「池脇千鶴。」そこのみにて光輝く からしさんの映画レビュー(感想・評価)
池脇千鶴。
涙が出ないほど、なんか悲しいとかつらいとかじゃなかったんだなあ。
正直、前半は微妙だった。
なんでパチ屋で出会って家にいくのか
そしてなんで達夫と千夏は恋をするのか
(恋っていうと軽い感じでなんか嫌だけど)
そもそもなんなんだその家は。
そこまで性処理しなきゃいけないもんなのか。
風俗店で再会するとか偶然にもほどがあるだろ、しかも初対面のシーンからさほど時間経ってないし。
そこでキレたくせに達夫が謝りに来たらツンデレかよ、そして海水浴しながらキス。
もう意味不明。
流れが早すぎて唐突すぎてなんじゃこれ。
もしかしてハズレだったか。
って本気で思った。
でももう後半から引き込まれすぎた。
見終わってからなら、あんなよくわからないけど惹かれあった二人も理解できる気がする。
この作品では、愛してるとか、好きだとか、大切にするとか、一緒にいよう、そばにいるとか、そういう軽い言葉がひとつもでてこなかった。
お互いが知ることのない時間の映像のなかで他人を通して描かれ、ぶっきらぼうな言葉、表情、キス、セックス。
千夏の、どこまでも自分を犠牲にして家族を守ろうとする姿。
守りたいから守ってはいないだろう。
ただ、昔愛された記憶は消えないんだろうな。
特にたくじは、観ている私がとても愛おしく感じてしまう人間だったから、千夏もきっと弟を本気で守りたくて、あいつと一緒にいたのだろう。
池脇千鶴、本当に好きだ。
彼女以外で千夏役にはまりそうな女優は思いつかない。
あの美人ではない感じ、肉付きがいい感じ、スタイルが良いわけではない感じ
たしかわたしが小学生のときに太陽の季節というドラマで初めて知った
もう12年くらい前かな。
変わらず魅力的だ。
ラストシーンは息を飲む美しさ。
あの衝撃的なシーンからの、だったし。
そして映画タイトル。
こんなにラストが素晴らしいのなら
初めから真剣に観たのに、
という残念さから星4つ。