オンリー・ゴッドのレビュー・感想・評価
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酔っ払いの気分
売春婦殺しの兄への私刑を許した警察官に復讐する弟の物語。
概要はこんな感じのはずなんだけど、非常に話を追って行きづらい。すっごくスローテンポな上、空想なのか現実なのかわかりにくい場面が幾度と無く展開され、、、正直眠くなる。
ただ、あの空想(かな?)空間は危ない。
見えるものは赤と黒とエロス。ゆっくりとゆっくりと流れる時間。思い通りに動かない身体。そして唐突な痛み。
まるで夢の中のような、飲み過ぎて酩酊状態になっているような、そんな錯覚を覚える。
また、スローなテンポとは対照的に個々のキャラクターは淵を塗ったように際立っている。特に、日本刀のような刃物をシャツの背中から抜き出し、仕事終わりには部下を引き連れなんの楽しさも感じないカラオケを歌う警官が、あまりにもシュールで極度の混乱を引き起こす。
結局白人銃だもんな。
あら~ドライヴでの後でネタが無かったのかな?取り合えず変わった設定で変わった音楽流しとくか的な映画。演技もありゃ~無口な設定なら上手いとかの問題じゃないような気がする。ドライヴと同じキャラでつまらなかった。しかしこの映画では弱すぎて笑ってしまった。結局この映画は美術的な要素も無くただ無駄にグロいだけの映画。
主役は地元のおじさん
オープニングタイトルが英語じゃなかった(勘違いならすいません)時点でそんな気はしてたけど、この映画は「自分達の国で好き勝手に遊んでるダメ白人を成敗する市井の人」に喝采をする「アジアンエクスプロイテーション」映画なのだと思ってる。
白人にしてみると無表情で小柄なおじさんが死神のように思えてくるのでは無いか?
東南アジアで少年少女を買って、ドラッグに溺れてる外国人に鉄槌を下すシーンは拍手喝采かもしれない。
「なめんなよ外国人ども!!」映画
がっかり
レフンとゴズリングのコンビということで、かなり期待してみたのだが、がっかりでした。
映像はすごく綺麗だし、カメラワークや編集も格好よかった。
ただ描写は、ムダにグロテクスで、単なる猟奇的映画だと思った。
登場人物の心境や行動もよく理解できなかった。
個人的に向いていなかっただけかもしれませんが、ビジュアル面以外では、何も共感できなかった。
いいね
どうしても『ドライヴ』と比べてしまうところがあるけど個人的には割と好きでした。ドライヴの好きだったとこは、昔からいくつも作られてるような単純なストーリーなのに新しさを感じたこととか、恋愛描写の斬新さとか。そうやって考えると今回はドライヴと同じようにストーリーはすごく簡単なのに、とてつもなく難解な映画ってとこが魅力でもあり僕があんまり好めなかった部分でもあったかな..... 幻想的なシーンとか一つ一つに意味はあるんだろうけどよく分からなかったです。 僕がこの映画が結構好きだったのはストーリーがどうこうとかじゃなくて、キャラクターが魅力的ですげえかっこよかったってこと。ゴズリングの無表情演技とか、タイマンシーンのガッツポーズのとことか最高だったけど、僕が特に好きだったのはチャン警部。映画的には悪役っぽい立ち位置ではあるんだけど、やってることはどうみても正義だしっていうね笑 手持ちのドスで容赦なく腕切るシーンはほんと震えたし、ラストのカラオケシーンも良かったです。 世間的には賛否両論だし、よくわからない映画だったけど全然嫌いじゃなかった。
はあ…
ライアンゴズリングにつられてみました。完璧に釣られました。
難解で、この映画は何を言いたかったのだろうと考えると……
子宮回帰欲求?それとも母子の愛憎?絶対的な正義は存在しない?それとも単純な勧善懲悪でしょうか……
言いたいことが多すぎてとっ散らかっている。
難しいけれど賢い映画とは言えません。
まるでオフィス○野作品。
まず、最初から、最後まで何が何だか!
まるでオフィス○野作品だなと感じていたけど…思い切りセリフを抑えたキャストの演技力が見もの、色で表す感情、身体の一部で表す表現。
結局、誰が良くて誰が悪い⁉全員悪人だっ‼あっやっぱりアレだ。
観たら楽しい、観なくても損はないか‼
レフン@タイ
ライアンゴズリング。バンコクのアンダーグランドには、黒いモノリス的な扉があって的な。ムエタイの尖った膝があばらに刺さる感じと、レディボーイと少年少女娼婦と、スイートチリの国だろ?タイって、まぁアジアは日本もタイもチャイナもコリアンも区別つかないけど、総じてエロスとタナトゥスが渦巻いててエキゾチックだよね?とアメリカで成功を収めたデンマーク人が思っているかは知らないが、ドライブ、ブロンソン等評価高い割りには今一つ乗り切れず。タイのゴッドファーザー警官が刀振り回すのを、真横からレール移動で撮るのは、 ジャームッシュの葉隠まんま。映像がスタイリッシュかというと、そうでもない。ただ暴力キツ目なのは、良い感じ。
映画というより、、、
うーん
これかなり微妙な映画だった。
まず、ストーリーがよくわからない。
終わり方も意味深な感じで、
どちらかというと映像作品のようだった。
映し方とか編集はすごくデザインされていて
色もとても綺麗。
前作のドライブを、期待して見ない方がいいかも。
でもこういう手の映画はなんとなくヨーロッパ映画って感じがして自分の好みでないことがはっきりした。
唖然とさせられる。
何だこれ。
まず終わって率直な感想は「何だこれ」ですよ。
いや、感想って言うか、感想が出て来ないというか、まあそうですね、唖然とします。
笑っちゃうぐらいに変な作品です。寧ろ笑っていいかもしれない。笑うしかないかもしれない。
ひょっとしたら、これコメディだったのかもしれないな、と思わないでもないし、違うのかもしれないし。いや本当何なんですかね。分かんないです。「何だこれ」です。
映画を観ながら険しい顔付きで固唾のんでる経験なんて、まあまずそんなにないことですけども、これまさしくその類の映画です。
面白かったとかつまらなかったとか、そんな範疇から全然外れてます。
あの稀代の珍作「ドライヴ」を撮った監督ですからね、そりゃあ一筋縄ではいかないだろうなってんで、少しは身構えて鑑賞に臨んだんですけどもね。この監督からしたら「ドライヴ」なんて目じゃなかったんですね。全くあれとは次元もレベルも違う珍百景でした。
えー、そうですね。ハッキリ言います。オススメはしません。
感性で観る
こちらのレビューを観て、「ドライヴ」好きな私はある程度覚悟して行ってよかった。心の準備が出来た。
結果的に、映画館で観れて良かったと思えた。目を逸らしたくなるシーンは多々あったし(実際眼鏡外したりした)観てる最中胸糞悪くなったけども。映画館だからこそ最後まで観れたのだと思う。
映像と音楽センスはやはりずば抜けている。カメラアングル、陰影、とても印象的で絵画のよう。音楽は映像にマッチした不気味な不穏感で、この世界に入り込むには充分。
残忍極まりない場面のあとに、すごくシュールなシーンがあったりするバランス感覚も見事。
ラストの音楽がすごく好きだな。
ストーリーは二の次で、考えるより、感じろ!って映画。
ライアン・ゴズリングは寡黙でミステリアスなキャラクター。ドライヴとはまた少し違った魅力があって、相変わらずかっこいい。
観たあともやもやしたりムカムカしたり色々考えたり。そんなことができたらいいんだと思う。
大好きとは言い難くても、忘れられない心に残る映画。
期待通り
統一感のある色彩などこだわった絵作りは『ドライヴ』と同様で、容赦ない暴力表現もそう。ただしライアンくんが全然弱い男だったというのが違います。これ笑えたんですよね。まああの元警官が超人として描かれているから太刀打ちできないのは仕方ない。
個人的にはクリスティン・スコット・トーマスにあの決闘のあとを継いでもらって、対等に渡り合って欲しかったし、そうなったら面白いのにとワクワクしてたのがあのようにアッサリと‥‥残念です笑
そもそもエンドロールで母親役がクリスティン・スコット・トーマスと知った時は驚いた。それくらい彼女には珍しい配役だったと思います。女優って凄いなと改めて。
楽しいなあ
楽しいなあ、この映画。今時『エルトポ』に捧ぐってどういうつもりなんだ?確かにテーマやキャラ設定が薄ーく『エルトポ』。何より素っトボケた所が『エルトポ』。笑っちゃいけない真面目な贖罪の物語だが、素っトボケてる。
他のレビュアーさんも書いてるけど『シャイニング』&リンチな所もあって楽しい。アルジェントの情念、若き日のアンソニーウォンが暴れてた頃のアジアンテイスト、中村主水顔負けの昼行灯っぷりも付け加えておきたい。
これだけいろんな物が混じると悪酔いの一つもしそうだが、バットトリップしないブレンド具合。理屈より感覚先行の酔わせ加減が丁度いい。ゲイジュツ方向だけに突っ走らないボンクラ度合いも楽しい。
そしてこれ商売っ気タップリな所も良い。監督の出身地デンマークでしんねりむっつりカルト映画をチマチマ作るんじゃなく、セリフが英語でソコソコの役者も使ってカンヌにも出してっていう商売っ気丸出しな図太さ。その図太さで「毒は社会の薬である」っていうホドロフスキー訓を実践してってほしい。
レフン監督は観た人皆が納得&感動するような映画はクソだと考えてると思う。だからこの映画には「賛」だけではなく、つまんねーくだらねーという「否」の感想も絶対に必要。監督はそこらへんの計算もちゃっかりしてるような気がする。
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蛇足だが、レフン監督を追ったドキュメンタリー『Gambler』が面白い。
『FearX』で大失敗し破産したあと『プッシャー2&3』でなんとか復活しようとしている頃に撮られたもの。監督が奥さんから
「あんた、いつまで夢を追ってボンクラ映画ばっかり撮ってるの?さっさとお金稼いできなさいよ」(意訳)と説教くっらてるところが楽しかった。強面の映画を作ってる割には恐妻家だなあとしみじみした。
そりゃあんな怖い奥さんがいたら、ボンクラと商売を両立させようと頑張るわなあと「オンリーゴッド」観ながら思った。
陶酔という言葉が頭に浮かぶ
テレンス・マリックのようなミニマリズムの極まりとデヴィッド・リンチの空気感そしてソナチネの頃の北野武が見せていた芸能と芸術の間をゆれるスリップストリーム性をこの作品から感じる。
ストーリーはシンプルで複数の解釈を観客に委ねてくるような作品ではなく監督の意図がそのまま伝わる。
その代わり余白から様々な信号が脳に飛び込んでくるのでそもそものテーマやディティールが何を暗喩しているのかを解釈しながら絵画に近い観方をすると良いと思う。
なにより映画そのものにに陶酔できる希有な作品に仕上がっている。
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