劇場公開日 1984年3月11日

「※映画のレビューではなく、今回の宮崎監督の引退について」風の谷のナウシカ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5※映画のレビューではなく、今回の宮崎監督の引退について

2013年9月1日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

興奮

知的

本来なら映画の感想を書かなければいけないのだが、敢えてそのルールを破り、題名にもある通り宮崎監督の引退について思う事を、この「ナウシカ」のレビュー欄をお借りして書き記したい。
(尚、スコアと印象は映画そのものの評価)

今日の夜突然駆け巡った、宮崎駿引退のニュース。
現在「風立ちぬ」が出品されているヴェネチア国際映画祭で、現ジブリ社長が発表。9・6には本人から会見があるようだ。
(どうでもいい事だけど、9・7にはオリンピック開催地が発表されるから、日にちはそれに配慮したのかな?)

黒澤明は死ぬまで映画を撮ると言っていた。
宮崎監督はまだまだ映画を撮れるだろうに引退するのは、ちょっと首を傾げてしまう。
しかし、最後に自分が本当に作りたかったものを作って引退するのも、それはそれで有り。
ここは意見が分かれる所。

宮崎監督の引退で一番気がかりになるのは、今後のジブリの動向。
だいぶ前から、もし宮崎監督が死去なり引退なりしてしまったら、ジブリはどうなるのだろう…と思っていた。
今、ジブリには、宮崎監督の跡を継ぐ人材が居ない。
「アリエッティ」の監督は結局あれ一本だけ、宮崎Jrはまだまだそんな器じゃない。
文字通り、宮崎監督がジブリを支えていた訳である。

その点、ピクサーは素晴らしい。
立て役者のジョン・ラセターを筆頭に、ピート・ドクター、アンドリュー・スタントン、ピクサー外からスカウトしたブラッド・バードなどなど人材の宝庫。
また、最近の「トイ・ストーリー3」も「メリダのおそろしの森」もそして「モンスターズ・ユニバーシティ」も若手監督。
新人が育つチャンスを与えている。
ここが、ジブリとピクサーの大きな違い。

でも、考えによっては、これはジブリの転機となる。
映画製作からは手を引き、後進の育成が出来るからである。
宮崎監督はこれまで沢山の夢を見せてくれた。その夢という襷を引き継ぐ時なのである。
勿論、アンチな意見が出るだろう。「宮崎が監督じゃないと嫌」とか「宮崎が引退したジブリはもう見ない」とか。
愚かな意見も甚だしい!
宮崎=ジブリという偏り過ぎた考えから解放され、次世代ジブリが始まる。
その行く末は、後進者の手腕と、それを受け止める我々観客にかかっている。

最後に…
宮崎監督、お疲れ様でした。

近大
無二村鷲美さんのコメント
2018年7月24日

引退宣言撤回しちゃったねw

無二村鷲美
としぱぱさんのコメント
2013年9月15日

近大さん、面白いレビューだったのでコメントさせてください。宮崎監督の引退ですが色々な意見ありますね。ジブリは既に、小さなアニメ工房ではなく、企業として、大きく、有名になりすぎたのでしょう。創作者の意図に関わらず、常に面白い評価される作品を生み出し、収益をあげていかねばならない。経営という視点で今回の決断はなされたのだと思います。晩年をどう生きるか、それがその人の後世を讃える基準になることは多い。同様にお疲れ様でしたとお礼を言いたいです。

としぱぱ