ザ・イーストのレビュー・感想・評価
全8件を表示
金のあるイケメン
映画なので、ドラマを設けるとなると、潜入者はオンナで、テロリストはイケメン。潜入捜査もので、男女が絡む、といえば、コスタ・ガブラスの「背信の日々」が思い出される。
やっかむテロリストにエレン・ペイジ。
エレン・ペイジはこういうインテリ・情弱がよく似合う。日本でいうと、学生運動で、リーダーに惚れてる役。
本作、そういう点では特に我々日本人には、設定としてはそれほど新味ではない。利益第一優先の製品安全性無視の企業に対し、制裁を加える、という行為も、なじみはある。
本作、とても「日本的」な設定。
このテロ・グループ、真剣なのはごく少数で、またそれらは、ほぼ私怨で動いており、実行犯も少数。のこりは、居場所のない輩なのだろう。
テロ・グループといっても、そこには、そこの社会が存在する。だから、イケメンはモテる。実際、テロを行うには、膨大な資金も必要。このイケメンは金もある。
こうしないと、映画にならないのはよくわかるが、そうすると、あまりに既視感にとらわれすぎるし、本作のご都合的なところが目立ってくる。
結果、「甘い」味しか感じない。
己の主義や正義と完全にマッチングする難しさよ こうやって少しずつ違...
己の主義や正義と完全にマッチングする難しさよ
こうやって少しずつ違った正義が誕生して乱立していくんやな
派手さも盛り上がりも別にないが、
拝金主義の卑しく浅ましいエゴイズムや
正義を盾に己を正当化し過激になっていく活動家など
リアリティーが感じられて作り手が何を伝えたいのか分かりやすい
どちらにも迎合せず己の道を見出したラストは希望が持てるエンディングで爽やかなオチだった
私に力をお与えください 〜 いかなる敵の前でも
民間のセキュリティ会社ヒラー・ブルード社で働く元FBI捜査官ジェーン( 別名サラ )をブリット・マーリングが演じる。
ヒラー・ブルード社の上司シャロン( パトリシア・クラークソン )が、( 環境破壊を重ねる大企業に対し報復活動を行う)環境テロリスト集団「 ザ・イースト 」に、身分を偽って潜入し情報収集を行うようジェーンに命じる。
「 ザ・イースト 」のカリスマ的存在のリーダーを、アレクサンダー・スカルスガルドが演じる。
翻弄されながらも強い意志を持って困難に立ち向かうジェーンを演じたブリット・マーリングが、気高く美しい。
テレ東を録画にて鑑賞 (吹替版)
決して派手ではないですが、なかなか面白い作品でした。 シーシェパー...
決して派手ではないですが、なかなか面白い作品でした。
シーシェパードのような自己本位な環境テロリストには嫌悪感しかありませんが、この作品に登場する“The East”という組織(やり方こそ犯罪ですが)主義主張は間違っていないだけに、サラが共感してしまうのもわからないでもないですよね。
勿論、仕事であり自分の立場を弁えていない事についてはどうかとも思いますが、やっぱりこれが潜入捜査の難しさなんでしょうし、自分の勤務する会社の拝金主義や企業のやり口の汚なさ、更には企業の利益を守るために政府機関まで動いている現実を目の当たりにしてしまうと仕方なく思えてしまいますね。
そしてベンジーと袂を分かち、自分と同じ潜入捜査官を仲間に引き入れ、企業の悪事を公表していくという暴力に頼らないやり方も良かったと思います。
企業の利益を守るために政府が動いたり、このような民間の情報組織が存在していたりと、驚かされると同時にいろいろ考えさせられた作品でもありました。
重要なのはストーリーじゃない
ザル・バトマングリ監督、ブリット・マーリング主演の映画。
どちらも聞いたことが無い名前だけど、何と主演のブリット・マーリングは脚本にも参加している。そして20代かと思ったら31歳とのこと・・まさに才女。演技も素晴らしかったし、この映画でしっかり名前も覚えた。役者としてだけでなく、作り手としてもこれからが楽しみな女性です。
さて、この映画は、アメリカの民間情報(諜報)機関に転職した主人公サラが、環境テロ団体「イースト」へ潜入捜査に入るところからストーリーが始まる。
面白いのがこの民間情報機関。なんと実在のモデルがある。
「ストラトフォー(STRATFOR:Strategic Forecastingの略)」と呼ばれる組織。
アメリカのCIAは政府の諜報機関として有名だが、国営だけでなく民間の諜報機関まであるのが驚きだ。戦争の民営化は現実に進んでいて、国を後ろ盾とした軍だけでなく、民間会社の傭兵が様々な戦地へ赴き商売を行っていることを、知ってる人は知ってる。しかし、まさか諜報機関まで民営化されていたとは。。
政府の諜報機関は当然国のために情報を集めるわけだが、民間の諜報機関は企業のために情報を集める。ある特定企業に害を及ぼそうとしている個人/組織がいれば、被害を受けそうな企業がクライアントとなり、その被害を事前に防ぐことが諜報機関の目的となる。
この映画の中で、主人公サラは様々な葛藤に苦しむ。
公害を出しても公表せずに何事も無かったのように利益をあげる企業、手段は間違っていたとしても目的は正しい環境テロ組織、そして、諜報機関の潜入員としての自分の責務。
葛藤に苦しんだ結果サラが下した結論は正しいと思う。
環境テロはどんなに目的が正しくても起こすべきではないと私は思うので。
しかし、この背景を理解した上で映画を観ると、サラの心の変遷を描く縦軸のストーリーが重要なのではなく、そもそも「民間の諜報期間」など成立するのか?という構造的な問題を考えてほしい、という制作者の意図が感じ取れる。
(こういった社会的な問題を真正面から描けるところが、アメリカ映画の底の厚さを感じさせるな。。)
政府の諜報機関なら理解できる。色々と各国の諜報機関に問題はあるとは思うが、あくまでその組織は「国」のために存在する。その行動は国民のため(であるべき)だし、「正義」という建前も立てやすい。しかし、民間の組織だと、会社である以上は「利益」を上げることを目的とせざるをえない。
映画の中でも、サラの上司は、被害を受ける人達よりも会社の利益を優先すべき、という言葉を発する。
倫理的に正しいかではなく儲かるかどうか。民間の会社であれば当然と言える理屈。企業が腐る一番の理由でもある。
しかし、それでいいのだろうか?
サラの悩みの根本はそこにあるように思える。
(サラの前職が政府機関のFBIという設定もその伏線だろう。)
諜報活動というのは要するに「スパイ活動」だ。しかも、「予防」という性質上、どうしても「先制的」にならざるをえない。何か問題を起こすという「可能性」があるだけで相手を攻撃できる。そんな重要な役割を、「利益」を目的とした民間企業が担えるのだろうか?
この映画のラストでサラが出した答えは、その解答のような気がする。
だからこそ、私は共感する。
面白かった
ヒッピーコミューンやテロリストといった題材は大好きだ。とてもその輪の中でうまくやっていける自信はないけど社会や資本主義に背中を向けて自給自足したりする事に憧れがある。
ちょっと前に見て内容がうろ覚えになってしまっているのだが、エレンペイジがすごくよかった。
全8件を表示