ビザンチウムのレビュー・感想・評価
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期待せずに見たら面白かった
シアーシャっぽいけど若い新しい女優さんなのかしら?と思ったら本人でした、昔の映画なのね。決して長くない時間でどうやってネタばらししていくのかなと思ったけど、そんなにムリもなく難しすぎもなく、うまいこと昔話を語らせてましたね。サム・ライリーは好きな俳優さんだから、いい役やってくれるのはうれしいんだけど、ちょっと最後は強引だったかな。クララが真珠を大事にしてるとかそういうエピソードはあればもうちょっと受け入れやすかったかも。
ヴァンパイアものってどこか哀しい
人の生き血を啜り、愛する人と結ばれることは叶わず、永遠の時を彷徨う。過去は語れず未来も描けない。自分が存在する意味を模索し、いつしか存在したいという欲求も希薄になっていく。エレノアの深い哀しみ、クララの逞しさ優しさが何とも言えず心に響きます。
エレノアは死期が近い、死を望む老人に安らぎを与えることクララは支配者に刃向かうことで矜持を保っているように見得ます。インタビューウイズヴァンパイア、ぼくのエリーも良かったけどこれも大好きです。なんといってもエレノアが可愛すぎってそこかいっっ
遠慮しながら生きるバンパイア
インタビューウィズバンパイアと同じ様に、人に気を遣って血をいだだく。バンパイアに共感出来ると供に、身近にいるかもと思わせる、この設定が好きだ。
インタビューウィズバンパイアの、ブラピの悲しげにネズミの血を吸うところと、シアーシャが重なって、美しい。
美しい姉妹、悲しげな海の風景(たぶんアイルランド)が、悲しいストーリーを際立たせる。
ビザンチウムハウスで、女性を守る話で、主人が女性バンパイアという話も面白いかもです。
それにしても、秘密を守ることに苦しむシアーシャが美しい。
ホラーではない
「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」のニール・ジョーダン監督の新たなヴァンパイアムービー。主演俳優らの豪華さもあり、世界的にも注目度の高い前作に比べると知名度はまだまだだが、個人的には本作の方が好みである。
二人の「姉妹」の物語なのだが、妹の為に身体を犠牲にして生活費を稼ぐ姉クララと、死がそこに迫っている人間の血しか吸わない優しい心を持つ妹エレノア。二人のどこか哀愁漂う暮らしには胸を打たれる。彼女らは、いつの時代も肩身の狭い思いをしており、不老不死のヴァンパイア族の苦悩を感じる。彼女らを追う警察の手も迫って来ており、いつ崩壊するか分からない生活を細々としているのである。そんな中訪れた小さな街で出会った白血病の青年フランク。正反対の理由で「血が必要」という共通点を持つエレノアとフランクは惹かれ合っていく。
二人の切ない恋模様もさることながら、次第に明かされていく過去の出来事。最後にその伏線が見事に回収されていく。エレノアとクララを追う謎の組織にもドラマがあり、全てが「愛」という物で結ばれている展開には感動を覚えた。それぞれの想い、それぞれの道、それを全員が歩んでいく為に、皆大きな決断を下すのである。
R-15+の為、人体破壊シーン等が描かれているが、本作はホラー作品というジャンルではない気がする。残虐シーンを否定する気は無いが、本作で描かれるそれらの描写が本作がどのジャンルに当てはまるのかを悩ませてる原因ではないだろうか。また、女性の描き方が少々乱暴の為、一緒に観る人は選ばないとならないだろう。
だがビジュアル的にはセンスの良さを感じる部分が多い。姉妹を包む独特の空気感はより感情移入する様な雰囲気を演出しており、それに周囲の風景等が合わさり、上質な空気感を演出している。また、本作では要となる、ヴァンパイアと密に関わる孤島。黒い岩肌から赤い水が溢れ出る描写は、訪れたものの苦悩や葛藤、またヴァンパイアの恐怖や哀しさを物語っている様に思える。
鑑賞後に心にジーンと響く本作、由緒あるヴァンパイアの歴史を更に紐解いた様な本作は、近年の同テーマの作品では最も完成度の高い作品だと思う。
白血病とヴァンパイア
右手の親指が鋭く、頸動脈にグサっと刺して血を吸うヴァンパイア。普通のヴァンパイア映画ほど派手さはないのだが、エレノアが母離れをするジュヴナイル的な作品ともいえるか。
現代におけるストーリーと、いつもエレノアが自分たちの物語を書いて進めるクララがヴァンパイアになる挿入ストーリーの対比が面白い。
エレノアは母親に勝手に吸血鬼にさせられた感もあり、人を無駄に殺さず、死期が迫ってる老人などから血をもらっているのだ。そして200年も生きていることへの疑問と孤独感。逆に考えると、ウソをつくことが生き甲斐である母親クララの頭の中がよくわからない。そして、白血病のため血液が固まらない病になっているフランクとの切ない恋もなかなかいいのです。
最後にダーヴェル(ライリー)が同盟者のおっさんを殺すところも説明不足で、ちょっと不満も残るストーリー・・・
ヴァンパイアの苦悩
監督お得意の美しくも悲しいヴァンパイアもの。
主演にシアーシャ・ローナン。
これだけで切なさ倍増です。
200年前にヴァンパイアにならざるを得なかった親子。
秘密と孤独と罪悪感を抱えながら生き続ける、深く静かな物語です。
「ぼくのエリ」と若干被るところがありますが、
今までの吸血鬼ものと違い不死身になる方法が斬新でした。
母と娘の確執200年!ヴァンパイアはつれぇ!
インタビュー・ウィズ・バンパイアのニール・ジョーダン監督の作品で、世界観はインタビュー~と変わらず。永遠の孤独、人間の血を吸うことへの葛藤などなど。はいはい。分かってますよ。という感じ。
けれど、共依存の母と娘の200年の確執をメインに持ってきているので、所謂バンパイアホラー映画とはちょっと違う。
またインタビュー~より圧倒的に本作の方が官能的なのは、ジェマ・アータートン、ニール・ジョーダン母娘の美しさ、妖艶さ、もうバンパイア以外あり得ないでしょう?というその妖しげなお姿だからだと思う。
ぼくのシアーシャ 200歳の少女
放浪生活を続ける少女エレノアと母クララ。二人にはある秘密があった。それは…
「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」以来となるニール・ジョーダンのヴァンパイア映画。
「インタビュー~」で妖しくも美しい全く新しいヴァンパイア映画を作り上げたジョーダンが再び、儚くも美しいヴァンパイア映画を創造した。
まずはその映像美。
寒々とした空虚感、現代社会の疎外感、200年も生きてきた孤独感を表すのに充分。
太陽も効かない、十字架も効かない、血を吸われてもヴァンパイアにならない、鋭い爪を伸ばして血を吸うヴァンパイア像が新鮮。
ミステリアスなだけで、正直怖くはない。
終盤、クララをヴァンパイアにした集団が現れるが、アクション要素は皆無。
現代パートと過去パートが交錯、淡々と進み盛り上がりには欠ける為、見る人を選ぶ。
ホラーファンには大きな肩透かしかもしれないが、本作で描かれるのは愛のドラマ。
エレノアはある青年と出会う。
関わった者を生かしておいてはいけない、という掟に背き…。
それを許さない母クララ。全ては自分たちの為。
自分をヴァンパイアにした集団の魔の手が迫った時も娘を守ろうとする。
少女の切実と、奔放に見えて激しい母の愛が、静かな中に語られる。
ヴァンパイア映画の形を借り、少女を主軸にした、異色の繊細なティーン映画でもある。
肉感的な母ジェマ・アータートンもいいが、やはりシアーシャ・ローナン!
金髪蒼眼、透き通るような白い肌。
口の周りを真っ赤にして血を吸うシーンは何処か官能的。
白いシアーシャと赤い血やフードの色彩も印象的。
「つぐない」の女の子が本当に美しく成長した。
例えシアーシャに血を吸われても後悔しない!…かも。
異種として生きることの孤独
シアーシャ・ローナンの赤い髪と吸い込まれそうな青い瞳、そして“血”の赤が、曇天と寒色の景色に映えて、映像は美しい。
彼女の寂しげな表情もキャラクターに良くあっている。
但し、ヴァンパイアものとしては、『ぼくのエリ200歳の少女』という高い基準があるので、このジャンルは見方が厳しくなるのは致し方ない。
ニール・ジョーダンとしても、『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』があるわけだが、そこにも及ばず、といった感じか。
母と娘がヴァンパイアになった経緯も、母親のクララが姉のように若いのも分かってはいるのだが、やっぱりジェマ・アータートンは姉にしか見えず母が子を必死に守る風に見えない。ちょっと彼女が頑張りが、全体から浮き上がっている印象もある。
200年前のパートが結構尺を占めているが、この過去パートが上手く現在パートと絡んでいない印象。
人間の命を奪うことでしか癒せない強烈な飢え、異種として人間の世界で生きていくことの孤独。
エレノアの生きづらさは、これよりも嘘をつき続けることにあることに違和感が否めず。
好き。
あまり評価がよくなくビックリ!笑
私は大好きでした、この雰囲気世界観。
何を言いたいのか?はあまり気にせず、
一つのただの物語として見たからかな?
所々で回想される彼女たちの物語のシーンが
すごくドラマチックで好きでした。
キャストも私かなり好みだったので、
そこでも高評価です☆
クララ役のジェマ・アータートンの血を吸う場面には同性ながらゾクっとしました・笑
フランク役のケイレブ・ランドリー・ジョーンズも雰囲気があってよかったし…やっぱり好きだなーこの映画。
確かに?今までのヴァンパイアものではないとも思うが…
キャスティングが好き!とかじゃないと,何を求め?何が言いたいのか?全く持って分からなかった… 非常に“えっ~?!何,その安っぽい血のつもりの流れみたいな設定?”とか…,チープすぎる!と感じさせた箇所が、多々あった!と私は感じた。 もっとホラーっぽさを主旨にするとか、吸血鬼についての奥深さを追求すれば?とか、色んな勝手なこと言っておきま~す。
今までと趣が違うヴァンパイア・ムービー
お互い、ヴァンパイアになった時から歳をとらなくなっているので姉妹にも見えるクララとエレノア。
エレノアを演じるシアーシャ・ローナンは、独特の瞳の色で、哀しい運命を背負った少女にぴったりだ。
クララのジェマ・アータートン。この人ほど役によって印象が変わる女優はそうはいない。品のある美人に見えたかと思えば、次の作品ではソバカスも隠さずその辺のアバズレになっていたりする。汚れ役も厭わず、とくに女優の生命である顔が誰だかわからなくなるぐらい血みどろな役でも平気でこなす。
この二人が、なぜヴァンパイアの道に足を踏み入れたのかが物語の核となる。
いっぽうで、一般的なヴァンパイア映画とは趣を異とする設定が目を引く。
太陽や十字架を怖がらず、日常生活を送る上で必要なお金を稼ぐ現実的な一面を見せるところが面白い。しかも彼女らに噛み付かれてもヴァンパイアにならない。200年生きてきたという設定では、その内容から「ぼくのエリ 200歳の少女」に軍配が上がるが、ヴァンパイアの常識を覆した点は目新しく評価できる。
これでタイトルの「ビザンチウム」がもっと活かされていたらよかった。古代ギリシャで植民者の手によって建設された都市と同じ名前をもつゲストハウス。ここを舞台にしてはいるが、映画の内容からいうと別にどんな名前でも構わない。「ビザンチウム」でなければならない理由付けがはっきりしない。
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