「色眼鏡を外せばきっと楽しめる、邦画良質ファンタジー!」魔女の宅急便 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
色眼鏡を外せばきっと楽しめる、邦画良質ファンタジー!
「魔女の宅急便」と言えば、宮崎駿のアニメ映画が余りにも有名。
本作は、宮崎アニメの実写リメイクではなく、角野栄子の原作の実写映画化。
だけどやはり、宮崎アニメと比べてしまいそうになる。
製作が発表された時、ネット上では誹謗中傷の嵐。
そういうのは見てから言え。
思ってたよりずっと良かった!
キキが箒で空を飛ぶシーンは、風を感じるような爽快感。
「ハリポタ」でも箒で空を飛ぶシーンはあるが、本作の方がずっと誰もが夢見た心地良さ。
半人前の魔女キキが、見知らぬ土地で挫折しながらも、一人前の魔女を目指す。
おおまかなストーリーはお馴染みだが、要所要所に異なる展開も。
順調だった“お届け屋”の仕事が突然、魔女は呪いを運ぶという根も葉もない噂が広がる。
きっとこれは原作通りの設定なのだろう。
キキの挫折・自信喪失を、よりシビアに描いている。
キキ役の小芝風花。この娘がとっても可愛い!
「舞妓はレディ」の上白石萌音のように、新人を起用したのが成功。
演技もなかなか達者。容姿も含め、第2の志田未来…?
大プレッシャーをフレッシュさで払拭。
作品の魅力のほとんどを、この少女が見事に背負って立った。
尾野真千子、宮沢りえらが好サポート。
美術はカラフルで可愛らしい。映像もファンタスティック。
倉木麻衣の主題歌が、レリゴーや「思い出のマーニー」の主題歌に引けを取らないほどイイ曲。
監督を、清水崇が務めたのが一番の驚き!
前半はテンポ良いが、後半はちと失速。
CGは粗い。
附に落ちない箇所など、難点もある。
これが宮崎アニメの実写リメイクだったら自分も苦言の集中攻撃する所だが、そうではないのだから。
色眼鏡を外せば充分楽しめる、邦画良質のファンタジー!
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