ゼンタイのレビュー・感想・評価
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「LET'S SONG」が気になる
題材のインパクトと中島歩(若い…)のみで鑑賞。
『草野球』『コンパニオン』『発泡酒』『レジ店員』『ゼンタイ』『主婦』の6章から成るオムニバス。
タイトルの割になかなかゼンタイが出てこない、それどころか話題にも上がらない。
最初の4章は、ほぼ固定カメラによるワンカット。
リアルとアンリアルの境目のような絶妙な会話と演技で、シュールな笑いがとても楽しい。
“あるある”と“いるいる”が満載。
ただ少し気になるのが、男性を描いた章と女性を描いた章の方向性や空気感に偏りが感じられること。
特に女性の話をはギスギス感が強い。(リアルだけど)
昨今の情勢とか関係なしに、もう少し多様な人間模様が描かれた方が面白いのではないかな。
また、アップが極端に少なかったから、『ゼンタイ』で素顔を晒しても登場済みのキャラか判断しづらかった。
全身をタイツで覆うことが、自己の解放なのか現実からの逃避なのかという問い掛けは面白い。
しかしエチュードを集めたという構成上、全体を通してのテーマ性は薄いかな。
何も考えずに笑うぶんには申し分ない出来です。
個人的には『主婦』を最後にした構成には疑問を感じる。
『主婦』を先にやった上で、「何でもない者になってます」「いいわね…」で締めた方が好み。
【”全身タイツ愛好家”クスクス笑える連関する6つの掌編。橋口亮輔監督の会話劇って面白いなあ。】
<Caution!内容に触れています。>
1.草野球
・中島歩さんが、いつもの調子でいい加減な事を言っている。そして、それぞれの役割を決める中、”で、キャプテンは?”と聞かれた篠原篤さんが、”俺はプレーで魅せるって事で・・。”可笑しい。
2.コンパニオン
・”スーパーキング”開店のために集められたコンパニオンたちのおバカな会話。
3.発泡酒
・男達が集まって、飲み会。一人だけ”発泡酒じゃ駄目だろ!”とホントウの酒への拘りを見せる中、店員が持って来た飲み物。ストローの付いたウーロン茶が一つ。凄く可笑しい。
4.レジ店員
・成嶋瞳子さんが演じるレジ店員のリーダー格が、若い女性店員たちのシフトを決めようとする中、オーナーからある茶髪の女性の髪を黒に染めて欲しいとの言伝を伝える所から、反撥される姿。成嶋瞳子さんが言い負かされ、ションボリする姿が可笑しい。
5.ゼンタイ
・変態さん、集まれ!からの、ちょっと沁みる展開。巧いなあ。
6.主婦
・ブログでのレシピ盗作問題で紛糾する主婦たち。怖いけど、何だか可笑しい。
<という、6つの掌編が連関しながら描かれる。橋口亮輔監督の絶妙の会話劇が可笑しい。最近作の「お母さんが一緒」を思い出す。
「恋人たち」でブレイクした篠原篤さん、成嶋瞳子さんもバッチリ出演しています。>
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