「すごろくの人生模様」ブルージャスミン きりんさんの映画レビュー(感想・評価)
すごろくの人生模様
屈折した現代ならではのブラックコメディですね、
人生ゲームのすごろく盤を見ているようです。
❰富豪と結婚、2つ進む❱
❰歯科医の受付へ転落、1つ戻る❱
❰安定剤を飲む、1回休みね❱(これが多い)
そして
❰オーギーに出くわして振り出しに戻る❱
Cate Blanchettのプロ根性と、なりきり演技の凄味には、あれは目を奪われましたねぇ。
ビョーキですよ。とにかく可笑しくてたまらん。
ウッディアレンは、きっと思っているのでしょう
・人間にはほどほどの不幸が似合う。
・あんまり幸せでないことが我々のノーマルなのだよ、と。
ジャスミンも、妹のジンジャーもツキが向いてきて成り上がりかけると・・ちゃんと突き落とされる。
浮かんでは沈み、もう一度浮かんではまた沈む。そして落ち着く先は沈んだままでTHE ENDの“どつぼ”というわけだ(笑)
決して現実離れしたハッピーエンドなんかで終わらせない=人生に余計な期待や夢を抱かせない
・・そんなウッディアレンの映画は、笑いと優しさと毒のバランスが◎で、好きだ。
でも思うけど、いつもながら女だけを墜落(お)とすプロットは、監督自身に何か問題があったのかもなぁ
映画界の女優たちから猛烈な反撃を受けている今日この頃ですが。
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