フルートベール駅でのレビュー・感想・評価
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普通のたんたんとした日常の悲劇
なんて悲しい実話。
なんともやるせない。
仕事なくして子供もいるのに、愛する家族のためにヤクの売人からも足をあらいまっとうな人生を送ろうとした矢先の悲劇。新年祝いを電車で行く事を勧めたママにもこの事実は重くのしかかる…。
撃たれる夜までの日常を描いただけですが、その最後がわかっているだけに重すぎます。
警官の無謀さに怒りも感じます。
白人黒人の人種差別も交差しているのでしょうか。
ただただ、無防備に撃たれたこの普通の青年を忘れないように、誰にでも優しかったこの青年を描くことがひとつの救いだったのかも。
暗い気分になる
実際に起こった理不尽で悲惨な事件をリアルに再現している映画なので、変に期待するのもダメなのかもしれないけど、暗くて悲しくなる映画で見終わってげんなりした。
ちょっとできが悪いだけで普通に家族思いの若者があんなふうに死んでしまうのは気の毒以外のなにものでもなかった。
車にはねられた犬を抱きしめるほど優しい男なのだが、犬の血がTシャツにべっとりついていても、本人も気にしないし、彼女や娘もあんまり気にしてなかったのは、土足のまま家でくつろぐ文化の人たちだなーとちょっとした断絶を感じた。
良かった…ですか?
なんだか全然良さが分かりません…
オスカーが困難な状況で、懸命により良く生きようとして努力していたのはよく分かります。
彼の家族に対する愛も。
でも、それと事件との関わりがあまりになさ過ぎて、理不尽で、「お気の毒でした」という以上に言うべきことがなくて…
その理不尽さを訴えたいのかもしれないけど…
なんとも反応に困ってしまいます…
心に刻み込まれる名作
この作品に寄せる数々のコメントが届いている。その中で、「絶対に観てほしい」「今年一番の映画」という声が続々あげられている。
このコメントに間違いはなく、確かにこれは絶対に"見るべき映画"なのだ。
これは2009年の元旦、カリフォルニアのフルートベール駅で実際に起きた事件をもとにした映画である。無防備な黒人の青年が警察の手によって殺された事件だ。この悲劇にアメリカ中が動揺した。
もちろん当時のことを知っているアメリカの人々はこの映画に深く感銘を受けたことだろう。しかし、我々日本人には、アメリカの悲惨な出来事がどう映るだろう。日本という国は肌の色も同じで、拳銃も日ごろ目にすることなく、女性が夜中にひとりで歩くことのできる国だ。だからこの事件そのものも遠い話のように聞こえるのではないか。
応えは否。この映画は国境や肌の色、差別を超えたメッセージに溢れているのだ。1人の青年の尊い命が一瞬にして奪われた現実。それこそがこの映画がもっとも我々に伝えたいメッセージなのだろうと思う。確かに、アメリカ合衆国の現実を突きつける映画ではあり、怒りに震えることもあった。しかし、映画が気づかせてくれる大切なものとは、オスカー・グラント(マイケル・B・ジョーダン)の人生と、彼をとりまく家族と友人たちなのだ。
1人の人間の死というものがいかに重いものかを改めて実感させられる。そして死という現実からは決して逃れることができず、それはいつ我々の人生の前にはだかるかは誰にもわからない。
この映画は見る人によって様々なテーマを与えてくれるだろう。しかし共通して言えるのは、どのような形であれ、人々の心に刻み込まれ生涯忘れられない1本になるに違いない。
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