「地獄の底で悔い改めろ・・・」劇場版 SPEC 結(クローズ) 爻(コウ)ノ篇 SCARSさんの映画レビュー(感想・評価)
地獄の底で悔い改めろ・・・
テレビドラマ「SPEC~警視庁公安部公安第5課 未詳事件特別対策係事件簿~」の劇場版第3弾で「漸」の編の続きでSPECシリーズ完結作となる「爻」の編。
本作は世界を崩壊(リセット)させようとするセカイとそれを阻止しようとする当麻や瀬文達の対決が中心となる。
前作の「漸」の編から賛否両論であったけど今回の「爻」も評価が分かれる作品(笑)
内容の大半が警視庁の屋上の鉄塔で進み、CGが多いのは少し退屈感が感じられたし、多くの人達が思っているであろう分かり易いSPECホルダー同士の戦いがなかったのが少し残念ではある。(例えば、ニノマエ対セカイで互いの時を操りあうとか)
しかし、自分的には今まで謎にしてた部分はあらかた語られてたし、SPECシリーズを完結させる感が感じられ最終的には良かった思う。
内容としては、やはり当麻の右手には秘密があり、それは「ソロモンの鍵」である。これは、次元を超え、冥界と現実世界をつなぐ扉であり、時間を巻き戻す事も可能なものである。
つまり、当麻は左手に火の剣を持った天使であると共に右手にソロモンの鍵を持つ者でありセカイと潤はそれを利用して世界を崩壊させようとする。
セカイ達は世界を一度リセットして先人類を復活させ欲望にまみれた現人類から世界を取り戻す事だったけれど、セカイ達は霊体で物理攻撃は効かないはやりすぎ感があったし、当麻の体を冥界からの扉として出ようとした先人類のCGも少し違和感があった。
でも、瀬文が放った銃弾が当麻に命中して一瞬で現実に戻った瞬間との差がより作品にメリハリがついている。
結局、当麻は時間軸の狭間の様なところに行ってしまい、当麻がこれまでいなかった並行世界が流れていくわけですが、天の最後の雅ちゃんが野々村係長の手紙読むシーンで崩壊した世界が周りの景色から感じとれるので違った結末もあったのかと・・・(救えなかった世界とか)
(もうマルチエンディングで作ればよかったのに、例えば1週ごとにエンディング変わるとか(笑))
最後に瀬文だけ当麻を覚えていたのは時間軸に影響を与えた者だから?それとも当麻との愛というか絆の力?
なんせよ当麻と瀬文の事を考えると、とても切なくなるエンディングだったと思います。
本作でSPECシリーズは完結ですが、DVDとかでもう一つのエンディングみたいに皆が笑えるエンディングも作ってほしいですね。
少し内容を広げすぎた感が否めないですが、長いようで短かったSPECシリーズが終わるのは正直さびしいですね。
でも、良くも悪くもSPECが好きな人は一度は観た方がいい作品です。
※エンドロールの会話に「朝倉」を登場させたけど、やるならもう少し他にケイゾクネタを増やしても良かったし、やらないならスパッとなしにした方がいいかと。SPECから見ている人は100%わからないのだから・・・