フルートベール駅でのレビュー・感想・評価
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オスカーの平凡な1日を描いてるだけなのに、バッドエンド確定してるから観てて辛い
いやーキツかった、かなりの胸糞。警官に対して激しい怒りを覚えた。これが実話ってことで更にキツいわ。冒頭で流れる映像が生々しい。
オスカー(マイケル・B・ジョーダン)の平凡な1日を描いてるだけなのに、バッドエンド確定してるから観ていて辛い。台詞の全てが死亡フラグになってる。
めでたいムードの年越しで更生して立ち直ろうって時に、こんな悲惨な事件が起こるなんて...残された家族がほんと可哀想。オスカーの体に触れることが出来ず、泣き崩れる母の表情が突き刺さる。
事件の真相が明らかになったキッカケが、周りの人の撮影した映像ってのが現代っぽくて良いなと思った。メディアを介さない生の映像はこういうときに役に立つ。ただ、オスカーを殺した警官が11ヶ月で釈放されたのは釈然としない。
現在でも根強く残る人種間での対立。人間の意識の暗部に真っ向から立ち向かう若き監督の姿勢に感銘を受けた。
2009年に発生した「オスカー・グラント射殺事件」を映画化。
ある黒人青年の人生最期の1日を描いたヒューマン・ドラマ。
監督/脚本はライアン・クーグラー。本作は彼の長編デビュー作である。
主人公オスカー・グラントを演じるのは『陽だまりのグラウンド』『クロニクル』のマイケル・B・ジョーダン。
オスカーの母親、ワンダ・ジョンソンを演じるのは『マルコヴィッチの穴』『ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜』の、オスカー女優オクタヴィア・スペンサー。
製作を担当するのは『プラトーン』『パニック・ルーム』の、レジェンド俳優ウォレスト・ウィテカー。
第29回 インディペンデント・スピリット賞において新人作品賞を受賞!
第29回 サンダンス映画祭において、ドラマ部門のグランプリと観客賞を受賞!✨
鑑賞後に、自分の中の何かが少しだけ、しかし確実に変化する映画というものが誰にでもあると思うのです。
自分にとってはまさにこの作品がそうでした。
2009年1月1日。人生のどん底にいる青年が、自らの過去の過ちを悔いて改心することを決意する。彼女や愛娘、家族や友人の愛に包まれて青年の人生が変わろうとしている。
その様子が淡々と描かれる程、クライマックスに起こる悲劇がより強烈なものとして胸に迫る。
事件の内容はショッキング。題材が題材なだけに、当然人種差別への強烈なNOが訴えられている。しかし、この映画の主題は黒人差別を追及したり、わずか11ヶ月の懲役で済んだ判決の是非を問うたりするものではない。
人生の一分一秒の尊さや、周囲の人間を愛することの素晴らしさ。過去ではなく未来に向けて歩むことへのエール。
そういったポジティブなメッセージを観客に送ってくれる本当に素晴らしい一作でした。
高圧的な警官も、ただの差別主義者としてではなく、職務を果たす上で興奮状況になってしまった人間として描かれており、そのあたりのバランスも非常に良かった。
監督のライアン・クーグラーは本作が長編デビュー作。若干27歳でこの作品を作り上げている。
『クリード チャンプを継ぐ男』(2015)を鑑賞して彼のファンになったのだが、本作もやはり素晴らしかった。
観た人を奮い立たせる様な、至極真っ当な作品を生み出し続けてくれる監督に敬服します。
電車で行けば?
映画「フルートベール駅で」
(ライアン・クーグラー監督)から。
一般市民の黒人青年が警官に銃殺された実在の事件をもとに、
映画化された作品として、多くの話題を呼んだ。
「フィクション」と「ノンフィクション」なのか、
物語だけではわからなかったけれど、キーになる台詞は、
新年のお祝いを車で行くと言った息子に対して、
母親が気をきかして「電車で行けば?」と促したこと。
「みんなも飲めるし、ゆったり楽しめるわよ」と付け加えて。
さらに「電車を待ってるのはかったるいよ」と反発する息子に、
「(車は)渋滞してて、行きも帰りも、大変だわ」と諭す。
これが事実ならば、悔やんでも悔やみきれない会話となって、
母親が、自分を一生責め続けることになるだろう。
妻も「私が、トイレを行きたいなんて言わなければ・・」
電車の中で「オスカー」と声を掛けた女性だってやりきれない。
全てのシチュエーションが「運命」で片付けたくないが、
こういった悲しい事件が起きると「たられば」が口を付く。
「あの時、~しなかったら」「私が、~してれば」は、
言ってはいけないことなのだが・・やはり残酷だ。
本当に偶然なのか、本当は必然なのか、神のみぞ知る。
暗い気分になる
実際に起こった理不尽で悲惨な事件をリアルに再現している映画なので、変に期待するのもダメなのかもしれないけど、暗くて悲しくなる映画で見終わってげんなりした。
ちょっとできが悪いだけで普通に家族思いの若者があんなふうに死んでしまうのは気の毒以外のなにものでもなかった。
車にはねられた犬を抱きしめるほど優しい男なのだが、犬の血がTシャツにべっとりついていても、本人も気にしないし、彼女や娘もあんまり気にしてなかったのは、土足のまま家でくつろぐ文化の人たちだなーとちょっとした断絶を感じた。
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