「頭の良い人にしかわからない映画」エンダーのゲーム ひかるさんの映画レビュー(感想・評価)
頭の良い人にしかわからない映画
頭の良い人にしかわからない映画 と記したが
映画のテーマの答えが劇中では解り辛くなっているので仕方ないかもしれない。
監督は「子供達に討論してほしい」と言っているので
あえて全ての答えを言葉にせず、解りにくくしたの思うが
子供のためにももう少しヒントをくれてもよかった(笑)
ただ映像が美しく壮大で少年の成長が描かれている映画にしかみえないのはわかる。残念な事に本当に伝えたい事が解りやすい言葉にされて居ないからだ。
しかし実は、この映画にはゲームと本当の戦争の違い・戦争についての答えが全てある。
(ここからネタバレになります)
劇中で描かれていることの答えを解りやすく言うと
まず「敵を理解すると愛しもする」というセリフがあります。
これが戦争についての答えであり嘆きです。
戦場では兵士は大人から、敵を虫だと思わされます。存在価値のないものだと。これは劇中でもちゃんと描かれています。
つまり敵を理解しようとしないから愛せないんです。
話し合いにならない。戦争はなくならない。
何故敵が地球に再来しなかったかわかりますか?(←この問いはエンダーもグラッフに言ってたはず)
人類が居たからです。彼らは違う種族でも命の大切さを尊重した。
敵を理解し愛したのだ。
何故敵の女王がエンダーに自分達の事を伝えたかわかりますか?
敵は訴えていました。"私達を理解して" 悲しい話です。
また超展開後のエンダーの「勝ち方が問題なんだ」
これがゲームと本当の戦争の違いです。
本当の戦争では戦い方が敵の頭の中、心に残ります。勝ち方によっては次の戦争に繋がってしまうんです。
ゲームはただのプログラムでリスクもない。1度勝てばおしまい。
最初のエンダーといじめっこの喧嘩を覚えて居ますか?
エンダーはまず自分を押さえていた2人の敵を、ボスを挑発してなくしました。そしてフェアになる。
だがそんな状況でエンダーは勝つ。これで未来の戦いはなくなる。
(しかしエンダーも後悔していた敵が動けないのに蹴り続ける事はグラッフのような人類の攻撃性を表している)
これらを理解するには当たり前だが戦争について知ってる事が条件。
あなたは戦争について考えた事はありますか?
映画を観た後じっくり考えて欲しい。
どうしても解らなかったらDVDを講入し、監督の音声解説を聴いて見ると良い。
この映画の良さが解ること、あなたが戦争について考えてくれる事を祈ってます。