THE ICEMAN 氷の処刑人のレビュー・感想・評価
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本当にあった話だってよ
Amazonプライムビデオにて、クリス・エヴァンスが出てるというのでとりあえず見てみた。最初から期待はしてない。 前情報で、主人公のククリンスキーは家族を心から愛していたのに、裏では大量殺人鬼だった、こんな愛情深い男が…みたいな宣伝されてたんだけど、ククリンスキーが元々ヤベー奴なのは割と端々に出ていて、例えば妻デボラが出会いを語るシーン。 職場が向かいで、デボラからしたら全然知らない人間だったにも関わらず、一方的に花やお菓子を送り付け、顔も知らん奴からの贈り物だからとデボラは全部断ってたら訪ねてきて「君は間違ってる!」と言われ、そのままデートしたとのこと。ヤベー奴!!! それにそもそも、仕事として殺しを頼まれる前から、バカにされてムカついたらシレッと殺害。しかも手慣れてる。ヤベー奴!!! 実の弟も、子供を殺したとかでブタ箱収容。「俺は悪くない、叫んだのが悪い」と意味不明な思考回路。兄弟揃ってヤベー奴! 「俺らみたいな異常者が家庭持ちなんて無理だろ」と弟の方は一応自覚あり。だけどククリンスキーは「いや、俺はちゃうし」と認めない。いや、お前もヤベーよ。ちなみに父親も異常者。多分遺伝。 家族を愛してるのではなく、「家庭を持ってる普通の自分」に執着してるだけじゃないかなとも思う。案の定、うまくいかなくなったらキレて喚き散らして大暴れのDV野郎。 最初、殺しの仕事は脅されて始めたのに、命あるまま漸く解放(普通ありえない)されたにも関わらず、今度はわざわざ自分からその世界に戻る。元々こういう人間なわけだ。 娘達が良い子過ぎて、余計ツラい。 Mr.フリージーは、妻は淫乱だけど息子はいい子と言いつつ、ククリンスキーが電話した時、話し掛けてきた息子を罵倒して追い払ってたところを見ると可愛がってはないらしい。ここでククリンスキーとの差を表現してるのか知らんけど、どのみちククリンスキーも殺人の件を抜きにしたってまともな奴には見えてない。 頭に血が上りやすいのか、自分が車をぶつけたのに文句言いに来た相手に逆ギレ、脅して車に追い返す。家族を乗せた車でそのままハイスピードで追い回し、事故りそうになったところで我に返る。異常性が家族にもバレた瞬間。 妻はそんな夫の姿を見ても、別れられないどころか、八つ当たりで喚き散らし始めた夫に自分が悪かったと謝る。そりゃそうだ。こんな異常者、別れ話なんか持ち出したら何されるかわかったもんじゃない。それ以外は良い夫だったんだろうし、何か変だと思いつつ、愛してはいたっぽい。 話題作ってわけでもないし、アメリカでは世紀の連続殺人鬼なんだろうけど日本では全然知られてないし、別に興味がなければ見る必要はない程度の作品。丁寧に作られてるなとは思うけど、別段面白いわけでもないです。 おもろいシーンといったら、クラブで主人公が全然乗り切れてない感じで踊りながら標的に近付いてくとこくらいのもんかな。後はひたすらトラブル続きで、盛り上がりもなく淡々としてる。 序盤で妻役のウィノナ・ライダーがククリンスキーに「ナタリー・ポートマンより美人」と言われるシーンがあって、最初は「…似てるか?」って感じだったんだけど、確かに見てると段々似てるような気がしてくる(洗脳)。 てか、マイケル・シャノンでけー!他が皆小さく見える。調べたら191cmだってよ!世の男達の憧れ通り越してデカすぎる。現場での威圧感ハンパなさそう。
発散によりできた家族愛
60年代アメリカで、妻と娘二人と裕福に暮らすククリンスキー。しかし彼の裏の顔はギャングにその度胸を見込まれ、100人以上殺害していた殺し屋だった。 実話をもとにした物語。良きパパとして、本当に家族を愛していたククリンスキー。その真相を知った家族の衝撃は、計り知れないです。たぶん、家族はまだ存命中であろうと思われます。彼自身は殺人狂とも言え、その衝動を発散することができたから、良き家庭人になれたのかも、と考えられます。殺害の手口が、様々なのも怖い。 ブロンディの「ハートオブグラス」、ELOの「オーロラの救世主」が懐かしいです
「才能」
良いか悪いはさておいて。 人を殺せる。 そしてそんな事をしておいて、大切な家族には気づかれない男。 これは"殺人の才能"があるということでしかない。 彼なりに、家族のために活かせる自分の才能がこれしかなったのだろう。 死ぬまで不器用な男だったんだろう。 家族を大事にし、女子供は殺さない自分のルールをもつプロでもあった。 人を殺しても良心が傷まない事以外は彼は"いい男"だった。
女房、娘にゃ分からぬ苦悩
愛する女を侮辱され最初?の殺人を犯す、幼少期の悲惨さを挟み込み、弟はスティーブン・ドーフ、ジェームズ・フランコの呆気なさ、全然気付かなかった!?相棒になる男が"キャプテン・アメリカ"ってな達者ぶりに贅沢なチョイ役勢。 家族の幸せの為が、贅沢をさせる為に、それを生きがいに、何の躊躇もなく歪んだ裏の世界での食い扶持。 実在した殺し屋の苦悩が、許されることではないにしても、ククリンスキーに感情移入してしまう男の哀愁に、ギャング物として楽しめる物語展開もあり。 マジメに仕事を全うして家族を養う選択では、この幸せを味わう事はなかったように、ギリギリの狭間で生きた彼の人生を否定する事は出来ない。 スコセッシに文句の一つや二つ言ってやっても良いなぁ、この監督は!?
痛みに不感症な人間の恐怖
実在の大量殺人犯の前日譚から逮捕裁判までの物語。 正直、見るのが辛くなる映画です。極めて悪い意味で。 主人公は稀に見る凶悪犯ではありますが、映画にするような人物とは思えません。 「極めて強い権勢欲」、或は「自らの死への恐怖」、「殺したことへの後悔」、「悲惨な過去」。映画を見る限り何もありません。ただ彼は人の痛みや死に、極端に不感症であっただけで、ただそれだけで彼の後ろに死が積みあがっていきます。 彼の家族を思い図ると、とても暗澹たる気持ちになりますが、それを除けばリアルなスプラッター映画という感想でした。
実話ベースとの事てすが…
抑えた演出が佳い感じでした。 脚本が良かったのか、全く退屈する事無く最後まで鑑賞出来ました。 20年以上も家族に気付かれず、淡々と殺人を生業にしてきたのには驚かされましたし、端から見れば完全に異常者ですが、家族のみが大切というククリンスキーの気持ちは、自分も愛する人のみに愛情が向いてしまうような人間なので、よく分かります。 殺人に対して抵抗が無ければ、こういった人間も出来上がってしまうのでしょうが、20年もの間捕まらなかったのは、やっぱりそういう方向の才能があったという事なんでしょうね。
本当の善とは?
人生に詰まった時に見たいなーと思う映画でした。 人を殺すことは違法で、間違ったことだけど その金で物が買える。裕福な生活ができる。 そして家族が笑顔になる。。 しかもポーランド人ということで当時、真っ当な職につくのも大変だったでしょうに。 今、どこの世界でも争いが絶えないのは (まあ信仰のためとかもあるだろうけど)、家族にいい生活をさせたいっていう父親がたくさんいるからじゃないかな。 にしても彼の妻はやばい笑笑 お前、旦那の金で贅沢三昧だったくせに その金の出所が殺人とわかるとゴロッと態度が変わりましたよね笑笑 裁判中も睨んでたし笑笑 (多分だけど)専業主婦ですよね? 自分で稼いでもいないのに4LDKに住みたいとか、養ってもらう気満々じゃん笑笑 こんなバカには夫もお金の面で相談なんかできないですよね。妻がもう少し賢ければ、アイスマンも全部抱えこまなくて済んだんじゃないかな。犯罪者なんだけど、この部分には少し同情しちゃいました。
100~250
どんな話なんだか、良く解らずに鑑賞。 これが実話なんだから驚き! この2重生活を20年間も続けて居たと言うから またビックリ!! 作品中で、レイ・リオッタ演じるマフィアのボスが、何で急にヒットマンとして雇うことにしたのか 良く解らなかったけど、元々がとんでもない男だった様ですね。 気になったので色々と調べてみたら、父親から虐待を受けていて、兄は虐待が原因で10歳で亡くなっていると…。 ククリンスキー自身も 若い頃から荒れていた様で、人を殺すことに何の躊躇もなければ 良心の呵責も無いようで…。 生涯で殺した人の数は、100~250未満と言われている様で また驚き! 幼い頃の虐待が、彼に暗い陰を落としていたんですね。 色々な殺害方法を考えたり、実際に試してみたり、その辺りの能力は長けていた様ですが…。 殺害した人物を、わざわざ冷凍するなんて 面倒臭いと思うけれど、ククリンスキーは“職人”なので こだわりとか、職人としての誇り???とかがあったのかも知れないですね。判んないけど(笑) 所で、出演している人達も なかなかの役者揃いで、レイ・リオッタの“圧”は流石だし、ジェイムズ・フランコは祈りが足りないし(笑)、オープニングで目にした「クリス・エヴァンス」の名前…。 え?!どこ?!って位 気付かなかった(笑) 観直しても「え?!これ?!」レベルの見た目で全然判らず(笑) 愛する妻や子供達の為に、「殺し屋」という職業を生業としていたけれど、逮捕投獄され その後獄中死。最期は恐らく口封じで殺された…のかも知れないですね。 でも、この人のことを知らなかったので 知ることが出来て良かったし面白かったですよ。
実話ベースという効用
「嘘のような(だいたい)ホントの話」。 家庭的な良きパパだけど、実は100人以上やってる職業・殺し屋。 今どきマンガでもやらないような設定が実話だっていうんだから、 ストーリーにも重みが出るってもんです。 こういう表と裏というか、善と悪みたいなテーマの場合 良心の呵責とか、打ち明けられない悩みみたいなのがありがちだけど 本作ではその辺はほとんど無し。 一人めもあっさり殺すし、その後もまぁ淡々と「仕事」を遂行する。 罪の意識を持つでもなし、家族を騙し続けることに葛藤を持つでもない。 これはこれで良いと思うし、異常者としての描写は成功してると思う。 だけど、「何故こうなった?」の部分が少し物足りないかなと思ってしまった。 ただ実話ベースにありがちな退屈さは感じなかったし、 クライム・サスペンスとしてしっかり成立してる。 その点では観る価値が十分にある作品だと思う。
家族愛があれば許されることがある
私欲のために人を殺す 命令する人、実行する人 国家、ギャング、思想集団 そこに 家族への愛が言い訳のように挿入される 映画では描かれなかった この主人公が牢屋でどのように殺されたのか その史実に迫って、そこまで描いてほしかった 見応えはある
理解出来ないけど面白かった。
本当の話と言う事に驚き。 死体を冷凍保存して死亡日時を分からなくする手口からアイスマンと呼ばれてたわけだけど、冷徹ではあるが、案外感情的で後半なんて怒りに任せてドンドン殺して行く様は狂ってた。 70年代だから100人も殺せたのだろう、割と殺し方も雑で防犯カメラがなくて良かったなと思った。 家族も知らなかったというのだから、人を殺して金を稼ぎ生活を成り立たせてる事を誰にも言わず悩みを抱えてどうやって過ごしていたのか、全く理解出来なかった。 元々サイコパスで悩みなんてなかったのだろうか? 理解は出来なかったけど、丁寧に描かれててテンポも良く、クールで暗いククリンスキーだけど楽しめた。 いや、しかし近しい家族が殺し屋なんて恐ろしい話だ。
アイスマンの涙
表の顔は良きファミリー・マン。 裏の顔は殺し屋。 映画にうってつけの設定だが、これが実話とは…! マフィアの殺し屋として、20年間で100人以上も葬ったというリチャード・ククリンスキー。 事実は小説より奇なり、とはまさにこの事。 人の表と裏の顔というか、二面性というか、常識では計り知れない。 血に染まった手で妻や娘たちを抱く時、何の躊躇も無かったのか。 ターゲットを殺す直前、相手にも愛する人が居るという事を微塵も思わなかったのだろうか。 その分別がはっきり出来ていたからプロの殺し屋で居られたのだろうが…。 映画は、妻との出会いから始まり、殺し屋としてスカウトされ、そして逮捕までを抑えた演出で描いていく。 暗殺シーンはプロフェッショナルの腕が光る。 やがて組織の魔の手は家族にも迫り…。 次第に焦燥していく様は、スリリングかつ哀しみも滲む。 100人以上も殺した凶悪人。 罪は必ず罰せられる。 いつまでも隠し通せる訳がない。 でも、妻と娘たちを愛していた…。 マイケル・シャノンの演技が圧巻。 危うい狂気を孕んだ役はもう十八番。 非道な殺し屋の顔と優しいファミリー・マンの顔を巧みに演じ分ける。 久々に女優ウィノナ・ライダーを見た。 マフィアのボスにレイ・リオッタ、クリス・エヴァンスやジェームズ・フランコらがクセのある役を演じる。 リチャード・ククリンスキーを全く同情の余地ナシと思わせないのは、妻や娘たちへの愛は本物だったから。 生まれ育ちのトラウマから暴力的な傾向はあったにせよ、もし、殺し屋の道など選んでいなかったら…? “アイスマン”とは、殺したターゲットを凍りづけにする残忍な手口から警察が付けたあだ名。 アイスマンの目に涙が浮かぶ。 愛する者たちを悲しませた苦しみから。 氷のような男も人だった。
家族の本当の願いとは・・・
家族思いのパパが実は殺し屋だったという本作ですが、家族とのシーンはそのほとんどが主人公(父親)の主観で描かれ、家族が主人公に対してどのような想いを抱いていたのかは具体的に語られていません。
お金をたくさん稼いできて、おまけに家族の時間も作ってくれる父親には、何の不満もなかったのでしょうか。
収入とかそういう類の話ではなく、嘘偽りない間柄でいることが家族にとっての幸せですよね。
隠し事をせず正直に話してくれと妻から問い詰められる主人公を見ていて、嘘でつかんだ幸せはとても脆く、最終的には家族も自分も苦しめるのだと感じました。
B+ (主人公がまじで怖いw)
B+ ・実話:アメリカで100-250人以上を殺した殺人鬼! ・寡黙な主人公...怖いです。 ・もうちょい1つの「殺し」を詳しくみたかったかも→主人公は何を考えているの?? ・演技は全てA+ →ツイッター:@Joey_movies
もし殺し屋になっていなければ…
二人の娘の優しい父親としての表向きの姿とマフィアお抱えの殺し屋としての裏の顔。 映画では、この相反する面を描くことに主眼が置かれているようだが、それよりも、興味深いのは、彼がもし殺し屋になっていなかったら、彼は家庭を持ち父親になるという人生(の一面)を持つことが出来ただろうか? 彼は、殺し屋という裏の面を持つことで、その暴力性を家庭の中で見せずに夫と父親の役目を果たすことが出来たのでは? 服役中の弟は、リチャードがなっていたかもしれないもう一つの自分の姿。 だからこそ、彼は弟はを拒絶したのだ。 リチャードを演じたマイケル・シャノン、彼の雇い主のマフィア、ロイを演じたレイ・リオッタはある意味イメージ通り(?)のキャスティングだが、デヴィッド・シュワイマー(マフィアの手下)、クリス・エヴァンス(リチャードの相棒)など意外なキャスティングが新鮮。ジェームズ・フランコがチョイ役で出ているのは、監督と親交でもあるのか?リチャードの弟を演じたスティーヴン・ドーフは強い印象を残すが、彼にはそろそろ代表作になるようないい作品に恵まれて欲しい。
内と外のギャップ
家ではマイホームパパ,外では冷酷な殺人鬼というギャップがスゴい.キレたら手が着けられないエキセントリックな性格,バレないようにするための工夫とそのための相棒,その相棒までも邪魔になれば消すあたり,これが実話ベースなのが驚き.
すごく面白かった
日常の地つなぎの先に殺し屋がいることが、普通のトーンで描かれているところがすごく面白い。主人公の性格がサイコパス気質であるように描かれてもいるのだが、しかし、それにしたってそれほど極端ではなく、日常に割といる感じの程度なところがよかった。
結末まで警察の動きが全く見えないのは、主人公の目線の行き届く範囲で物語が描かれていたからであろう。そんなところも安っぽくなくてよかった。
人を殺すことよりもお金がないことや家族に白い目で見られることの方が重要なポイントであるところも面白かった。職業として割り切っていたのだろう。
処刑人というよりは…。
マイケル・シャノン、レイ・リオッタ、ウィノナ・ライダー、クリス・エバンス、ジェームス・フランコという豪華な顔ぶれ。 クリス・エバンスなんてほとんど誰だか分からないというなんとも贅沢な起用。 まずは主役のマイケル・シャノンの顔力。 そしてレイ・リオッタと二人で映るシーンの胸ヤケしそうな濃さ怖さ。 ジェームス・フランコ特有の嘘臭い感じとかも良かった。 そして特筆すべきはやはりウィノナ・ライダーだろう。 この人昔は可愛くて人気もあったわりに(色々あって)今いちパッとしない感じがあったけど、本作を観る限り断然実力派女優です。 と言うように、演者の起用が上手くハマってたという印象。 ただ肝心なストーリーはと言うと…。 邦題の『氷の処刑人』というサブタイトルがなんともヒーローを連想させて頂けない。 処刑人というよりむしろ処刑される側の人の話だと思うのだが…。 あと家族を何より大切にしてるというが、そんなことは当たり前だし、外面が悪くても家では善き夫であり善き父である人はいっぱいいるはずで、主人公が特別凄い訳ではないと思うし、職業が殺し屋だからなんて論外である。 100人も殺しておきながら家族を想って泣いたところで、殺された人にも家族がいたことを考えれば身勝手以外の何物でもない。 まぁ話しとしてはムチャクチャな映画だが、俳優陣の頑張りでそこそこ観れる作品にはなっていると思う。 ウィノナ・ライダーの今後には期待できるのではないだろうか。
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