「監督に俳優に映像に音楽に、翻弄されます。」渇き。 ブッチマン2013さんの映画レビュー(感想・評価)
監督に俳優に映像に音楽に、翻弄されます。
クリックして本文を読む
告白で、シリアスなサスペンスに派手なダンスや音楽を交えて、より冷たさを浮き彫りにした中島監督。冒頭の役者紹介や、派手な血しぶき、耳を切るシーン、豪雪の中の闘いまで、タランティーノっぽさをプンプン匂わす、とにかく何かを消耗する映画でした。
疾走した美しい女子高生の裏の顔、というのが大筋でしょうか。
文字通り満身創痍になりながら探す、元刑事の身勝手なクズ男、浮気に夢中になってそいつから車で激突された離婚した妻、捜索途中で明らかになってくる、医者や警察、教師の狂気。被害者なのか利用者なのか、密接に関わる若者たち。売春、暴力、殺人、クスリ、酒、たばこ、いじめ、とにかくなんでも出てきます。でもそれをただシリアスに描くのではなく、サブリミナル的に短いカットのカラフルなシーンを連発したり、陽気なBGMで残虐な行為をさせたり、飽きません。というか、みている人を翻弄します。監督による心理ゲームのような感覚。
おかげで今朝は胸焼けしてました。
消化するのに時間がかかりそう。
天使的だったり悪魔的だったりする少女の美しさっていうのは、多くの芸術家がよくアピールしますよね。
渇き、かあ。彼女は何に飢えていたんだろう。
コメントする