「あの頃の青春よ、ありがとう。」あの頃、君を追いかけた(2011) しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
あの頃の青春よ、ありがとう。
Blu-rayで鑑賞(字幕)。
リメイク版で感動したのでこちらも観たくなりました。
リメイク版では本作の殆どのシーンを完全再現していたんだなと思いました。アングルと言い、場所と言い、日本版は本作への高いリスペクトの元につくられていたんですねぇ…
国は違っていても、若者のやることは大して変わらないんだなと思いました。だからこそ共感出来るし、面白いと感じる。
台湾の世相と共に描かれる彼らの青春とその終わり。女子は早く大人になり、男子はそれを追いかけるしかない。確かに…
リメイク版で違和感を生じていた場面も本作ではしっくり来ました。卒業式は夏なのか、と…。だから海で遊べるわけか。そのシーンもアオハル感がすごくて、岸壁の会話もいい。
泉のように沸き上がっていく甘酸っぱい気持ち。はち切れそうなのに、なかなか告げられない想い。青春の熱さと儚さは万国共通なのかもしれないと思いました。
肝心なところで不器用さと臆病が顔を出してしまうもどかしさに胸が締めつけられました。想いは通じ合っているのにすれ違う。青春ってこう云う感じだったなぁ…
チアイー役のミシェル・チェンがかわいい。齋藤飛鳥とはまた違った魅力がありました。当時すでに28歳なのにちゃんと高校生に見える童顔、そして醸し出される聡明さと透明感。
こりゃみんな惚れてしまうのは当然。コートンに惹かれていく表情がまた上手いのなんのって。素晴らしい演技でした。
ふたりを照らす満月の下、「恋してくれて、ありがとう」。心の奥に沁み渡りました。とても美しいシーンでしたし、そうやって言われただけで、何かが解れていくようで…
あの頃はなんて素敵な時間だったんだろう。当時の想い出を大切にして、これからを生きていきたいと思えました。折々で見返したくなる作品に出会えたことに感謝です。
[余談1]
ストーリー的にはリメイク版と大きな差異はありませんでしたが、思春期男子特有の性欲の強さについては本作の方が描写がストレートでした。そしてめちゃくちゃポップな演出に笑いました。授業中に抜き対決したり、寮の部屋で一心不乱に乱発したり…。日本のAVを回し観していたとは!
[余談2]
エンディング・テーマが流れ始めた時、「どこかで聴いたことがある曲だなぁ…」と思ったら、GReeeeNの妹分ユニットである、whiteeeenが日本語でカバーしている曲でした。
ジンジンバオヂュオニーとは「君を強く抱きしめる」と云う意味だと知りました。オリジナル版もリメイク版も、エンディングが醸し出す余韻がエモすぎるんだよなぁ…
※修正(2023/04/27)