェック】
賛:人命が最優先され、誰も美術品を守らなかった戦時下にあって、自らの命を懸けて美術品を守り抜こうとした主人公達の姿が、切なくも勇ましく描かれていく。豪華なキャストにも要注目。
否:戦争映画として観るのには、やや物足りないか。シリアスなシーンで急にコミカルになったりと、どっちつかずの印象も否めない。

 戦時中、誰もが生きることに必死で、見向きもされなかった美術品の数々。そうした先人達の歴史が奪われていくのを見過ごせず、自らの手で守り抜こうと孤軍奮闘した主人公達の姿が、非常に勇ましく映ります。出発当初は、
「無理をするな。人命は美術品よりも尊い。」
と言い聞かせていたストークスが、実際に多くの犠牲を払いながら作戦を遂行した結果、
「彼らの死は、大きな意味を持つことだった。」
と振り返るセリフが、とても印象に残ります。
 反面、シリアスなシーンのはずが、途中で急にコミカルになったりと、感動してイイのか笑ってイイのか、若干どっちつかずな気がするのも、否めないところです。
 とはいえ、実在した勇敢な芸術家達の姿に、心打たれる作品であることは間違いありません。是非劇場でご覧になってみて下さい。

映画コーディネーター・門倉カド