喰女 クイメのレビュー・感想・評価
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自虐的でも余裕の海老蔵と待ったなしのコウ
本作の舞台劇の「四谷怪談」とそれらを演じる役者たちの私生活を平行に展開し、それぞれの世界に影響を与えていく、というスタイルは決して新しいものではなく、むしろ使い古された手法。
幻想的な舞台パートと逆に現実パートの緩さがある意味、どこかふざける三池らしくはある。
とにかく現実パートがもうダメすぎて、むしろ笑える。海老蔵の現代劇の大根ぶりは今日に始まったわけではないが。柴咲コウのひどさは改めてすごいと思う。
それが舞台劇パートに影響し、柴咲がしゃべればしゃべるほど笑けてくるという、もう、「わざとか?」の世界観を見せてくれる。
柴咲は全盛期歌に流れ、演技がガタガタのまま、今に至り、年齢的にも脱皮の時期だが、待ったなしの境遇でもある。
本来その待ったなし感が、お岩のその境遇とリンクしなければいけないはず、いや、それこそ柴咲の起用の最大のポイントだと思うのだが、そうなっていない。この映画の最大の欠陥は柴咲。見た目の美しさを壊せば、演技をした、とでも思っているのか。
もっと死ぬ気でやれよ、といいたい。
一方の海老蔵は、これはもう言うまでもなく、自虐的ギャグだよね。現実パートの、演技ダメダメ感も意図的すら思える。
意外と世間の目を気にする歌舞伎役者だが、これはこれで面白い立ち回りだと思う。
同じ話を二度見させられる
現代パートと劇中劇の尺の取り分がおかしい。劇中劇にあんな尺は必要なのか?というより、現代パートこそ蛇足で本来はストレートに四谷怪談だけを撮りたかったんだろうか?印象としてはむしろそう感じる。
結局、何を撮りたかったのか良くわからないまま、重心の定まらないまま話は進み、その上、劇と現代で似た話を二度見させられるため、というより、四谷怪談のストーリーなど端から承知な訳で、そこからどのように飛躍するのかを楽しみにしてた僕らは、結局、四谷怪談のストーリーを二度重複させるという退屈な拷問に付き合わされることとなるのだ。
映画やめれ
「一命」の大根振りに比べ、海老蔵がいい味出してる(ていうかまんま自分を演じてるんですが)し、映像も深みがあって自分なりに入り込めていたのだが、柴咲が自ら堕胎するシーンの有り得なさすぎに一気に興醒め。以降、全てのシーンが空々しく思え、評価不能。
土竜の唄以降、この監督、本当に駄目だ。しばらく映画撮るのやめた方がいいと思う。
もう少しだけボリュームが欲しかった。
ホラー系はあまり観ないけど、三池作品ということで。
美術はさすがの素晴らしさで舞台装置は見応えがあった。
四谷怪談と現在世界の話しもうまくリンクしていて目がはなせなかった。やはり演出がうまいと思う 。タメが良い。
海老蔵の朴訥とした感じと柴咲コウの怖さがうまく絡む。伊藤英明の演技もうまかった。ベテラン勢も重みがある。
ただ、長谷川の死に様が予想できたのと、オムニバス作品の内の一作みたいなあっさり感があったのが残念。
やはり三池作品は自分には合う。次も期待す
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