オンリー・ゴッドのレビュー・感想・評価
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パイプカット
おい、そういや、「オンリーゴッド」のレビューしてないじゃねえか
どうも「ROOM237」のレビューですっかり書いちゃった気になってたようだ。
ということで、「オンリーゴッド」。
えっとまず、「何だこれ?」という意見が大部分を占めていて、オレが「ナニコレ」の状態。
別に感じたまま書けばいいのにさあ、ナニコレっつたら、それで終わっちゃうじゃん?
「笑っちゃうぐらい変な映画」って?笑っちゃう、はいいけど、全然変な映画じゃないぜ?
本作は
東洋の神秘に必要以上に傾倒してみちゃった(みちゃった、のニュアンスが重要!)レフン監督が、マザコンで、不能な主人公と、彼も含めて、超卑怯で臆病な白人の侵略を、北野武がバッサバッサ切り捨てる映画。
とにかく白人グループが、徹底的に、バカで卑怯で下劣で臆病に描かれている。
ゴズリング扮するジュリアンもあれだ、ママンへの言い訳づくりで武とタイマンするんだけど、当たり前のように返り討ち。そのあとのジュリアンが武の家を強襲するんだけど、その時の彼の行動がまた、またセコい、精神的に卑怯。
この主人公はとにかく揺らぎまくってんだよね。
ママンが神、とか何とかいう前に、ママンのせいで不能にとか、いやいや、こいつがカスなだけだって。自分がかわいいだけなんだって。
どんだけスター、ゴズリングに肩入れしてるっちゅうねん。
一方の、武は徹底して、揺るがない。
彼のカラオケは鎮魂、とか何とかいう前に、「俺の歌を聴けや」という普段の彼のまんまであることに注目したい。
追記
ジュリアンがじっと手をみる。要は自分の〇〇〇だ。
これどうしようかなー、と思ってて、役に勃たないのがわかったところ、パイプカットしてくれる人(これをある意味神、とも言える)が現れたので、身内を欺き、見事パイプカットできました、というお話でもある。
めっちゃくちゃ面白いじゃねえか!
映画に何を求めるべきか。何を果たしてくれるものを映画と呼ぶべきか。映画と何処まで約束するべきか。映画にどうやって代償を求めるべきか。
ヨーロッパ、或いは北欧から眺めると
アジアとそこに住まう人々は
こういう感じに映っているンだよ。多分。
侮蔑も畏怖も不可思議も魅力も全て含めて。
こんな映画、一般の人は観てはイケません。
まず、映画にテーマなんか要らないし。
ここまで来たら
馬鹿に向かって馬鹿と言っても意味が無い事を
認めるしか無いよ。
「自分が観て楽しく感じられる映画、自分に評価出来る映画」の
選択を誤っておいて、それに気付かず
(当然本編でそれに触れる事は有り得ない)
自分の選択力の未熟さを晒すばかりか、
(中には、”鑑賞していて眠くなった”とハッキリ書いておいて
そういった己れの不手際を映画の所為にするという、
全く始末に負えない不貞の輩まで存在するヨーダ。)
いきなり
「映画は観客に何かを伝えるべきであり、
観客に理解して頂かなければならない。」
更には
「映画は観客に何かを伝えるべきであり、
観客は伝えられたことを(大抵、何通りか正解があるらしい。)
言い当てなければならない。」
墜には
「映画は観客に何かを伝えるべきであり、
観客に理解出来なくても観客にその責任は一切無い。」
挙句の果てには
「映画は観客に何かを伝えるべきであり、
観客に御理解頂け無かった場合、
観客は低い評価を付ける事によって
映画を罰する意思を表すべきである。」
などと・・・。
箇条書きにして大きめの文字で並べても
やたら丁寧に見えてしまうB5一枚が
手元にあれば映画一本それで済んでしまうじゃないか。
断罪の意味も含めハッキリ言っとくが、
これは、普段浮かれて呑気に馬鹿映画に
大枚注ぎ込んで浮かれて喜んでる連中の為に
つくられた映画では無い。
映画は観客に何かを理解して頂く為に
つくられる訳では決して有り得無い。
最近は、特典映像で監督やら俳優やらが
やたら下から御願いして来たり(日本語だったり?)
「何が言いたいのか」を説明していたりする事もあるが、
あれらは全て、リップサービス・方便・商い用語
「ありがとうございました。
これでまた新作がつくれるかも知れません。
その時はまた小銭を回して下さい。
勿論大金ならもっと嬉しいです。
毎度~!!」
でしか無いので、勘違いして真に受けたりすると
映画製作関係者が皆良い人に見えて来てしまいます。
感覚こそ全て!色彩万歳!
映画の中だけなら暴力礼賛!
映画の中だけなら悪徳警官とその一味とヤクザ一家最高!
子供向け正義のヒーローズなんかやっつけてくれ!頼むよ!
しかも、こんな映画、
何年に一本の、そっち系そっち向きそっち行きの映画だよ。
常人な部分を保ちたい気持ちが少しでも有るのなら
決して遅くは無い。諦めなさい。
ド~ップ~リヤ~リた~いヒ~トだ~け
ど~ぞ~ン、イラッしゃ~い、
ア~ンタ~もス~キね~え、
ね。ようこそ!
「変態の、変態による、変態のための、変態ワールド、変態王国」へ!
日常の生活こそ下卑た猥雑な小汚い泥灰汁に塗れたモノなのだ!
(あれ?ほめてる?わからん)
こんな映画全力でつくって全力でバックアップして貰えるなんて
レフンという変態はただの変態ではない!最高に強運の変態だとみた!
ゴズリングは片足突っ込んで表の世界へ帰ってったんだよね。多分。知らんけど。
ああ。
そいえばこの次の(・・・間に色々合ったらしいが)エルたんのが
カッキョいい。最高。最凶。
ゴーモンに気に入られたらしい。かな?
またその後スマーシて一般の映画に大忙しの
エルたんこそクルってる可能性大。
エルたんがクルっててクレたらウレしい的な?
クルッたんと改名させてあげる。
やたらとバイオレンス…
こんな作品だったとは…いくらなんでもこれは振り切り過ぎでしょ。
極端に少ない会話の中で、やたら間合いだけ長くて飽きてしまう。独特な雰囲気が一周回ってダラダラになってしまっているような。
やたら残酷だが中身はあるのか。テンポ良く描いたら、30分で終わってしまうのではないかと思うほどの、重い割には薄い内容。映画の芸術性ととらえても少々空回り感が拭えない。
映像は凝っているようだが、これも作品全体の暗さとだるさの中ではいまひとつ刺さらない。
下調べを全くせずに観てしまったので、ラストのテロップ「~に捧ぐ」にはびっくり。なるほど、そういう趣旨ねと、妙に納得。しかも後から本作監督は「ドライヴ」のニコラス・ウィンディング・レフン監督と知り、さらに納得。どうりで…って感じだ。
いずれにしても、あまり後味の良さを求めた作品ではないのだろう。これは相当好み分かれる作品だ。
残酷・・・
部屋の中は全部赤っぽい照明。どこにも血の匂いがするといった雰囲気で、ストーリーよりもその怖い雰囲気を楽しむ映画か?ホラーと言われてもしょうがないほど残酷・・・北野武映画とかデヴィッド・リンチとか、そんなイメージもある。人が殺されてるのにまわりの人間は黙ってるだけだし・・・(笑)
ビリーを殺したのは多分警察署長?なんだか奴は人を殺し過ぎ!母親も殺されちゃったし、ジュリアンはいったいどうなったんだ?腕を切られただけ?
ムードが良い。最後まで見させてくれた。
最初に、この作品が気になっている人に注意。この作品は自分的にキツいと感じるグロい描写が複数箇所であった。なので耐性が無い人には注意を願いたい。
全体を通して暗い背景にネオンのような原色のイルミライト、近未来的な重厚感ある無機的なBGM(テクノっていうのかな?)で描かれており、主演であるライアン・ゴズリングがブレードランナー2049の主演であったこともあり、BladeRunnerやCyberpunk2077を想起させずには居られなかった。実際は内容は別に未来のことではない。BladeRunnerにはかすりもしないが、Cyberpunk2077にはマフィアの抗争的な部分があったと思うので、似ている感じもある。
内容は警察と麻薬マフィアの仇討ちを目的とした復讐の連鎖による抗争劇。その中で主人公ジュリアンと母親の歪な家族間も表現されてはいるが。それらには自分の胸の奥まで来るような良い作品なら持つことができる深いテーマ性は感じられなかった。この作品にはテーマ性や内容よりもその映像的な表現方法に目が向いた。物語を引っ張る主演ジュリアンと敵チャンはどちらも寡黙であり、無言で動いている様子が多用される。それを見て何を感じるのか?といえば、視覚、聴覚、に一番影響を与える部分である映像とBGM。そこには内容よりも画面の中のいち場面をアートを見る時のように見る姿勢に近かった(しかし、登場人物への感情移入はこの作品では失敗といえるほど希薄であるため、見るといってもその見どころは感情や心情によるものではなかった)。
この作品にテーマがあるとしたら、復讐は止まらない(もしくは相手の力を見てやれという)こと、ジュリアンとクリスタルの間にあった歪な家族関係だと思う(どちらも深堀りはあえてしてないようなので、あえてテーマを考えればの話になる)。
適役のチャンという人物像については、見た目と寡黙な様子から、サングラスを外したタモリ型私刑ロボットといえる様相であった。肩を上げて背中から刀を抜き出す様子には、不自然さ(演じている感)を感じたし、肩、痛くないのかな?という演者への心配を引き起こすものであった。
マイという娼婦はチョイ役ではあるが一番感情移入できたかもしれない。彼女がジュリアンに恋人役をしてくれと言われて無理に家族会議に登場させられ、「なんなんだこいつら?」と顔芸を披露してくれる場面には、一般人である一視聴者として感情移入させられた。
結論というほどのものでもないが、この作品はテーマを求めて見るようなものではなく、表現方法を楽しむという形でみたほうが良い。途中でダレるのを感じることは私は無かった。
おいおい終わったぞーー!(誉めてる)
タイトルなし(ネタバレ)
いまいち評判は芳しくない作品ですが、ニコラス・ウィンディング・レフン監督&ライアン・ゴズリングの“ドライブ”がかなり好みな作品だったので、同じコンビによるこちらの作品も鑑賞してみました。
感覚としてはドライブとヴァルハラ・ライジングの中間、ブロンソンに近い感じでしょうか?
少し観念的な部分が有り、選り好みしてしまいそうな作品ですね。
ストーリー的にも、ウィタヤー・バーンシーガーム演じるバンコク警察のチャン警部が“神”に当たるのでしょうが、“好きにしていいぞ”何て言ってた割りには娘を殺された父親がビリーを殺してしまうと、今度は一転して“やり過ぎだ。娘に売春させていたおまえにも責任がある”等と言って腕を切り落としてしまいますし!!(゜ロ゜ノ)ノ
彼なりの正義感に因って行動しているのでしょうが、相手の言い分を無視して、やりたい放題に感じられ、ついついゴズリング演じるジュリアンだけでなく、クリスティン・スコット・トーマスが演じたエキセントリックな母親クリステルにまで肩入れしてしまいました(;^_^A
チャン警部の行動に共感出来ればもっと楽しめたかもしれないだけに残念でした。
事が済んだ後、チャン警部がカラオケを熱唱するシーンはなかなか味のある演出で悪くなかったですヾ(´▽`*)ゝ
それと、レフン監督の陰影の使い方や色彩感覚等素晴らしい映像感性、アクション演出やバイオレンス描写を含め、こういうセンスは結構好みです。
ライアン…なぜ出演したの?
マザコン全開!アートでバイオレンスな変態映画。
バイオレンスでエロティックで鮮烈な映画だった。
中でも、真っ赤な部屋で椅子に座り手を縛られた状態で自慰行為にふける美女を見るシーンは強烈。
ただの濡場かと思いきや、アート映画としての美しさとバイオレンスさを兼ね備えていて斬新だった。
何よりゴズリングが絵になる、それだけでもう美しい。
セリフやBGMも極力減らしているせいか、映像の中毒性がダイレクトに来ます。
ライティングの妙もあってか、ストーリーとかどうでも良くなるくらいビジュアルに持って行かれる映画でした。
強烈なマザーコンプレックス故、去勢された男性として生きているゴズリング。
その反動としての暴力への渇望。
横たわる母親の〇〇に触れるシーンには鳥肌が立ちました。
NWRの才能が開花した重要作
本作と共に、最近公開された『My Life Directed By Nicolas Winding Refn』も観てほしい。1時間程度のドキュメンタリーで、レフンの妻リヴが彼の作品『オンリー・ゴッド』の撮影裏を映している。
そのドキュメンタリーによると、彼は『ドライヴ』の成功による周囲から新作への高すぎる期待がプレッシャーとなって苦しんでいた。彼は『ドライヴ2』は絶対に作らない、その強い信念を持って製作に臨むも、やはり『ドライヴ』ほど成功しないのではないかという不安にフラストレーションが溜まり、些細なことでリヴと衝突する姿も垣間見えた。
『ドライヴ』という成功の呪縛に苦しみながら作り上げた本作は、「他者の意見なんてどうでも良い」という意志をもった、緊張感・エネルギーに溢れた凄まじいクライム映画になった。
空間を真正面から撮影した絵、オブジェクトと化した非人間的なキャラクタ(カラオケシーンでの警官)がシュルレアリスム的不安感、浮遊感を煽る。さらに、やはりレフン映画の代名詞の強烈な光のコントラストは本作でも健在。健在というより、『ドライヴ』よりもさらに強烈になった。
この映画の賛否は別れた。やはり『ドライヴ』よりも成功はしなかった。
それでも、『ドライヴ』の呪縛にもがき苦しんだ彼が作り上げた本作品は、彼の真の才能を引き出した。この後に続く問題作『ネオン・デーモン』で彼の個性はさらに爆発することになる。
私は万人受けする『ドライヴ』よりも、『オンリーゴッド』『ネオンデーモン』の方が彼の意志が良く見え、快作であると思う。
不穏感漂う怪作
微妙
アレハンドロ・ホドロフスキーに捧ぐ←この人だれ?って方には向かない作品。
舞台はタイ・バンコク。ビリー(トム・バーク)とジュリアン(ライアン・ゴズリング)兄弟は、ボクシングジムを経営しながら、裏ではドラックの売買なんかをやってる。ある日、ビリーが娼婦を惨殺、そして娼婦の父親から殺される。事件を聞きつけた兄弟の母(クリスティン・スコット・トーマス)がアメリカから参戦。ジュリアンに、復讐をしろ!と急かすのだった。ジュリアンは兄の敵討ちに乗り出すが、その前に地元を仕切る元警官チャン(ビタヤ・パンスリンガム)が立ちはだかる。
凄く殺気を感じる。ゆっくりした音楽、ゆっくりした動き、てか何も動かない場面が暫くあったりする。何、この静けさ?首筋辺りが、ぞわぞわする。これは殺気ですよ、殺気。何かが足音を忍ばせて、私に近付いて来てるような気がする。
ほら?野生の動物って、獲物にゆっくり近付いて行って、いきなり飛びかかるでしょ?そんな感じで、おっさんが日本刀をいきなり振りかざして、両手をばっさり斬り落とす。ほら!いたよ、野獣が!青と赤のチカチカするネオンの間に、野獣チャンが日本刀を振り翳して潜んでいる。困ったことに、この残虐なシーンが美しいんです。
このチャンは、正しく己がルール。裏社会の「神」なんです。ばっさ、ばっさと罪人を斬り、その後はカラオケで熱唱!斬り→熱唱→斬り→熱唱な、理解不能の新種の野獣ですよ。
でもヤバイと思って、急いで逃げようとするんだけど、後ろには無口なマザコン・サイコ野郎のジュリアンが、ファイティングポーズで立ってますよ。こっちも怖い。怖いけど、こっちが格好良いから良いか。いやいや、でもジュリアンの後ろには鬼母がいます。この鬼母は、息子達を近親相姦(と思われる)の縄で縛り、虚勢しているんです。クリスティン・スコット・トーマスの怪演は、素晴らしい。うちの鬼母とは比べものにならないくらい、素晴らしい。
あっちもこっちもで、ずっと首筋がぞわぞわしっぱなしですよ。
さて最後、このカラオケ好きな新種の野獣VS無口なマザコンサイコ野郎の対決となるのか、ならないのか?
いやー、なんか今だったら、アルセーヌルパンのように、針が床に落ちた音も聞こえるような気がする。そんな風に、感覚が研ぎ澄まされますよ。いや、研ぎ澄まさないと、どっちかに喰われますからね。
なんか良く分かんない。分かんないけど、何かが頭に入って来る。こんな感じ初めてです。
で、ラスト、こんなテロップが。
「アレハンドロ・ホドロフスキーに捧ぐ」
エル・トポの監督に捧げるのか。
ああ、そっか。だからもう、分かんなくて良いや。
もういいですよ、好きか嫌いかですよ。
私は、好き!
凡人にはわからないかな?
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