「一見社会派映画だが・・」セッションズ mark108helloさんの映画レビュー(感想・評価)
一見社会派映画だが・・
実はこの映画はまぎれもない宗教映画。こう書くとますます敬遠されがちではあるが‥(笑)
主人公をマークという名の詩人であるというかなり特殊な設定(4大福音書作家マルコへのオマージュ)、敬虔なカソリックのクリスチャンという点で最大の理解者が神父である点・・(なぜカソリックか?)、セックスセラピストが夫の哲学者に説得されてユダヤ教に改宗する点(プラグマティズムやユング派サイコアナリストへのオマージュ)、アメリカのマジョリティであるプロテスタント系の社会ではおそらく生きている間に主人公が3人の女性から愛される経験を得る事は難しかったと思います。最後まで支えたボランティアが中国系、最初の好意を持ってくれた女性がラテン系、などアメリカのマイノリティが総出演で主人公の人間回帰を支える事となる。アメリカのリアルは背景にある民族と宗教のリアルでもあるということを見事に描き出した映画であった。
ちなみに横たわるマークの裸身はミケランジェロのピエタを想起させることを追記しておく。
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