「最高のクソ映画」ウルフ・オブ・ウォールストリート アオノリさんの映画レビュー(感想・評価)
最高のクソ映画
金とドラッグとセックスまみれという、まるでロックスターの様な株屋のお話。
映画の所々で社員に向けて行われた演説は、「The 拝金者」の理屈であると同時に、口で成り上がった者だけにまるで政治家の演説かのように見え、逮捕後も人気が衰えなかったという彼のカリスマ性を感じさせる。
違法な手法で客から金を奪い取る、ということなら世界中何処にでも居るだろうが、次から次へと強いドラッグを使用し、オフィスにストリッパーを呼ぶ、などというまさに悪党の所業を尽くした奴など中々居ないのではないだろうか。(居るのかもしれないけれど)
そんな人の欲望の頂点とも呼ぶべき行いを3時間に渡ってこの映画は観せてくれた。
これが実話だというのだから、人は金を持つためにどれだけ酷いことを罪の意識も無しにするのか、そしてそれで得た金でどれだけ欲にまみれた行為をするのか、ドキュメンタリーの様に示されたように思う。
そんなお硬い視点で無くても、非常にブッとんだ話なのでもはやコメディやエンターテイメントでとても笑えたし、楽しかった。
"F○ck"というワードが506回という、映画史上最多回数口にされるということや、ドラッグの描写や女性の裸など、R-18にふさわしい「クソ」映画ではあるものの、観る人によって色んな観方が出来ると思う。
監督が「登場人物の善悪は観る人に委ねる」と言っているように、人の欲望の頂点を見て自分はどう感じるのか確かめてみて欲しい。
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