「厚切りジェイソンのスター・ウォーズ」スター・ウォーズ フォースの覚醒 umekochanさんの映画レビュー(感想・評価)
厚切りジェイソンのスター・ウォーズ
2月18日六本木ヒルズTOHOシネマにて鑑賞。
SWシリーズの最新作を劇場で観るのは三十数年ぶり。
観終わってなかなか良く出来た映画だと思いました。
ルーカスフィルムの独特な冗長感が無いことはある意味ですごい。
だけど、その分、ルーカスが持っていた哲学が無くなってしまい、悪い面(金儲け主義=ダークサイド)に作品自体が陥っている。
そもそもオリジナルのEP4は黒澤明監督の「隠し砦の三悪人」や「オズの魔法使い」に対するリスペクトがあった。特に武士に対するもの。
また、ルーカス本人がカーレースに熱中していた時代があったという背景からEP1のポッドレースなどで見られる、疾走感が作品にはあったが、今回のEP7では武士は出て来ないし、カーレースのドキドキ感も描かれていない。
ストーリーは、いつものSWの二番煎じ。
敵を無力化するために敵の要害に攻撃をかけるが、シールドが破れなくてちょっと困る・・・けど、最後、適当になんとかなっちゃうみたいに、あって無きが如きもの。
別に娯楽作品だからストーリーなんかどうでも良いんだけど、じゃ、キャラクターとか登場して来るドロイドなどのメカデザインと夫々の登場テーマ音楽はどうなの?というところも気になるが、流石にジョン・ウィリアムズも耄碌してしまったか??
映画を観終わってから帰宅するまでに口ずさみたくなるような印象的なフレーズが無い!!
カイロ・レンが頑張って悪い子ちゃんになっているのは判る。
でも軽い。
ダース・ベイダーを凌ぐほどの悪どい力強さが感じられない。
「本当に良い刀は抜かないで鞘の中に収まっているもの」
黒澤明の「用心棒」には遥かに劣るが、「椿三十郎」の中で入江たか子はこのように言っているが、どっからどう見ても”スパっと”切れそうにも無いライトセーバーを殺陣の下手くそな役者さんにやられてもなぁ・・・。
ま、愚痴はいろいろとあるけれど、アナログ世代のルーカスからデジタル化されてSWは、”インターネットで見れば誰でも作れるでしょ。”みたいな厚切りジェイソン的な考え方で作られていることが良く判った。
商業的にはまぁまぁの成功で、作品的にはどうしようも無い駄作だと思ったので☆二つ。