「蒼紫ファンは怒ってもいいんじゃないかな!?」るろうに剣心 伝説の最期編 ぎおぎおさんの映画レビュー(感想・評価)
蒼紫ファンは怒ってもいいんじゃないかな!?
るろ剣三部作のラスト。
前作同様、ワイヤーを駆使したスタイリッシュアクションとあの名シーンの再現が魅力。
スピーディーなアクションの中で、紅蓮腕や陰陽撥止といった技がさりげなく出てくる所もにんまり出来ます。天翔龍閃もちゃんと一歩踏み込みます!
…が、流石に三本目ともなるとアクションシーンもマンネリ化。特に真新しいシーンも見受けられず…。というか前二作の焼き直しにしか見えません。宗次郎戦や安慈戦、方治戦(滝藤賢一の香川照之意識の演技もあわさり…)の既視感がひどい。やたら叫びながらのラストバトルもがっかり…志士雄も不殺に目覚めたんでしょうか、凄味を一切感じさせません。
なぜかセリフなしの顔アップ(特に福山雅治)が多く、テンポも非常に悪いです。
また、短い尺の中で名シーン・名台詞を詰め込もうとするため、どうしても切り貼り感が出てしまいますね。
特に、前作同様蒼紫関連が見てられない。原作での武田邸でのエピソードが丸々無いこともあり、映画だけ見ると単なる狂人にしか見えません。剣心との因縁もほぼないため、登場する度に話のテンポを損なうだけで一切必然性を感じないんですよねー。煉獄での「誰だお前!」という志士雄の叫びに爆笑しちゃいました。ほんと誰だよお前!一人で小舟で煉獄乗り込むシーンを想像するだけで堪らないですね。一体何を思ってやってきたんですかね彼は。ラストの敬礼シーンの場違い感も凄い。
映画オリジナルの処刑シーンも、冗長な割りにハラハラもせず。斎藤一が「茶番」と切り捨てましたがまさにその通り。
全体的に脚本の粗さが目立ちました。明治政府だけで煉獄墜とせてるし!
原作愛が伝わるだけに、なんでこうなったのか…と落胆せざるを得ませんでした。
前作に引き続き、神木隆之介はめちゃくちゃよかったです!