「自由が欲しい、好きな事をやれる自由だ!」ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う! Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)
自由が欲しい、好きな事をやれる自由だ!
監督、エドガー・ライト。
主演、サイモン・ペッグとニック・フロスト。
素晴らしいトリオ再び、という事で行ってきました。
…非常に良かった。
登場人物が総じて馬鹿でイイ奴で…やっぱり馬鹿で良かったです。
特筆すべきはサイモン・ペッグ演じるゲイリー・キング。
キラキラな青春時代のパブクロール映像が流れた直後。
ドンッと出てくる現在のショボくれたゲイリー。
アル中患者達が自身の経験を互いに話すことにより自制心を培う場で、自身の武勇伝を話して過去に想いを馳せる。
好き勝手やって、皆の憧れだったはずの自分が何故…。
ゲイリーのハイテンションで馬鹿な言動にゲラゲラ笑いつつ。
達成する意味など微塵もないパブクロールに執心する姿が哀しみを誘いグッときます。
脇を固めるニック・フロスト演じるアンディ・ナイトリーも良かった。
ゲイリーとの確執を抱えたまま今回のパブクロールに参加したアンディ。
パブの軒数を重ねるうちに言動がアクティブかつダイナミックになっていく。
そして或るパブでゲイリーに心情を吐露する場面。
過去のアンディが何に傷ついたのか、裏にある彼等の友情/信頼にグッときました。
また話自体も良かった。
中盤以降の劇的で荒唐無稽な展開に心を奪われる…と同時に。
序盤からの設定や伏線が“良い意味で”無駄に凝っており気が付くと感心然り。
『名』に始まり『数』『職』『装』、そして散りばめられる過去作へのオマージュ。
個人的には、事前に或る程度の知識を入れてから観た方が数倍楽しめる作品だと思います。
鑑賞中から喉が渇きに渇く本作。
ビール片手に彼等の馬鹿な言動、ダイナミックな酔拳、そして友情を楽しむのが正しい鑑賞方法かと。
オススメです。
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