劇場公開日 2014年9月19日

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「見応えあるヒューマンドラマ」猿の惑星:新世紀(ライジング) えのきちさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0見応えあるヒューマンドラマ

2014年9月23日
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『猿の惑星 新世記 ライジング』を鑑賞。
「創世記 ジェネシス」の続編となる。
前作で人間への反乱を起こしてから10年、猿たちはリーダーであるシーザー(アンディ・サーキス)を中心に平和に暮らしていた。対して人間は自ら作り出したウィルスが蔓延しており人口は10分の1まで減少、絶滅の危機に瀕していた。人間たちは生活のエネルギーを確保する為、発電所を再稼動させるべく山中に入り猿たちと遭遇するのだが…。

物語は人間と猿との対立だが、近年稀に見るほど出来が良いヒューマンドラマである。
特に人間よりも人間らしい猿たちの動向には眼を見張るものがある。

現在経営者や中間管理職など組織を統率する役割を担う方々にとっては身につまされる思いをするだろう。組織の統率とは如何に難しい事であるかを。

作品では猿たちだが、何のことはない。
行動原理は人間のそれとなんら変わりはないのだ。
一部の者は志を貫き、また一部の者は野心を燃やし、そして大抵の者は自らの保身のために強者に従う。

そんな猿たちを統率するリーダーであるシーザーの苦悩の演技が光る。
それが今作の一番の見所となっているので、眼の動きや表情など、瞬きなどして一瞬たりとも見逃さないように注意してもらいたい。
私もまさか人間よりも猿に共感して涙を流す事になるとは思わなかった。

シリーズ全作品を観ている必要はないが、前作だけは観ておいた方が良い。
そうすればシーザーの気持ちにより一層寄り添うことが出来るだろう。

違和感のない素晴らしいVFX効果による見応えのあるヒューマンドラマを是非劇場でご覧頂きたい。

えのきち