「食文化抗争劇。」マラヴィータ ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
食文化抗争劇。
マラヴィータ、って何のことかと思ったら飼い犬の名前なのね。
どうしてこれが邦題になったのか一番の謎なんだけど…ま、いっか。
このところコメディづいて仕方ないデ・ニーロがスコセッシと組んで、
さらにベッソンがおフランスを舞台に描いたバイオレンス・コメディ。
冒頭から続くブラックユーモアは、笑うに笑えない爆破・暴力・恐喝
を描き、ブレイク一家の愉快な破壊生活。を知らしめるまで絶好調。
この一家、どう考えても地域住民に溶け込めるわけがない。
でも実際問題こんな風に、FBIの証人保護プログラムを適用されて
世界各地を転々としている元犯罪者一家って、多くいるんだろうな。
あくまで「近所の」「隣の」っていうのが、ものすごく怖いところ。
美人スパイ奥さんだって何十年も気付かれない、っていうんだから、
とにかく守る方は最後まで踏ん張り通したいところ(ボスがあの顔で)
お願いだから、問題を起こさないでくれっ!!と言っているのに、
すぐカッとなってハメを外すデ・ニーロの何と活き活きしていることか!
最近生温い役ばかり続いたから、面目躍如ってところかしら。
しかし奥さんといい、娘&息子といい、すっごい美人&暴力的。
親父は部屋に籠って小説書いているだけ(自伝とか何考えてるんだ)
なもので、外での暴挙は、ほぼこの家族が抗争劇にしてくれる。
娘は初恋(数学の臨時講師)なんかしちゃって…と思ったらすぐに?(爆)
というあられもない展開になるんだけど、中盤以降でいま一つ弾けない。
「グッドフェローズ」を上映会で朗々と語り、喝采を浴びる親父の陰で、
ついに居場所を突き止められてしまったブレイク一家の運命やいかに…!
うーむ^^; いいのか?あれで。という疑問が残る若干のやるせなさ。
米バター、伊パスタ、仏クリームに対する見解の方にパンチが効いてる。
(米v.s.伊v.s.仏の食文化の抗争劇で、一本作れるんじゃない?^^;)