「この時代に日本に実在したアニメスタジオの記録として」夢と狂気の王国 A-COLORさんの映画レビュー(感想・評価)
この時代に日本に実在したアニメスタジオの記録として
スタジオジブリの日常を捉えたドキュメンタリー。
2012年末からはじまり、宮崎駿をメインに据えているため、結果的に『風立ちぬ』の話がメインになってしまっているけど。
決して、『風立ちぬ』のメイキングではないという不思議な仕上がりに。
ジョン・ラセターがジブリに遊びに来た場面でカメラを回していたり、宮崎駿の引退記者会見の直前に一緒だったにもかかわらず、このへんが一切映画にないというところからも、この映画の奇妙さが伝わるのではないかと。
また、働くということに労働運動的なモノと違う観点でメッセージを投げかけており、『夢と狂気の王国』というタイトルがなかなか秀逸とカンジさせてくれます。
こういう映画監督と製作現場があったんだという記録としても興味深い一本。
(脚本も書かずに絵コンテだけで進行する映画や、スケジュールも予算も管理されない映画なのに、日本の興行記録を塗り替えてアニメの代名詞として知名度を誇るような映画なんて今後は作られないでしょう、たぶん)
コメントする