「静かに燃える内なる炎」エンダーのゲーム ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)
静かに燃える内なる炎
まずビジュアルが美しい!精緻な作り込みで景観もオブジェクトの造りにも隙がなく、でもこじんまりとはせず、大胆且つ壮大というか。超絶職人技巧レベルの細々したフラクタルチック演出というか。
この細やかさを味わう為に劇場に足を運んでもイイぐらい!てのは言い過ぎでしょうか。ですね。ハイ。
で、ですよ。しかし問題は肝心のストーリーな訳ですわね。
映画の体裁を取ってる以上はね、そりゃ物語が作品の中核を担う訳ですし、ビジュアルがそこに乗っかる形ですから。
んー、ハッキリ言ってしまうと、かなり抑揚に乏しい展開です。それが延々と続きます。
一体どこで盛り上がってるのか?どこが山場なのか?というのが結構分かり難いというか。それらしい場面はちょいちょいと、確かにあるんですけども「ああ、そうなの?」てな感じで、肝心の敵方との開戦がちっとも為されないまま淡々と話が進行していくのでね。ひたすら主人公エンダー君の訓練、特訓、シミュレーション、ゲーム、訓練、特訓、シミュレーション、ゲーム…。
やがて話も終盤に差し掛かり「おいおいマジか?まだこんなヌルいことやってるのか?」となった処にですよ。
ハイ。まさかのどんでん返し的ショッキングなアンサー。をぶち込んでくる訳です。
こう来たか!と。ああ、だからか!だから今までダラダラしてたのか、と。
まんまと謀られました。
これだったら序盤中盤の抑揚のなさも仕方ないかな、と。
鑑賞後に振り返ってみると、これはこれでアリでしたね。まあ原作が元々こんなノリなんでしょうか。読んでないからアレなんですが。
ビジュアル良し、物語悪し、オチ良し、て感じでしょうか。
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