そこのみにて光輝くのレビュー・感想・評価
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題名が好き
内容がある映画じゃん!
なんともいえない余韻の残る作品。 簡単にはどうにかできない類の。 ...
がむしゃらに生きていくしかない
生きることはとてもしんどい。でも、それでも這いつくばってでも歯を食いしばりながら生きていくしかない、という思いになる映画。
台詞が少なく、ほぼ無言で進行するシーンなどでもあるが、演技力の高さか、物語のうまさが、しみじみと伝わってくる感じがとてもいい。
ラストも無言なのになんだか分かる感じ。これこそが良い映画のもつ凄みだと思う。
千夏の親父さんは寝たきりで人の世話がなければ生きていけない身。それは、主人公達夫や千夏らの生き方そのものを象徴もしている。外に出ようとしても生きられず、ここでしか生きていけない。
まさに、そこのみでしか生きていけないのだ。
でも、それでも希望はあると、思えるラストなのが、よかった。ボロボロで、不幸のどん底でも、きっといつかは、光り輝ける希望を持ちたい。決して美しくはないけど、綺麗なラスト。
あと、さすが菅田将暉。綾野剛もだけど、彼の独特な飄々さはこの映画の肝ですね。
それでも生きなければ
綾野剛のちゅーが……。
本作、書かれたのが1980年代。
でも小説の時代設定は、それよりかなり前だと思う。
なのに現代風なアレンジをしてしまった為に、介護や山の石切場で働く若者の心理描写とか、かなりズレてしまった。
辛さや苦悩が、なかなか伝わってこないのが残念。
あの、綾野剛が好きです。あのハンガーみたいな肩!ちーちゃんも、肉がついた太腿とか艶めかしいです。けどこの主役の二人より、高橋和也のゲスな演技がよっぽどいいと思うし、菅田将暉のお姉ちゃん思いのアホな弟の方が印象に残ります。
あ、げっすいこと書きます!
綾野剛ってちゅーが下手過ぎ!
救いなのは…
振り払っても振り払っても追いかけてくる現実
芥川賞候補に幾度も名を連ねながら受賞がかなわず、41歳で自ら命を絶った不遇の作家・佐藤泰志の唯一の長編小説を、綾野剛の主演で映画化。「オカンの嫁入り」の呉美保監督がメガホンをとり、愛を捨てた男と愛を諦めた女の出会いを描く。
仕事を辞めブラブラと過ごしていた佐藤達夫は、粗暴だが人懐こい青年・大城拓児とパチンコ屋で知り合う。ついて来るよう案内された先には、取り残されたように存在する一軒のバラックで、寝たきりの父、その世話に追われる母、水商売で一家を支える千夏がいた。世間からさげすまれたその場所で、ひとり光輝く千夏に達夫はひかれていく。しかしそんな時、事件が起こり……。
(映画.comより引用)
すーーーーーーーーーーごいよかった!ストーリーは辛いけど、映像が綺麗でノスタルジック。綾野剛も池脇千鶴も菅田将暉もあんまり興味なかったけど観てよかった。
三人とも全然違うキャラクターでそれぞれ超ナイスキャスティング。特に菅田将暉がいい演技。今auのCMで鬼ちゃんやってるけど、あれに似たハイテンション。でも拓児は心の奥底に深い深い闇がある。それを隠すかのように必要以上に明るく振る舞う。ラスト、綾野剛のアパートで泣き崩れるシーン、シビア過ぎる現状をどうすることもできない二人の姿が印象に残ってじんわり泣けた。山に行く、っていうただそれだけのことに賭けていた拓児の想いがあまりに大きくて辛かった。
綾野剛も、ぴったり。最近観た「すべてがFになる」と「コウノドリ」は両方とも合ってなくて微妙だった。原作が好きだったから厳し目になってるというのもあるけど。頭いい役とか心優しい芸術肌の役は無理してる感じがしちゃう。こういう役をやってる綾野剛が好きだなぁ~。あ、「新宿スワン」のアホっぽい役もよかったな。
池脇千鶴は「スイートリトルライズ」「ジョゼと虎と魚たち」に引き続き不幸な女性役・・・だけど今回は不幸のレベルが別格。親がクソですね。ただひたすら親がクソですね。さすがにここまでクソみたいな親、おらんて!・・って思えるのは自分がまともな世界で育ってきた証。感謝しなきゃ、って思うところなんだろうけど、悲惨すぎて、観てても全く現実味が持てないくらいだった。実際こういう家庭で育ってない人にとっては演じるのがスーパー難しい役のはずなのに、ラストの表情は天才的だったなぁ。池脇千鶴は役に入り込みすぎて精神的に崩壊しないものかしらなんて余計な心配してしまう。
久しぶりに余韻が残る作品で、観終わってしばらくボーッとしてしまった。いろいろ考えたけど、現状を変えることの難しさを一番に感じた。最初の変化を起こすのは本当に些細で小さな一歩だけど、日常に埋没しているとその一歩を踏み出せる可能性があるということにすら気付けない。このままの状態が延々と続いていくという可能性しか見えない。実際そうなのかもしれないし。そしてもし、現状打破に繋がるかもしれない最初の一歩の存在に気付いても、それが正しいことなのか、踏み出すことで今より幸せになれるのかは誰にもわからないし、なかなか勇気は出ない。そうこうしているうちにどんどん時間が経って歳を取って、変化そのものを恐れるようになってしまう。
辛うじて救いのあるラストでホッとした。最後間に合って良かった、勘違いしたまま引き返さなくて良かった。綾野剛、池脇千鶴の過去も今も受け入れようとする強さが偉大だな。「ジョゼと〜」とは正反対のエンディング。やっぱ妻夫木より綾野剛だわ(違
原作も読んでみようかな、と思ったけど、原作者自殺してるみたいだし、これ以上取り留めもなくどんどん考え続けるとドツボにはまってまた病みそうだから読まないどく。次はなんか軽くてポップなやつ観よ。
底の身にて
底のみにて
痛々しく光輝く
池脇千鶴が神々しいほどに美しい。
劇場公開のとき見逃して以来、何回も観ようと思いながら、映画館で観る機会に恵まれず、もうこのままでは劇場で観る機会は当分なさそうなので、レンタルビデオで観ました。
仕事もせず怠惰な生活を続けている主人公達夫(綾野剛)と、たまたまパチンコ屋で出会った軽薄な若者拓児(菅田将暉)と、その姉千夏(池脇千鶴)が、それぞれが今置かれている過酷な状況から抜け出そうと必死にあがき、傷つき、挫折し、しかし最後にかすかに見える光明の輝きに、胸揺さぶられる映画でした。
舞台は函館、しかしトラピスト修道院とは全く対極に位置するような海辺のバラックに住む千夏一家。
そこでたまたま出会った達夫と千夏。ひかれあう二人。しかし、二人にはそれぞれ人には言えない秘密、心の傷を抱えている。
一見能天気に見える拓児も傷害事件を起こし仮出所中であることが明らかになる。
お互いの秘密、傷をさらけ出し、結ばれる達夫と千夏。家族のためにまっとうな仕事につこうとする拓児。しかし、そのまま旨く行くかどうか映画は緊張感を維持したまま進んでいく。
そして終盤、拓児が大切にしていた植木鉢の野草が枯れるシーンにより、その後の悲劇が暗示される。
ラスト、どうしようもない現実、どうしようもないしがらみ、それでも二人はお互いを限りなく優しいまなざしで見つめあう。
日の出の海岸で朝日を受けた池脇千鶴の顔が神々しいほどに美しい。
忘れられないラストシーンとなった。
陰鬱な空気、行き場のない悲しみ、、
人間ドラマの真髄
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