白ゆき姫殺人事件のレビュー・感想・評価
全210件中、121~140件目を表示
菜々緒
ソーシャルネットワークの恐ろしさ
原作未読。
ひとつの殺人事件からあぶり出されるソーシャルネットワークの恐ろしさを明確に描いた風刺的な映画だった。
そしてその怖さだけではなく真の「信頼」だったり、「繋がり」だったりが垣間見えて泣けた。
まず監督の中村さんの作品はよく観ている。
伊坂さんの作品だったり、初期のチームバチスタシリーズの映像化だったり、最近は「みなさん、さようなら」が面白かった印象がある。
全てを観たわけではないが、中村さんの作品はそこまで難解でもないのだがそこまでエンタメ寄りしていない、個人的にはとてもいい湯加減でかゆいところに手が届く見やすい作品が多いので好き。
そして、作品に込められたテーマを尊重してらっしゃるしそれをポップに撮るのがうまい方だと思う。丁寧。
なので今回も、原作は未読だがとても面白く拝見したし、原作も読みたくなった。
ネットの中だけに限らず、メディアや噂や歴史では語られない本当の事って言うのは当人にしかわからないもっと尊重しなければならないものなのに、匿名というみのに隠れて好き勝手に安易に他人の事について語られる場所や人格がとても恐ろしい。
ただネット上がそれをし易いというだけで、ネット以外でももちろんこんな状況を垣間みれる。自分もゴシップなどについつい反応してしまうが、客観的に観ると嫌だなー。
犯人はまさにそれを巧みに利用した。
犯人が途中でわかってしまったが、ちゃんと最後まで観れる大事なシーンもありテンポもよく、キャスティングも合っていたと思う。
安心して万人にお勧めできる作品と思う。
現代社会の問題
湊かなえさん…苦手
安心してみられるサスペンス
現代の社会を反映したような
映画館じゃなくていい
証言は真実か?
赤星雄治は白ゆき姫殺人事件の関係者への取材を進める。この映画は、その証言で構成されている。
しかし、証言というのは、証言する人の都合のいいように語られる。
証言者が勝手に語るストーリーには、無意識にねつ造された部分が含まれているのだ。
同じ出来事を語るにも、立場によって、語り方が全く違う。
真実と嘘が分からなくなるような怖さがあった。
また、事件関係者も私たちも、城野美姫が犯人だという先入観を持ってしまうと、どうしてもそれが真実だと思えてしまう。
(この点、非常に上手くできた映画だと思った。)
嘘を過剰に大きくしたり、大衆を正としたりする側面をもつ、
twitterなどネットの世界の恐ろしさを提言しているようにも感じた。
井上真央がすごい
Twitterが所々出てきたり、ニュース番組のVTRだったりと、今まで見た映画の中とは異なりました。
ただTwitterの文字の羅列が見にくかったり、インタビュー映像を見た後のVTRなので重複感があるなぁと思ったりして、良い印象はあまりなかったです。
内容としては、最後まで犯人が分からず、井上真央が犯人じゃないような気がしつつも、インタビューの度に井上真央以外ありえないような気がしてきます。
最後の最後にああいった展開になったのは面白かったです。
ですが、今後また見ることはないかなぁと思います。
最後に、井上真央は最初から最後までちょっとどんくさいキャラで、見ていて腹がたちました。
私の井上真央のイメージは花より男子なので、改めて考えてみるとこういったキャラも出来て、演技が上手ですね。
面白かった
白ゆき姫が殺された!犯人は、赤毛のアン…?
湊かなえの同名小説を中村義洋監督が映画化。
こりゃ思ってた以上に面白かった。
極上のミステリー!
化粧品会社勤務の美人OL・三木典子が、メッタ刺しにされ焼死体で発見。契約社員の映像ディレクター・赤星が取材を進めていく内に、同僚の地味なOL・城野美姫が容疑者として浮かび上がってきた…。
普通にサスペンス・ミステリーとしても面白い題材だが、ユニークなのは、証言やゴシップなど野次馬的に展開していく構成。
赤星の取材内容は、自身で調べ上げ掴んだ確たる証拠ではなく、信憑性を疑う証言や単なる憶測。
それが“真実”として報道され、さらに幼少時代の事件とは一切関係ない出来事をも含め、犯人に祭り上げられる。
ネット上では瞬く間に実名も公表され、誹謗中傷の嵐。
“容疑者は犯人か?”ではなく、“容疑者は犯人”と決め付けたいのだ。
便利になった情報化社会だからこそのリアルと恐ろしさ。
さながら、現代の魔女裁判。
現代社会の危うさを巧くすくい取っている。
後半は“容疑者S”城野美姫の独白。
ここで事件の真相が薄々見えてくる。
果たして犯人は彼女か? それとも…?
事件の真相は歪んだ人間感情にある。
それはネットやメディアだけでは見えてこない。
井上真央が地味なOLなのはご愛嬌だが、そこは演技力でカバー。
たまにやる気や覇気を感じられないイメージの綾野剛だからこそ(失礼!)、いい加減なディレクターが妙に似合った。(度々失礼!)
殺された三木典子は誰もが認める美人だが、性格も美人だったのか。これは菜々緒のハマり役。
その他キャストでは、貫地谷しほりが出番は少しながらインパクトを残し、TV司会者役の生瀬勝久は明らかにアノ人がモデル!(笑)
証言が食い違う「羅生門」スタイル。それぞれの証言の微妙な違いに注目。
“芹沢ブラザーズ”や“盗難事件”は事件を紐解くキー。
それらが巧く伏線として張られ、再度の鑑賞もオススメ。
ラストの“初対面”も秀逸。
噂や根拠の無い作り話が氾濫する昨今。
かく言う自分もゴシップは見るし、ネットもよく使う。ツイッターはやらないが。(単なる悪口の伝言板)
簡単に見るな、信じるな、と割り切れはしない。
言える事は一つ。
踊らされるな!
小説は未読だけど…
全210件中、121~140件目を表示