劇場公開日 2013年6月22日

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10人の泥棒たち : 映画評論・批評

2013年6月19日更新

2013年6月22日よりTOHOシネマズ渋谷ほかにてロードショー

観客の心を盗む、クライマックスの怒濤の展開

東京の宝石店から奪われた超高価な<太陽の涙>、目下、香港黒社会を牛耳るドンの女=ティファニーの所らしい。カジノの某所の金庫に納められた<太陽の涙>を奪うこと! 首謀者はマカオ在住の韓国人マカオ・パク=キム・ユンソク(「チェイサー」)である。この作戦に参加するのは韓国勢に中国系(一人朝鮮族)の混成部隊だ。過去の強奪事件のいきさつもあって、韓国勢すら当然一枚岩とはいかない。

顔合わせの時、韓国女性は可愛い、でもみんな整形らしい。といった広東語が飛び交い、意味のわかったイェニコールが私はいじってないと激怒。このイェニコール役がチョン・ジヒョンなのだ! 「猟奇的な彼女」(2001)の美貌、可愛さがいまだに継続していることが驚異。さらに身体表現、声音の色香とユーモアは無敵の域に達し、彼女の喜劇センスに再萌え。キャラが際だっているのはジヒョンばかりではない。ペプシ=キム・ヘス(「風林高」)、ジュリー=アンジェリカ・リー(「the EYE アイ」)、酒浸りの熟女ガム=キム・ヘスク、と彼女たちを観ているだけで楽しい。男日照りのガムにとっての慈雨男となったのがカジノで<ニホン人夫婦!>を演じる片割れチェン=サイモン・ヤム(「エグザイル/絆」!)である。字幕版でしか味わえないが2人のニホン語が笑いと哀愁を誘って絶品。ワタシ、ジュウネンブリデス。ダイジョウブ、ヤリマショウ、みたいな。

実は「10人の泥棒たち」のクライマックスは<太陽の涙>強奪にはない。カジノ襲撃は観客を釣るための<見せ金>に過ぎず、ソウル、香港、マカオときて、真の激闘、ラストの怒濤の展開はプサンが舞台となる。映画は蒔いた伏線すべてを完璧に回収し、観客の「心を盗む」。ヤリマショウ。

(滝本誠)

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