「100%の絶望で彩られたモノクロの会話劇」人狼ゲーム 鮫瓦卍丸さんの映画レビュー(感想・評価)
100%の絶望で彩られたモノクロの会話劇
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生か死か。善か悪か。直接的か間接的か。
そんなモノクロの問いに、観るものは度肝を抜かれることだろう。
前提のシステムとしてある「人狼ゲーム」というゲームがそもそも面白いということもあるが、この映画はその点を最大限に活かし、そのために徹底的に無駄を排除している。例えば、名前やバックグラウンド、一人一人の設定など、を特筆せず、あくまでゲームの残酷さや人間の生々しさを描こうとしていた。
無論それはモノクロの疑問を登場人物の心に痛ましいほどにねじ込み、観客をも巻き込むためだ。
それについていく俳優の演技力には脱帽。
特に終盤、血を流しながら走る太賀の演技はこの映画の筆致の極まれるところだろう。
さらにカメラワークやカット割りも効果的だった。
唯一もったいなかったのは、最後のエンディングテーマ。これさえ無ければ全編音楽無しの一貫性のある無機質な映画が出来上がっていただろう。
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