劇場公開日 2014年9月19日

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「進化することで直面する現実、戦争の原理をテーマにした考えさせられる前日譚二作目でした」猿の惑星:新世紀(ライジング) スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5進化することで直面する現実、戦争の原理をテーマにした考えさせられる前日譚二作目でした

2017年8月16日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、映画館

泣ける

悲しい

興奮

前作も前日譚三部作の序章として質の良い作品に仕上がっていましたが、本作も負けず劣らず、いやそれ以上の見応えを感じた作品でしたね。
前作は人間の傲慢な部分が垣間見れて、まさしく人類への警鐘を鳴らすようなストーリー構成になっていましたが、今回は戦争の原理を題材にした、またしても考えさせられるストーリー構成になっていて、終始目が釘付けになってしまいました。
分かり合えそうで分かり合えない、そのジリジリした展開にもどかしさを感じずにはいられなかったのですが、これはホント現実の世界も一緒で、まさしく今我々が直面しているリアリティのある内容だっただけに、余計に何とも言えないもどかしさを感じずにはいられない内容でしたよ。

人間との共存を望む猿もいれば、人間をとにかく憎み人間を倒すことしか考えない猿もいる・・・前作は人間とは違う猿の共存意識の高さが物凄く印象に残ったのですが、種族が繁栄するとどうしても同じ末路を辿ってしまうのが現実なのでしょうか、同じ種族同士で憎しみ合い争いに発展する様子は、何かと考えさせられるものがありましたね。
でも人間の優しさを知っているシーザーと、人間に虐げられた記憶しかないコバと考えれば、考え方の違いもこれはある程度致し方ないと思うんですよね、ずっと長い間理不尽に虐げられてきたんだ、その気持ちも分かる、単純にコバを非難するのもまた違う気がして、何とも言えない気分にさせられてしまいました。
相手への恐れがあるからこそ、間違った方向へ向かってしまう悪循環、どうやったら理解し合えるのか、これは永遠のテーマみたいなものですね。

しかし前作以上にモーション・キャプチャー技術が進化していて、もはやそこに本物がいるとしか思えない、いや本物以上の存在感を感じてしまうほど、猿側のドラマに見入ってしまいました。
CGだけじゃなく、本物がその場所で演じたからこそのリアリティだったでしょうか。
アンディ・サーキスが日の目を見る時代が来たってことですね。

それと本作はリーダーとはどうあるべきか、そんなリーダー像を問う作品でもあったかと思いますが、シーザーが本当にカッコ良かったですねぇ、人間側のリーダーと交わした友情、あれはグッと来た~。
人間側、猿側、双方の家族の物語も、同様にグッと来て終始見入ってしまうものがありましたね、でも、避けられない現実には、虚しさを感じずにはいられませんでしたよ・・・。
しかしコバは、北のどこかの独裁者みたいでしたねぇ・・・。
さて次は最終章、結末は見えていても、そこまでどう持っていくのか、期待に胸を膨らませつつ、しばし待ちましょう。

スペランカー