劇場公開日 2013年10月5日

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「映画を撮りたいとは思っていないのではないか」R100 アドリアさんの映画レビュー(感想・評価)

1.0映画を撮りたいとは思っていないのではないか

2013年10月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

寝られる

予告を見て、今回はテイストが違うんじゃないか。
もしかして...なんて思い劇場で観てきました。
結果...これはキツい。
何がキツいって観てるのがキツい。苦行です。
なぜか、それは単純にこの映画のいい部分が全然見えてこないんです。
例えば、爽快感があった!、感動した!、笑えた!、ハラハラした!
何でもいいんですけど何かインパクトが残れば映画として作品として印象に残るんですけど
それがない。ただ時間が過ぎていくだけで退屈なままなんです。
終盤それが少しは解消できるかと思ったのですが、それもなんだそれだけってな感じ。
はっきり言って印象に残るといたら退屈な映画だったなっていう印象。

なぜ松本人志作品はこんな出来になってしまうのか。
それは松本さんが本当に心からこの映画を撮りたいとは思っていないのではないか。
そう思えてしまいます。なぜかいうと
劇中に「テイストが違うって何?」みたいなセリフが出てきます。
これは松本さん自身の現状、つまり松本さんご自身が映画を撮る事を迷ってるという事を表しているのではないしょうか。
あるいは正直吉本や周りからの圧力で作品を作らないといけない状況に松本さんが追い込まれてとりあえず作ってしまっているとも捉えられる。
とにかく劇中終始何かズッと迷ったまま、何かワケがわからないっていう具合に話が終わってしまいます。
これは何か強迫観念に苛まれながら作っていて楽しんで作ってない。そう感じました。
何より自信がない感じを受ける。
その自信のなさが作品にもろに出ていると感じます。
そういった意味でも、このような出来になってしまっているんじゃないかと考えます。

ただ視点を変えて、これは松本さん自身の現状を観ていると考えれば少し観れます。
昔は子供に興味もなかったあの松本人志が子供を抱きしめている松本人志
日々何かに疲れているが変な妄想を抱き、それに恍惚としている松本人志
こんなかんじで観れば少しは楽しめました。

がしかし、上記の理由からでも今回の作品はこの評価点にしかなりません。

松本さんの気質や魅力を生かせるのは、やはり長編ではなく短編のオムニバスはではないしょうか。
もう散々やってきたとお思いでしょうが、ここは原点に戻って、そちらの方にシフトしてみてはどうでしょう?
もちろん他にも言いたいことは山ほどあります。
ただ一番言いたいのは松本さんが本当に心から楽しんで映画を作り
至極の作品ができたと自信を持てるくらいの作品を作ってもらいたいという事。
それだけでいい。

アドリア