「出鼻で一掃。」WOOD JOB!(ウッジョブ) 神去なあなあ日常 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
出鼻で一掃。
花粉症の季節が到来する度にいつも思うことがある。
林業やってる人で花粉症の人っていないよなぁ~?と。
花粉なんか伊藤英明の出鼻で一掃だ!(あ、ゴメン)
思いきり体質改善したいのなら「林業」ってのはどうよと
実際に考えたこともある(私が、じゃないけど^^;)
様々な職業をテーマに面白可笑しく解説してくれる矢口監督、
前回のロボ爺(ジー)も映像的に大変面白かったけど、
今回は原作モノに挑んでいる(三浦しをん)のが珍しい、
と思ったら脚本でずいぶん変えているみたいだ^^;やっぱり。
映画ライターさんも書いてらっしゃるけど、
ホントにこの監督はあざといというか、あらゆるところでの
配分が実に巧い。笑いあり、感動あり、教訓あり、お色気あり、
タイトルや副題まで爆笑オヤジギャグのような仕上がり。
狙って狙って作っているのは言うまでもないだろうが、
実際仕上がり具合にそつがないのは大したものだなぁと思う。
例えば(大変な仕事である)林業のドキュメンタリーをしっかり
描く作品なら、おそらく幾らでも真面目に作れるのだろうが、
お笑い交えたエンターテインメントに仕上げるのが重要という
コンセプトに逆らわず、堂々とバカバカしさを貫く姿勢がいい。
楽しい映画を観せられて不機嫌になる奴はいないと知ってる。
その気もないのに林業を選んじゃったバカ者(若者)の描き方も
少し前の「銀の匙」と似た導入で、一番ダメっぽい奴が成長する
過程もほぼ同じ。主人公の成長度合いと村の住人との触れ合い、
気構えのない人間の方が、失敗を恐れないからいいよなと思う。
実際に女目当て^^;で入ったこの世界を、勇気(染谷)はおそらく
一生の仕事として生きていくかもしれないのだから夢は広がる。
とはいっても、昨日今日でアッサリと習得できる仕事ではないし、
日々の鍛錬から一本の木を切らせて貰えるところまでは大変だ。
笑いながらもその大変さに「私にゃムリ」と感じた人も多いだろう。
どうせ居なくなる人。に初めから数えられるほど世界として厳しい。
フニャとした顔(ゴメンねホント)の染谷くんならではのパワーが
徐々に演技面で神格化してくるのが面白い。伊藤英明のヨキは
パワフルで、もう人間の括りじゃないもんな、と思った。
彼は海猿から山猿へ、次は空猿?宇宙でも呼吸してそうな感じ。
(個人的には自治会長(柄本)が怖かった、ちゃんと挨拶しないとね)