「中島版『不思議の国のアリス』」渇き。 なつめさんの映画レビュー(感想・評価)
中島版『不思議の国のアリス』
映画館出て第一声が「ムナクソ」。
とにかく気分の悪い、「引きずられる」映画なので、メンタルの弱い方には鑑賞自体オススメできない。
登場人物全員がひどく胸糞悪い。お好きなゲスをお持ち帰りくださいと見本市できるレベルのゲスだらけ。特に役所広司演じる主人公は本当にゲス野郎。物理的ゲス。娘のカナコもゲスだけどこちらは精神的ゲス。
なにかデジャブを感じるなーと思って見ていて、終盤理由がわかった。カナコが持ってる「不思議の国のアリス」の本。これだな、という感じ。落ちて落ちて落ちていって、その落ちた先はハチャメチャグチャグチャがあたりまえ。なにを壊しても誰を殺しても誰にも文句は言われない、それが当たり前の世界が、この映画なんだなと。
それから、圧倒的に男性の(もっと言えば監督の)潜在欲求なのかと邪推してしまう。自分はクズでどうしようもなくて、自分が大嫌いで誰もまっとうに好きになれなくて、そんな自分が何をしても、女神みたいに微笑んで、愛してると囁いてくれる美しい少女に、再起不能なほどにグチャグチャにしてもらいたいんかなって(笑)。
そんな映画を観てグチャグチャにひっかき回されてしまったので、監督さすがですね。
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