そこのみにて光輝くのレビュー・感想・評価
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底の底まで落ちら先にあるのは、真実の愛?
この世には、不器用にしか生きられない人間もいることを思い知らされました。
働きたくても働けない環境の中、真っ当に働こうと足掻けば足掻くほど、深みにはまり変な方向へ向かってしまう。
結果、仕事は中途半端、お金は堪らず家族を養うこともできないという、負のスパイラルに落ちて行く家族のあり方。
そういったものが、どーんと重くのしかかってきそうな究極の鬱映画となっています。
どん底まで落ちたからこそ、最後の最後は光ある方向へ上がって欲しいなと思うばかりです。
今回も菅田将暉さんの演技に引き込まれました。
彼の、脇役とは思えない存在感に溢れた演技は、本当に凄いです!
次はどんな役をやってくれるのか楽しみです!
こんなにも原作と違うのに★★★★(驚)
(原作既読)
この監督、誰なんだろうって、映画鑑賞後に確かめたくなるほど、それくらいこの作品は凄かった。
原作と映画は、全くの別物でした。
そういうことを嫌う傾向がある私ですが、今作品はそこが逆に良かった。
2倍楽しめたという感想です。
小説は小説で、とても特徴的な書き方で、ぐいぐい引き込まれました。
映画の方は、その原作を尊重しながらも、別の道筋を立て、とても丁寧に、編み物を編むかのように、一つひとつを大事に表していたと思います。
原作と映画でこんなにも違うのに、両方好きだと思えたのは、おそらく初めてです。
池脇千鶴さんが、日本アカデミー主演女優賞を受賞したことを知りました。
見てくれている人はいる。
彼女が報われたことにも喜びを感じ、この映画は心に残る映画の一つとなりました。
小さな希望を信じて
寝たきりの父。
働かない母。
犯罪歴の弟。
水商売の傍、愛人をしながら一家を背負う。
そんな中でも、家族がギリギリの精神の中お互いを支え合う。
些細な事で心が壊れてしまう。かのような。
ラブシーンが長く濃厚でエロさより美しかった。
家族大事にしたらどうですか。
大事にしてるからおかしくなる。
すごく衝撃的でした。
池脇
千鶴のホットパンツにしびれる。細くなくて生々しい足してて、お尻大き目で、かきあげる長い髪も女っぷりが良い感じ。だから濡場をちゃんと撮れないのは致命的。函館は海がキレイで素晴らしい。でも、なんか漁師小屋が家とか極端過ぎてちょっとしらける。単に手前の集合長屋ではダメだったのか。フライパンから直接スプーンで食べる菅田君のキャラとか、記号が直喩過ぎる気が。植物を育てる粗暴な若者っていう設定は良い感じで、口から水吹き出して、水やりするのとか。姉の勤めるイカの塩辛工場とか、発破現場はもっとちゃんと描くべき。植木屋とか発破師とか出てくるのに、暴力のない貧困が成立するのは日本だからか。てめぅ女紹介して、飯食わしてやったべって話。
舞台は函館。曇天の天候が物語るようなくらーい話。 貧困な家庭。半身...
舞台は函館。曇天の天候が物語るようなくらーい話。
貧困な家庭。半身不随の父親とパチンコ好きの母親。ちょっと素行が悪いけど、人懐っこい弟。そしてその家庭を支えようと、自分の体も売り物にしていく姉。
底辺の生活がすごく伝わってくる中に、達夫が姉に魅かれてゆく。
達夫も、仕事中に同僚を亡くす事故を起こしてしまうというキズを抱えている。
ま、一番のゲス野郎は不倫相手。絶対逆らえないのを盾にして自分のストレス解消にしか考えていない。
みんなそれぞれに精神的にも肉体的にも支えながら生きているのが丁寧に描かれている。中でも、菅田将暉がいい味を出している。ただの素行がわるいだけでも、ちょっと人懐っこいだけでもダメで、その両方を持ち合わせていながら、家族のことを誰よりも愛している演技はどうやったらできるんだろう。底力を感じる。
役者キャスティングが素晴らしい
綾野剛、池脇千鶴、菅田将暉の芝居が、3人それぞれに味が染み込んだ感じで素晴らしかった。この3人揃えた地点で映画作り成功な気がした。
設定上仕方ないのはわかるけど、全体の色彩が暗すぎ。風景、自然も暗くて、人間模様の描写は素晴らしかったけど、観終わってちょっとどんよりする色彩の暗いシーンが続いた。設定だけじゃなく。設定が暗めだから、たまに鮮やかな色彩が入ればいいのにと感じた。
音楽はちょこちょこ挟まれるオリジナルが効いてた。
最後、そこで終わるんかー!って、もっと観たい余韻と、それでも生きていく未来への希望を少し、残しつつ。
暗い海でも水面は光る。
この映画の設定、始終暗いと評する人もいるが私には懐かしさを感じさせる暗さであった。お金がないと人は正常な判断はできない。生活に必要ならお金を手に入れるために仕事は選べないし、これ以上失いたくないからこそ、今の生活にしがみつく。どんなクソな繋がりでも繋がってしまう。それを何とも思わないように生きてるけど本当は自分が1番惨めだと知っている。
だからこそ、この作品の結末を私は見たかった。彼らはどんな風にこの世界を生きていくのか。
この作品のなかで生きる人たちが私はとても好きだ。不器用で実は愛情深い綾野剛も、生活感があって色気がある池脇千鶴も、わざと明るく振る舞う菅田将暉も。 作中の人物は絶望的な生活だから悲壮感を漂わせるのではなく、泥臭く生きている。「生きる」ためにひたむきに救いを求めている。
作中、BGMのように「ここからどこにも行けない閉塞感」みたいなものが流れているけど、食堂で3人が集まって笑うところや、綾野剛と菅田将暉の自転車の二人乗りのシーンとか、綾野剛が池脇千鶴に心を開いて抱きついて泣いたりとか、キラキラとした人生の美しさを感じる。絶望だけを描く映画はたくさんあるが、この映画は人生の尊さを描いてて素敵だ。
ラストでもとくに、何も語らずとも彼らは生きていける。そう思わせてくれる力がある。
そして綾野剛…ずっとこういうのが見たかった。善人でもペテン師でも不良でもなく、こういう不器用で揺れやすい男の役が似合ってる。彼は言葉ではなく目で語るのが上手い。仕草や姿勢、空気感、とにかく美しかった。今後綾野剛にはそういうの役を与えてやってくれないか…
菅田将暉くんは本当にジャンルを選ばない。
どんどん演技上手くなっちゃう。面白いヤツのツボを完全につかんでしまってる。最初うわーうぜえなって感じなのに、自首する時引き止めたくなる。
天真爛漫な感じが綾野剛の部下にちょっと似てて、最初の出会いのシーンで綾野剛が数秒固まるところで重ねてたのかなと思った。
池脇千鶴さん、久々見たけど相変わらずそこはかとない色気。美人やらスタイルがいいのでなく、本能的に抱きしめたくなるあの存在感は何…。年齢すらも分からなくなる…恐るべし。アイドルやらモデルなんか目指さすより、池脇千鶴さんのように自分の美しさの引き出し方を分かる人になって欲しいです、日本の子供たちよ。
とても苦しく、 見ていて胸が熱くなりました 切なくて、、、 救われ...
とても苦しく、
見ていて胸が熱くなりました
切なくて、、、
救われない人達を見てるのが辛くなりました
底辺の生活の中でも生きて行く
そんな2人に光が射した描写はとても素敵でした
いつかの日か光照らす場所で
不器用にしか生きられない人達のそれでも日々生きる様が痛くも愛おしい。劇中台詞、大事にするからおかしくなるは登場人物全員に言える事で足掻けど光り照らす世界に生きられず自ずと負の連鎖へ導かれてゆく理不尽さは見ていて辛い。それでも日々を生きる事、愛する人と共にありたいと願う人間の強さの様なものがただ愛おしくもあった。底だからこその輝き。ラスト朝陽を背負うツーショット、泣いているような笑顔は、救いの無い世界にも関わらず明日への希望を予感させ不思議と穏やかな気持ちにさせられた。底に光り輝くそれが希望なら良いな。ただ全く共感出来ないのは自分が幸せだからなんだろうな。ジョゼと虎と魚たち同様池脇千鶴が凄かったのと、菅田君の憎めないバカな演技がかわいい。
苦しくて愛しくて生きてゆくということ。
終わった後、涙が止まらない。
これからもあの生活はきっと続いていく。
生きるってこんなにもつらくてどうしようもないんだって、それでも自分の幸せを求めて生きていくしかないんだって。
この映画はリアルな日常や感情を映し出した苦しい映画です。
でもこれが現実。こうゆう現実やこれ以上ひどい現実を生きる人はいくらだっている。
あまりの衝撃で忘れられない映画です。
菅田将暉くんの俺は何も出来なかったといったセリフ、思い出すと胸が熱くなります。
テアトル新宿で、上映後に高橋ヨシキさんのトークショーがあり、それもいい思い出に残ってます!
●やさしくて切なくて。
綾野剛に静かに心を鷲掴みにされ、池脇千鶴の闇にどこかオアシスを求め、菅田将暉の危うさに期待してしまう。
むき出しだ。静と動、緩急の巧みさ。
これが佐藤泰志か。演出の技ありが掛け算になる。
原作とは違うけれど。ハマナスはアジサイに変わっているけれど。
これはこれでよい。
ぎゅっと抱きしめたくなる。頭を撫でてやりたくなる。
「山行く前にさー、亡くなった人の墓参りいこ。」染みたわ。このセリフ。
タイトルの妙。映像化はスゴイ。
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