劇場公開日 2014年4月12日

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「冒険は12件のパブを巡っても決して終わりはしないのだ」ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う! ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0冒険は12件のパブを巡っても決して終わりはしないのだ

2014年7月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

悲しい

楽しい

前半が酒場放浪記で後半がボディスナッチャーという、あれですね、まるでロバート・ロドリゲスの「フロム・ダスク・ティル・ドーン」的な二部構成の展開で繰り広げられる奇想天外なSFでございます。

いやいや、大いに笑わせてもらいましたよ。
それにしてもそれにしても、こういう発想って一体どっから出てくるんですかね?監督エドガー・ライトと俳優サイモン・ペグ&ニック・フロストの盟友三人組がワイワイ言い合いながら練り上げたりしてるんですかね?そういうところから「ショーン・オブ・ザ・デッド」や「ホット・ファズ」が誕生したと思うと、今回の「ワールズ・エンド」であの三人の友情三部作と言えなくもないのかな?という。いや間違いなく三部作ですね。同じテンション、同じ魂から生まれて来たというかね。

生まれ育った故郷のパブを12件廻り、ビール1杯飲んで合計12杯を達成しようぜ!ただそれだけの為に集まった昔の親友5人組。目的はそれだけだったのに、何故かどことなく、街の様子がおかしい。パブをハシゴする毎に暴かれていく歪な真実……。何と!嘗ての我が街は!宇宙人に乗っ取られてしまっていたのだ!さて、どうしよう!彼ら5人組にも危機が迫っている!でも!それでも関係ねえ!パブ12件廻っちゃおうぜ!ていう無骨でアホな筋書きに惚れぼれしますね。
宇宙人ロボと何故か対等に戦えちゃうタフネスな彼ら。
1人また1人と仲間が倒れていくのに何故か笑えるオフビート感。
やがてストーリーが進む毎に登場人物の暗い過去や現在進行形の辛みが明るみになり、物語はコメディと悲壮のハーフ&ハーフな展開へ。まさしくビール!
果たして!結末は?どっちへ転ぶ!?

さてさて。この映画ですね、そういう上記のこと踏まえてですね、やっぱり前評判がめちゃくちゃ高くてですね。エドガー・ライトの新作で且つサイモン・ペグ&ニック・フロストということで。期待値がめちゃくちゃ高くなってまして、自分。
で、期待値マックス上げていざ鑑賞に臨んでみて。あれ?そうでもないぞ?こんなもんか?という。
あ、いや、でも誤解なきように。
面白いことには全く変わりがないです。大いに笑いましたしね。でもね、そんなにか?そんなに凄いかい?ていう。
エドガー・ライト、同じフレーバーで、なんていうのかな、多分「ホット・ファズ」でこのノリをね、一旦使い切っちゃったんじゃないかなあ、という。盟友三人組の、あれ以上の底上げはもうムリなんじゃないかあ、て気がしました。気がしただけですが。

まあね、取り敢えず今夜はビール飲みます。

ロロ・トマシ